R帝国 感想文
無慈悲なバッドエンド。
しかし、そのバッドエンドを小説の中だけの出来事と、割り切れない。
むしろ、我々の世界もそうなるのでは、もしかして、もうそうなっているのでは。
それを回避する答えを私は持たない。作者も持っていないのでは。この世界の誰も持っていないのでは。
誰でも加害者にも被害者にもなり得る社会。
作者は、物語のなかで、物理的運動と表現していたが、星が公転と自転を続けるように、破滅な社会に突き進んでいく人間の性は、物理的に決まっていて、だれにも変えられないのではないだろうか。
地球の自転を止めようと、地上で地団駄を踏むかのように。