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0~3歳の自宅保育がうまくいくコツを専門家と先輩ママが教えます!

お茶の水女子大学特任教授で、幼稚園教諭やこども園の園長なども務めてきた宮里暁美先生に「自宅保育」では、どんなことをするのがおすすめかについて話をうかがいました。今回は、宮里先生の専門家の目線と、先輩ママのリアルな目線の両方から、自宅保育のやりくりについてお届けします。

そもそも自宅保育って何?という方はこちら


自宅でできる! “個”を伸ばす過ごし方

前回の記事で宮里先生は、「自宅保育と言っても、自宅を保育園や幼稚園のようにしなくてもOK」ということでしたが、0~3歳児と自宅で過ごす際、どんなことをして過ごすといいのでしょうか?
宮里先生がおすすめする3つの過ごし方をご紹介します。

①ママやパパと一緒に家事をする
子どもを自宅で見ながらも、洗濯物をたたんだり、掃除をしたり、やらなければいけない家事はたくさんありますよね。
子どもは大人のマネをするのが大好きなので、ぜひ、いっしょに家事をしてみてください。
2歳くらいになると、『やりたい!』と言い出す子も多いのではないでしょうか? それ以下の年齢の場合も、隣で家事をしながら『ママは今、掃除機をかけてるんだよ。きれいになると気持ちがいいねー!』などと声をかけるなど、家事をする時に『待っててね』ではなく、“一緒に”という感覚でするのがおすすめです。

②一緒に料理をする
炊事の中には、蒸す・濾(こ)す・沸騰するなど、まるで実験のような科学的、物理的なことがたくさんあります。
『次は卵を割りほぐそうね』などと話しながら料理をすることで、子どもの語彙力もアップし、生活力を身につけることができます。
とはいえ、小さい子どもに料理をさせるのは一苦労ですよね。なので、野菜を洗ってちぎる、お米をとぐ、お箸を並べるなど、子どもの年齢に合わせてできることを考え、一緒にやってみるのがいいでしょう。もちろん、毎日ではなくていいので、月1回でも試してみてくださいね。

③お散歩をする
『今日は公園に行こう』と、行き先や目的を決めてお出かけするのもいいですが、道を歩くことだけでも十分楽しいので、外に出て近所をお散歩するのがおすすめです。
大人にとってはいつもの道でも、子どもにとっては冒険のようなもの。咲いている花、散歩中の犬、スーパーの中で出会う人など、いろんなものにワクワクすることでしょう。そして、雨の日はお散歩できないと考える方もいますが、カッパを着て長靴を履いてお散歩するのも楽しいものです。透明な傘をさして空を見上げたり、そーっと水たまりに入ってみたり、子どもにとっては未知の体験。あまり強い雨風じゃない場合は、雨の日のお散歩もおすすめですよ。


先輩ママに聞く!「自宅保育、行き詰ったらどうする?」

保育園に行っていない子を育てる親は特に、子どもと一緒にいる時間が長いことから、イライラしたり、不安な気持ちになったり、行き詰ることがありますよね。そんな時、どうやって解消していたか、現在は小学生になった子どもがいる先輩ママに話を聞きました。

昼寝したら一人の時間を楽しもうと思っていたのに、そういう日に限ってなかなか寝ない……。
そんな時は、ベビーカーに子どもを乗せて外に出て、ちょうど寝たところで私も休憩。カフェに入ると、温度の差やBGMの音量で起きてしまいそうな気がしたので、公園のベンチなどに座って、お気に入りのドラマを見ていました。ちょうど1話見る頃に起きて、その頃には私も少しリフレッシュ!
[Kさん 子どもが1歳(女の子)の時のエピソード]

1歳半差の兄弟がいるので、子どもを見ながら家事をしようとすると、大抵邪魔が入って、思うように進みません。なので、子どもを一人で見ている日は、掃除や洗濯を諦めて、一緒に遊んだり、昼寝したりして過ごすことが多かったです。
洗濯はまとめてコインランドリー、掃除はロボット掃除機など、ラクできる方法を考えるのがだんだん楽しくなって来て(笑)。ワンオペの日=ラクできると考えると、気持ちが軽くなりました。
[Mさん 子どもが10ヶ月(男の子)と2歳(女の子)の時のエピソード)]

息子は動くのが大好きなので、体力をどう消耗するかが私の日々の課題(笑)。1歳くらいからはほぼ毎日近所の児童館に行ったり、ネットで『子ども 室内遊び場 無料 ●●市』などと検索して、ヒットしたところに遊びに行ったりしていました。
あとは、一時保育が月に5回まで使える自治体だったので、それはフルで使用。自宅に1日いる日より保育園に行った日のほうが夜もぐっすり! 今、小学2年生ですが、毎日サッカー漬けで動き回っています。
[Sさん 子どもが2歳(男の子)の時のエピソード]

娘は8ヶ月くらいの頃から私がそばにいないと泣いたり、黄昏泣きのように夕方になると泣いたりすることが多く、ずっと家にいるとノイローゼになりそうに……。
そういう時は、娘を抱っこひもで抱っこして、ちょっと遠いスーパーまで歩いたり、娘が寝たら図書館に寄って本を読んだり、カフェで一休みしたり1~2時間くらい歩き回りました。ずっと抱っこで身体は少々疲れますが、ずっと家にいるよりは何倍もよかったです。
[Aさん 子どもが10ヶ月(女の子)の時のエピソード]

3歳から幼稚園に!と思っていたので、1歳の終わりごろから気になる幼稚園の園庭開放やお試し保育に参加していました。そこで同じ年齢の子どもを持つママと出会って意気投合し、みんなで家を行き来したり、児童館で遊んだりして、子どももママも楽しい時間を過ごしていました。
あの時期、一人で育児をしていたら、きっと今ほど育児を楽しめなかっただろうと思います。そのママ友とは、10年たった今も仲良しです♪ 
[Rさん 子どもが2歳(男の子)の時のエピソード]


自分なりの自宅保育で楽しく育児をしよう!

宮里先生の話も先輩ママの話もとても参考になるものでしたね。「こうしなくては!」という枠組みを持たず、自分なりにアレンジしながら、育児を楽しむ方法が見つけられるといいですね。
子どもにとっていいと思うことをしてあげるのはもちろん素晴らしいことですが、まずはママやパパがニコニコしていることが何よりも大切です。

監修:宮里 暁美(みやさと あけみ)
お茶の水女子大学特任教授
お茶の水女子大学こども園園長として園運営に携わり、「つながる保育」を主軸に置いた教育・保育活動を展開。保育の現場や保育者の養成に30年以上にわたり従事。

画像提供:pixta


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