文学フリマとコミティア
小説を公募に出しても落選続きで、自分の作品が求められていないことを痛感した。
それでも、どこかに自分と同じ感性を持つ人がいるかもしれないと希望を抱いて、文学フリマに出るようになった。そして、漫画を描くようになってからはコミティアにも参加するように。
初めて描いた作品を、友人以外の人が買ってくれたときは、たった一冊でも本当に嬉しかった。プロの漫画が600円やそこらで買える時代に、わずか50ページほどの素人の漫画に1000円近く出してくれる人がいるなんて、本当にすごいことだと思う。
数ヶ月経つと、「ああ、あのときの絵や文章、おかしかったな。書き直したい! あんな未熟な文章や下手な絵の漫画を買ってくれた人に申し訳ない!」と恥ずかしくなること毎回の如し。
それでも、懲りずに新作を出し続ける。
自分の作品を少しでもよくしたくて、出張編集部でアドバイスをもらいにいきまくる。
年齢が年齢なので、編集さんも介護モードになって優しくアドバイスくれるので、うれしくてカウンセリングにいくみたいに行ってしまう。(すいません)
新作を出すたびに買いに来てくれるお客さんが現れると、本当に嬉しくて、毎年イベントに出たくなる。
さらに、地方コミティアにも出たいという気持ちが強まり、旅行がてら参加するように……。
そうしてイベントが続くのは楽しいけれど、ほとんど売れないので当然赤字だ。
でも、赤字でも一冊でも自分の作品が売れると、その瞬間は赤字なんて……気にしない! お金がなくても幸せはある!
もともと自分が楽しむために始めた創作活動。
でも、自分の作品を楽しんでくれる人がいる。
それだけで、もう十分に幸せなんだ。