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L:51 ねぎま的な知@渋谷◯◯書店

2023.12.17

渋谷ヒカリエの8階にはd47 design travel store川本喜八郎人形ギャラリーがあるので、私にとって眼福の場所なのだけど、今日、初めて渋谷◯◯書店を見つけた。調べて見ると、前からあったようだけど、気がつかなかった。

調べて見ると渋谷◯◯書店のnoteもあった。

どんな場所かと簡単に言うと、いろんな本屋(個人でもよい?)が、渋谷◯◯書店内の棚を借りて、出店している場所だ。ただ、個々の本屋は普通の本屋というよりは、何かに特化した専門、ニッチ、趣味嗜好で本が揃えられていて、かなり個性的になっている。

管理人の方はnoteで

この書店を通じて取り組もうとしているのは、「偏愛に満ちた世界」をつくることです。

渋谷◯◯書店noteより

図書館にある、その時々の特集展示みたいなものが一同に集まっているイメージだが、そのテーマは図書館のテーマ展示にあるような公共性の高い展示とは限らない。

書店の一角

一つ一つの棚を眺めていると、既存の本屋や図書館というのは、ある一つの側面から見た本の供給場所なのだなぁと感じた。

例えば、街のよくある本屋、大きいところ、小さいところ含めて。基本的には本の陳列はだいたい同じだ。ビジネス書、文芸書、実用書、児童書みたいな感じで、どの本屋に行っても同じ場所に同じ様な本がある。図書館でもそうだ。決められた分類がある。私は確か、140(心理学)、360(社会学)、800(言語学?)あたりをうろうろすることが多い気がする。

この基本的な分類があるおかげで、どの本屋、図書館に行っても、大きく迷うことなく自分の興味のある本を探し出せる。効率的だ。

ただ、街の本屋で言えば、棚の制約もあるだろうから、売れ筋の本であったり、出版時期もある程度、最近のものだろうし、新品しか置いていない。

渋谷◯◯書店を歩いていて面白かったのは、新しい本も古い本も同じ棚に置いてあることだ(そうでない棚もある)。また、いわゆる本屋や図書館の分類では、同じ場所にはないような本が集められている。最初は、これって古本屋が似た様なものかと思ったが、古本屋は古本屋で新しい本を置いてあることは少なそうだ。

本の高さもまちまちで、誰かの本棚って感じが伝わる
しゃっくりの本を集めている棚。森鴎外に「吃逆(しやくり)」という短編があるらしい
これは、どういう意図で集められた本だろうと想像するのも面白い

この上の写真の棚。いくつかの本を手に取ってパラパラとめくったてみた。何となく、ジェンダー意識や二元論みたいなものへの批判で集められた本なのかなあと、棚主の意図を想像して見るのも面白い。

これを書きながら調べたのだが、この棚は東京在住台湾人が運営するsumi book roomさんの棚だった。面白そうだったのでtwitter(今X)もフォローした。

図書館や本屋は私たちが知や情報に接する重要で、最もよく普及した場所とも言えるけれど、無限にある知や情報の集め方(組み合わせ方)のうちの一つなのかもしれないと感じた。

イギリスの歴史について知ろうと思うと、まずは本屋の「歴史」の棚の本を頼りにする。それは、かなり正しいアプローチだと思うのだけど、その他にも異なるイギリスの歴史へのアプローチはたくさんあるのだろう。歴史の棚にはない誰かの書いたイギリスの旅行記にだって、イギリスの歴史が書かれていることはある。

イメージとしては、焼き鳥やバーベキューの串をイメージした。ついつい、肉なら肉、野菜なら野菜を刺すことが多いのだけど、ねぎまとか、肉と野菜なんなならシーフードが一本に刺さった串もある。それは肉だけの串とは違った魅力(味わい)がある。

渋谷◯◯書店には、そういう多様な串刺し感があって、とてもよかった。そういう、見方、まとめ方、集め方、があるのかと。

以下、気になった本。これは棚に一冊だけ飾ってあった。

海外の絵本は、舶来物的な雰囲気でよい
毒草辞典。装丁も凝っていて好み

こういう本屋が商業的にも成り立つか私はよくわからないけど、続いてもらえるとありがたい。

追note:

川本喜八郎ギャラリーで蜀の皆様の勇姿を拝見して、力をいただく。

なんといっても諸葛亮様。三顧の礼の時なので羽根扇なしバージョン
劉備はお願いしてる


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駄々こね太/ Essayist
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