#77 思考力が特別な力になる時代? 周りをアイデアマンにできる人の秘訣
こちらは一部のみの書き起こしです。 読書のコツやエピソードが満載の「おたよりコーナー」は、Podcast限定でお届けしています。
今回募集したテーマはこちら。
「漫画との付き合い方、どうしてますか?」
▽本編ではこんなおたよりにお答えしています。
みんなに「考えてもらう」働きかけの強さ
皆さんの生活の中で「複数人で何かを決める」という場面はどのくらいあるでしょうか?
仕事で役割分担をするとき、友達同士でご飯の場所を決めるとき……小さなものから大きなものまで、意外と多くの機会があると思います。
この「複数人で決める」という作業は、どうしても難しさが伴うものです。
何人集まっても無難な答えばかりで決まらなかったり、全員が「なんでもいい」ばかりでなかなか結論が出なかったり……という場面は多くあるでしょう。
こんなときに「リーダシップを持った人」がいると、救世主になってくれます。
議論を前に進めるために「ここがポイントじゃない?」「これに決めたら、反対する人はいる?」という風に質問を投げかけながら、周りに「考えてもらう」ための働きかけをしてくれる。こうした人がいると、議論はきちんと実りあるものになります。
必要なときに、自分で考えて適切な働きかけができる人は、周りに良い影響を与えてくれるんですね。
思考力がつきにくい時代なワケ
こうした、周りの人にも影響を与える働きかけができる力は、人によってますます差が開いていく時代となっています。
というのも、この差を生んでいるのは、その場で必要な振る舞いを考える「思考力」そのものだから。そして、この思考力は、普通に生活しているだけではどんどん弱まりやすい時代となっているからです。
現代には「タイムパフォーマンス」という概念があります。どれだけ短い時間で、期待した結果が得られるかどうかを指す言葉です。
たとえば、思い出せない漢字を頑張って思い出すより調べてしまおう、という判断も、タイムパフォーマンスを重視した結果のひとつです。
SNSで見かける、知識を数枚の画像にまとめた投稿や、あらすじだけを紹介した「ファスト映画」も、短時間で多くの情報を得ることを優先したもの。こうしたコンテンツは現代のあちこちに溢れています。
この「タイパ重視」の考え方は効率のよさを叶えてくれる一方で、「考えない癖」をつけることでもあります。一直線に答えや結論にたどり着けないと、効率が悪いと切り捨ててしまい、思考する時間そのものがどんどん短くなっている状態です。
みんなが「思考しにくい環境」に身を置いているからこそ、自分の頭で考えられる人は、それだけで他の人にない力を持つことになります。
思考力の正体は「姿勢」と「持久力」
こうした時代でも思考力を身につけていくには、どうしたらいいのでしょうか。
実は「思考力」には大きく「2つのポイント」があります。
①自ら考える姿勢
まず重要なのは、自分から考えようとする姿勢です。考える意欲そのものとも言えますし、「知的好奇心」とも言い換えられるでしょう。
▽知的好奇心については、こちらでもお話ししています。
普通の人であれば「めんどうだな」「別に、周りに合わせればいいや」と思うようなことでも、自分の頭で考えようとする姿勢です。
例えば、クラスでの役割分担のためにクラスメイトの特性を考えてみたり、部活動の試合に勝つための戦略を決めたり、そうした部分を能動的に考えていく姿勢があるかどうか。
検索だけではわからない事柄を自問自答しながら深めようとする癖は、思考力に欠かせません。
②長く考える力
もうひとつ、「長く考える力」をつけることも重要です。
運動するためには体力が欠かせないように、思考にもある種の体力が必要になってきます。
考えが深まったり複雑になったりしても諦めずに考え続ける作業には、ある程度の難しさが伴うものです。
例えば、お子さんが読書感想文を書くときの思考を考えてみましょう。
こうした文章を書くときには、まず考えや気付きをピックアップし、それを構成して文章にします。「面白かった」というシンプルな感想から、なぜ面白かったのか、もっと詳しくいえばどんな感情なのか、と思考を深めていくでしょう。さらに、それを伝わる文章で表現して、章ごとに組み立てて……とたくさんの思考が必要になります。
それを乗り切る体力が足りないと、あらすじを書いて「面白かった」と書くだけで終わってしまうんですね。
この力は、運動と同じようにトレーニングすることでついていきます。
読書は一石二鳥で思考力を育てられる
「自ら考える姿勢」と「長く考える力」。
この2つの力を養うために、読書はピッタリの活動です。
まず読書は、自分自身で物語を追って楽しむ積極性が必要です。
これは、夢中になって没入することだけではありません。初めは、登場人物を覚え、ページをめくっていくだけでも、十分積極的になれているんです。
そして、本を読んでいるあいだずっと、お子さんの頭の中ではさまざまな考えが繰り広げられています。
このセリフはどういう意味なのか、前のページと比べて何が変わったのか、このシーンの先には何があるのか……読書そのものが、無意識にでも頭を使い続ける行為になっていると言えるでしょう。
▽読むときのプロセスについては、こちらでお話ししています。
つまり、読書習慣があるだけで、現代ではつきにくい思考力を育てていく習慣も同時につくることができるんです。
思考力があり、考えることに慣れている人は、集団のなかでも常に「これはどうなんだろう」「このためにはどうしたらいいんだろう」と、自問自答し続けています。
その問いかけが周りの人にも考えさせる力を持ち、冒頭で挙げたような、議論を実りあるものにするリーダーシップにつながっているというわけです。
最新回はPodcastで先行公開しています。
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