おもしろいコンテンツの作り方

差がつく採用広報の「7つの切り口」!ただの社員インタビューではもったいない。

なんだかんだの初noteです。
自己紹介をガッとすると、こんなことをやっています。

* Wistantというプロダクトのプロダクトオーナー
* 新卒採用
* 社内の1on1の運用
* SELECKで取材や執筆
* 会社のエル・ニーニョ
* 愛を食べて生きてる♡

まぁ自己紹介はどうでもいいし、本題に。
時間ない人は、「切り口」のパートだけでも。後半画像多めです。

右にならえ、状態の採用広報


先日、社内で「採用広報のコンテンツ企画の作り方」という勉強会を行いました。
誰でも5分で、「おもしろい企画を出せる!」という趣旨の勉強会です。胡散臭い。街中で声かけられてもついていっちゃいけないやつ。

ですが!!実際に、参加したメンバーに企画を考えてもらったところ、本当に5分ほどでそれらしい企画案が出てきました。
天才すぎるなぁ。

別に社内に留めておく必要もないので、本noteでは勉強会の内容を公開します。そもそも、なぜこの勉強会を開催したかというと、ベンチャー界隈の採用広報のコンテンツが、「別におもしろくなさそう、何番煎じだ!」といったものばかりだなと思ったからです。

せっかくおもしろい会社ばかりなのに、もったいない!絶対もっとできる

おそらく、採用広報の現在地というのは、「採用広報って大事!うちもやらないと!インタビューだ!とりあえずインタビューしよう!」という段階なんだと思います。駆け出し。


必要性はわかってきた。が、しかし、どのようなモノを出せばいいのかわからない。経験もない。とりあえず他社に右ならえ!


結果として、Wantedlyなどの広報ブログが集まるプラットフォームは、コンテンツの墓場状態になってしまっています。
でも、せっかく作ったコンテンツが、そのように埋没して最後まで読まれないのは嫌ですよね?俺だったら耐えられない。


ということで、どういう切り口でコンテンツを企画すればおもしろくなるのか、一緒に考えていきましょう。
素敵な会社の、素敵なコンテンツで溢れるといいな

そもそもコンテンツとは何か?

まず、企画を作りやすくするため、簡単に「コンテンツ」の要素を分解していきます。


このように、「コンテンツ=対象×切り口×表現」で成り立つと定義してみましょう。いわゆるテーマと呼ばれるやつは、この対象と切り口が掛け合わさったものです。


試しに3つくらい、例を用いて説明してみます。


▼「ボヘミアン・ラプソディ」のケース


大ヒットした、QUEENのボヘミアン・ラプソディ。
なぜ作中ではあまり出てこない曲がタイトル名になっているのかという話もありましたが、これはテーマとなる切り口が、「ボヘミアン・ラプソディ」だからですね。

(まぁ見てないんですけど。)

▼「君の名は。」のケース(※若干のネタバレ含む)

「まぁわかる」って書いたけど、よく考えたら、まぁわからない。独身。

▼SELECKの記事のケース
続いて、自分が企画したSELECKの記事から。
ココナラの南社長にインタビューさせていただいたものです。
反響が大きく、SELECKの中でも人気記事になりました。
(人気記事になったのは、ココナラさんのおかげです。)



SELECKの場合、媒体として「インタビュー形式で、リアルな事例のプロセスや成果を公開する」という方針があるので、切り口や表現が考えやすいです。SELECKの好きなところです。自己愛。

採用広報は何を変えればいい?

では、採用広報の話に戻りたいと思います。

が、その前に…「コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと」という本に、採用広報に携わる人に考えてほしい、興味深いことが載っていたので、紹介させていただきます。

▼コンテンツ産業のサイクルとして紹介されたもの(コンテンツの秘密、より引用)

1. コンテンツとして表現する「対象」を選び、素朴にリアリズムで描くことからはじまる「アーカイズム」
2. 表現方法が確立され、古典となるべき完成形が誕生していく「クラシック」ー
3. もう古典ができてしまったので、細部にこだわるしかなくなった「マニエリスム」ー
4. もはやすることがなくなってゴテゴテ飾り立て、何を対象にしていたのかさえ忘れてしまった「バロック」 

出典元:コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと (NHK出版新書)
著者:川上 量生

コンテンツ業界は上記ような推移を辿ります。

 たまに映画のアバターみたいに、これまでの歴史で確立されたものをぶち破ってきたりするものもあります。
ここで考えたいのが、あなたの会社の採用広報は、今どこのサイクルですか?ということ。
もしかして、いきなり3番までいってしまっていませんか?
実際、多くの企業さんが、3番のバロックだと思うんですよね。

だいたいの対象や切り口、表現方法が確立してきたので、もはや細部にこだわることしかできなくなってしまった。

例えば、綺麗な画像の方がいいよねとか、オモシロ経歴の社員を持ってくるとかとか。
そんな中でも、サイバーエージェントさんの記事などは、やっぱりクオリティが高いですよね。
この記事とか、特におもしろかったです。切り口から文章構成まで全て。大御所。
内定者が人事トップを逆面接してみた

しかし、まだまだ表現方法の余地は残ってるはず。
ということで、対象と切り口と表現、この3つを中心に採用広報のコンテンツ企画の作り方を見ていければと思います。(やっと本題...)

採用広報のコンテンツ企画の手順


まずはじめに、伝えるべきメッセージとゴールを考えます。
よくブログや文章には、メッセージを考えるのが重要だと言われます。
まぁ映画でも小説でもそうかもしれないですね。コンテンツを楽しんだ人にどうなってほしいのか。おっしゃる通りかと思います。
ですが、採用広報においては、一番エネルギーを使ってはいけない部分になります。


採用広報の場合、「採用」広報というだけあって自社のなんちゃらを訴求して、会社への興味関心を強くしてもらうことがゴールです。自明。

表現に違いはあれど、本質的にはどれもこんな感じかと。

例えば、人事制度について書くなら、メッセージは自動的に「いかに弊社が組織ビジョンに根ざした人事制度で、従業員を幸せにしているか」しかないのです。

そこで大事なのは「切り口」を考えること。前述した人事制度のメッセージをどう興味深く、リアルに届けるか、です。How。
おもしろくなるまで、いじくりまわす!

2番から4番は選択肢から選んでいく形です。あとは組み合わせ。コンビネーション。

採用広報の「対象」

切り口の話に入る前に、採用広報のネタとなり得る「対象」についてお話します。幸か不幸か、採用広報の対象は有限です。好きを選ぼう。
良い会社の方が対象が多いです。悪い会社は片手で数えるほどしかないというのが現状かもしれません。

「人事や経営陣がどれだけ従業員の課題解決をできているか」
が、競争力の差に直結するのが採用広報ですね。


弊社の場合、さっと出るのでだいたいこんな感じ。(すごい雑だけど、まぁ重要でないので…妥協。)
ここから自分の書きたいものを選べばいいのです。

もしくは作る。
対象がなければ、採用のために何か人事制度を作ってしまえー。(それだけ採用大事だよねって言いたいだけです。)

採用広報の「切り口」

ここ、一番大事なパートです。
もうお気に入りにしておいて、常に見れるようにしておくべき!!!シェアするときは、ここを絶対に見るようにと呼びかけるのです←


僕が個人的に、イベントやSELECKの記事やブログネタなどを作るときに意識している「7つの切り口」を出してみました。
その切り口をもとに、コンテンツのイメージを例として出してみます。
(あくまでも例なので、REの考えとかではないです。)


1.秘密を公開する
袋とじを見てしまうようなイメージです。「これはちょっとイケナイものを見てしまっているのでは」と感じるものはどうしても読みたくなります。
(例)マネージャーがチームメンバーの信頼を得るために、コッソリやっていることとは?

2. 手に入れにくい情報や、手に入れる手間を代行するような情報
ランキング記事などはこの形式ですね。あとはデータ系なども。「これ知りたいかも」と思っても、自分で手に入れるのが困難な情報は、良いコンテンツだなと思います。
(例)日米、最先端の企業のミッション100個と自社のミッションをポジショニングしてみた

3.逆張りをしてみる
世の中の主義や主張、トレンドと逆のことを伝える切り口です。情動を伝えやすく、右倣えのコンテンツとも一線を画します。あとは意外と同じことを思っている人がいたりして、共感によるシェアが生まれます。
(例)働きやすさを強みにしている企業はカッコ悪い。ただひたすらミッションへのコミットを求めた採用活動/早期採用とかツライだけじゃない?かかった工数を分析してみた

4.関係を逆さまにしてみる
主述を逆転させたり、ステークホルダーの視点にたって考えてみましょう。今までなかった観点になるので、新鮮さがありますし、同じことを伝えるのでも説得力が変わります。「うちはお客様想いです」って社長に言われたってねぇ…
(例)学生のつもりで、REの新卒採用を受けてみた話/人材エージェントになぜREを紹介するのかインタビューしてみた

5.徹底的にリアルやデータ、記録にこだわる
採用広報って良いことを言いやすいから、胡散臭いんですよね。データや記録を出すことで疑う余地のない情報を出しましょう。そこが差別化になります。
(例)満足度がもっとも高いペアの1on1、全て公開します。

6.歴史を遡る
みんな歴史ものが大好き。三国志とか。いくらでもコンテンツがあるので、困ったらコレ。という感じで、個人の歴史を遡ることが増えていますが…対象は考えましょう。
(例)新規事業がどう困難を乗り越えていったのか。PMの日記からみる課題解決の方法

7.テレビの企画から考えてみる
テレビのウケている企画は切り口とか表現がおもしろいですよね。パクれます。水曜日のダウンタウンとか、クイズ系とか、ちこちゃんとか。
(例)ちこちゃんになりきって、社長に360度フィードバックをしてみる/REで格付けチェックをしたら、泥臭い雑草魂の人間しかいなかった

1つしか切り口を使わない時もあれば、7つ全部使う時もあると思います。
おもしろくなりそうだなと思うまで、足したり引いたりねじったりしてみてください。

採用広報の「表現」

最後に、「表現」です。
表現も文章に絞って考えれば有限です。
動画とか音声とかも実際にはありますが。
ただ、「思考停止状態」になって他の可能性が見えていないのは良くないので、改めてどの形式がいいか考えましょう。

▼だいたいこんな感じ

よく使われるのはインタビューとかランキングとかですかね。
自分語りってなんだろうwコラム的なやつを想定した気がします。


個人的には、小説型はもっと増えたらおもしろいのにと思います。東京カレンダー。あとは情報量と文章量のバランスは意識しましょう。
例えば、「今年の一語」や「俳句」は文章量のわりに情報量は多くなっています。逆にポエムは、文章量のわりに情報量が少ない。小説はどちらも多いですね。


コンテンツは読んで→脳内で音読され→イメージ生成のような理解のされ方をするので、小説のように情景や感情が思い浮かびやすいものはなかなか良いと思うんですよね。
今度書いてみよう。書くセンスがないけど。
まぁ、「俳句」とかをWantedlyで出しまくっているとヤバイ会社だと思われるかもしれません。毎日俳句出し続け、解説もなく、周りの反応も無視してる企業があったら最高にクレイジーだと思いませんか?僕は嫌です。

実際に作ってみましょう

以上で、考えるべきことは終わりです。
早い!(くせに長い)
実際にどうなるのかをみてみましょう。
今回は、対象を「タコス」で固定してみます。
※タコスは弊社で使われている、Slackと連携したピアボーナスです。
詳しくはこちらの記事をチェック!



▼ケース1

切り口の種類は
「1.秘密を公開する」
「5.徹底的にリアルやデータ、記録にこだわる」
を採用。

ちょっとピアボーナスのメッセージ公開だと惹きが弱そうなので、まだいじってみます。

▼ケース2

切り口の種類は、
「2.手に入れにくい情報〜」
「6.歴史を遡る」
「7.テレビの企画から考えてみる」
を採用。


「その時歴史が動いた」っぽく。
なんかキーマンへの取材を、背景真っ黒な部屋で真剣にシュールさを出してやりたいw
おもしろいかもしれませんが、どちらかというとピアボーナス導入したい人に刺さりそうな気もしますね。
もうちょっといじってみます。

▼ケース3


切り口の種類は、
「5.徹底的にリアルやデータ、記録にこだわる」
「7.テレビの企画から考えてみる」
を採用。


Wevoxと合わせて、ピアボーナスという(疑わしい)制度の効果を検証する。

書く時は結果はまだ不明、くらいで進めるくらいが楽しそう。
けっこう良さげ。結果がよければ、組織が良いアピールにもなるし、組織をデータでも見ていることがわかる。
まぁ悪くても、情報オープンの精神を讃えてほしいです。
最後に遊んでみる。

▼ケース4

切り口の種類は、
「4.関係を逆さまにしてみる」
「5.徹底的にリアルやデータ、記録にこだわる」
を採用。


スーパータコを主人公にする。
▼スーパータコさん


最後に


この要領で社内勉強会では、いくつかコンテンツ出しを2人1組で、制限時間5分でやってみました。
この短時間でおもしろそうな企画案が出て、ええ塩梅でした。


サンクスギフトを社長が青森まで手渡して、話を聞く」なんかはハートウォーミングで良いなぁと。


※サンクスギフトは、社員の誕生日に社員が選んだプレゼントと会社のアルバムを家族やパートナーに届けられる社内制度


みなさんもぜひ、何かコンテンツを企画するときは今日書かせていただいたことを意識してみてください!
ちなみに….


▼弊社はこんな会社です。採用積極的です。


▼私は普段、こんなサービスのPO(プロダクトオーナーやってます)

▼2/11の週から、マネジメントについてのおもしろいオンラインコミュニティやるので、ぜひ。

▼イベントもよくやってます。カードゲームしながらマネジメントについて話す飲み会とかw

組織作りや1on1、採用、プロダクト作り、CSなどは話せることも多いので、何か相談ありましたら気軽にDMください。


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