「Lullaby」歌付きの掌編小説
Lullaby
情景1
「さあ、そろそろ寝る時間。ベッドに行きましょう」
母親の言葉に幼子は素直に頷いた。
子どもに薄いキルトをかぶせると、母親は隣に体を横たえた。
「ママ、いつものお歌うたって」
子どもがねだった。
「いいわよ。でもちゃんと目を閉じてね」
母親は優しく言って、歌い始めた。
「…朝の光あふれて 裸足で駆け出す
さえずる鳥 追いかけ 木立走り抜ける
嵐が過ぎ去るまで ここで少し瞳を閉じて
雨に濡れた翼休めて 虹の夢見る
あなたの小さな手を いつまでも包む