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傷と向き合う

心の傷って深いし、治りにくいし、痕が残る。

先日、友人が誕生日を迎えた。
とても大切な友人なのでプレゼントを用意し、サプライズで“襲撃”をかけた。

友人は来訪を喜び驚き、滝のような汗を流していた。
人間が本当に驚いたとき、これだけの汗をかくのだなと思った。心拍数が上がるからなのだろうか。
渡したプレゼントも喜んでくれたし、一緒に襲撃を敢行した友人から、ぼくも本のプレゼントをもらってしまった。

相手のことを考えて選ぶプレゼントは最高に素敵だし、ぼくのために友人が選んでくれた本もナイスセンスだった。

10年来の付き合いになるらしい。
人生の3分の1を占めている人間関係なのだから、これはとんでもない話だ。

10年も付き合っていると、ぼくの過去を随分と知られてしまっている。
そうなってくると【今後の傾向と対策】を相談するにはもってこいということになる。

なので3人で話すとアウトプット&インプットが同時になされて、色々なインスピレーションが湧いてくる。

ぼくが今、俳優としてどんな作品に取り組みたいか。どんなひとと仕事をしたいか。
そんなことが図らずもブラッシュアップされる時間だった。

ぼくのことをそれだけ知っている彼らには恋愛相談にも乗ってもらうことがままある。

恋愛の悩みって本当にどこまでいっても尽きない。
恋愛の悩みというか人間関係の悩みのような気がするけど。

話を聞いてもらって、今の自分がどんな方向性に進みたいのか、なんとなく決断がついた気がしていた。

ひとと関係性を構築していくことは誰かを傷つけ、誰かに傷つけられることと表裏一体な部分がある。

最近のぼくは傷つくことを極端に恐れている。
だから関係性を新しく構築していく、その第一歩目を踏み出すのが本当に怖い。

傷痕がなかなか消えない。痛みを覚えている。

友人たちに話を聞いてもらったのに、家に帰ってきたらもう決断する勇気が失われている。

ぼくもたくさんのひとを傷つけているだろうし、多くのひとが傷に対して葛藤しながら生きているのだと思う。

至極真っ当で、普遍的な悩みを抱えているだけの話。

家に帰ってきてNetflixで『セックス・エデュケーション』を見た。
作中の高校生たちは色んな葛藤を抱え、傷つき傷つけながらも、最終的には自分の抱えている問題と向き合い、ひとと向き合っていた。

「こんなにうまくいくかよ」

とも思った。

でもぼくの日常も、友人にサプライズを仕掛けて、友人が滝の汗を流して、仕事の話をして、恋愛相談をするところまではほぼ『セックス・エデュケーション』でしかなかった。

ぼくも多分、惜しいところまで来ている。

オーティス、メイブ、頼む。どうか幸せになっておくれ。

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