yuzus book club

研究読書自己研鑽用メモです。 読んだ本や論文などをまとめます。

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最近の記事

『ぼそぼそ声のフェミニズム』栗田隆子

本書の内容から一度離れるようだが、私は中学生のときにいわゆる不登校のような状態になったことがある。学校に行くとしてもほぼ100%遅刻する、というような。どうしてそんな状態になってしまったのか、というと、今では思春期だったとか、重篤な中2病だったとか、っていうことでまとめることにしている。やや早熟だった(多分)ので、Coccoとか、南条あやみたいな、女の子の病みカルチャーのようなものにもすごくシンパシーを感じていた部分もあったと思う。学校に行けなくなったことの理由はいまだに全貌

    • 『トラウマにふれる−心的外傷の身体論的転回』宮地尚子

      ベッセル・ヴァン・デア・コークの『身体はトラウマを記録する』を呼んだあとだったので、タイトルにあるほどの「身体論的転回」を実感することはなかったけど、これは、特に前半はいろいろな人に読んでほしい本だと思ったし、自分のなかに済むハゲ散らかしたおっさん(を抱えるまごうことなき自分)に付ける薬としては必要な本だったと思う。 本書で繰り返し語られるのは、トラウマ的な体験をした人が、自らの身体に対してどのように違和感を感じ、その結果どういう症状がでるのかということ。 性暴力とそれが

      • 『メイキング-人類学・考古学・芸術・建築』ティム・インゴルド

        つくることに関して、質料形相論を反論しつつもう一度引き受ける、のような本。握斧の章、因果関係の逆転が起こるところが面白くて、そこから先も繰り返し同様のぐるん!感をおもしろく読んだ。

        • 『現代美術史-欧米、日本、トランスナショナル』山本浩貴

          唐突に内容と関係ないことを言うようだけど、あとがきの最後の最後に共感しすぎて泣いた。 欧米、日本、トランスナショナルとあるように、現代美術の歴史をある程度地域(あるいは地域に対する態度)で区切って編んだという本。現代美術の理論を学ぶ入門書としては、やや難易度高めなんじゃないかなと思うので、マジの入門の人にはおすすめしません。 ひろく現代美術の、とくに政治的であったり、社会的と言われるような作品に関してその作品やコレクティブのマニフェストが整理されていて、持っていると助かり

        『ぼそぼそ声のフェミニズム』栗田隆子

          『白い病』カレル・チャペック

          あらすじ ペストやハンセン病に似た感染症「白い病」の爆発的な流行のなか、町医者のガレーン博士が特効薬/治療法を発見。 大学病院での臨床を申し出たガレーンは、貧しい人のみを治療し、それ以外の人間には自身の治療法を一切明かさない。 治療に効果があることが世に知られると、権力者や金持ちがガレーン博士を尋ねる。ガレーンは「永遠の平和」「戦争の放棄」が治療の条件であると突きつける。 読書メモ 最近は、「政治が変わるのは一番最後だ」と思うことが多い。わたしは権力者でもなければ金持ち

          『白い病』カレル・チャペック