『白い病』カレル・チャペック
あらすじ
ペストやハンセン病に似た感染症「白い病」の爆発的な流行のなか、町医者のガレーン博士が特効薬/治療法を発見。
大学病院での臨床を申し出たガレーンは、貧しい人のみを治療し、それ以外の人間には自身の治療法を一切明かさない。
治療に効果があることが世に知られると、権力者や金持ちがガレーン博士を尋ねる。ガレーンは「永遠の平和」「戦争の放棄」が治療の条件であると突きつける。
読書メモ
最近は、「政治が変わるのは一番最後だ」と思うことが多い。わたしは権力者でもなければ金持ちでもなく、もし「白い病」にかかったら治療してもらえる貧乏人かもしれない。そこまででもないかもしれないけど。この物語が訴えかけるのは常に当事者たれ!ということ。関与せよ、と。わたしたちの暮らす国が抱える問題はとても多い(それは世界にも同じことなのだけど)。それをもはやトップダウンで変革する能力がこの国にはない、あるいは、もっと悪い方向に行ってしまうのではないかという不安さえあるなかで、わたしたちは日々の暮らしのなかで関与していくしかないんだとおもう。
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