失くした鍵を探して
目を覚ますと時計の針は午前10時を回っていた。昨晩の出来事を思い出そうとするが、寝起きで冴えない上に、軽い二日酔いがさらにその思考を阻んだ。
「あ、鍵」
かろうじて思い出せたのは、昨晩のうちに部屋の鍵を紛失したことで、山の如く積み重なる私の歴史の中でも指折りで最悪な目覚めである。どうか夢であってくれと、1K6畳の部屋を手当たり次第探してみるが、どうやら夢ではないらしい。仕方なく私は昨晩の行動履歴をどうにか思い出し、鍵を探しに出かけることにした。
これはとある独り善がりで頼り無