『現代美術史-欧米、日本、トランスナショナル』山本浩貴

唐突に内容と関係ないことを言うようだけど、あとがきの最後の最後に共感しすぎて泣いた。

欧米、日本、トランスナショナルとあるように、現代美術の歴史をある程度地域(あるいは地域に対する態度)で区切って編んだという本。現代美術の理論を学ぶ入門書としては、やや難易度高めなんじゃないかなと思うので、マジの入門の人にはおすすめしません。

ひろく現代美術の、とくに政治的であったり、社会的と言われるような作品に関してその作品やコレクティブのマニフェストが整理されていて、持っていると助かりそう!もちろん「私的」とされるような作品についても言及はあるものの、社会性(or公?)に抗するものとしての私(性)のような扱い方に当然ながらなるよね、と思いました。地域性という筋道を立てれば当然かもしれない。

後半の「ブリティッシュ・ブラック・アート」に関する章は、筆者のご専門なのでしょう。全体と濃度というか深度というかテンションというか・・が違う。でも、ある種このような個別的な例があることを意識できる点で、逆に世界各地にこういう個別的な事例があるのだろうなと感じることができました。(読書会用に。)

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