ミッション:インポッシブル好きの私が語りつくす!映画『ミッション:インポッシブル』
『ミッション:インポッシブル』シリーズ(以下、M:Iシリーズ)の大ファンである筆者が作品ごとに見どころを語っていきます。
第1回は、記念すべきシリーズ第1作『ミッション:インポッシブル』です。
『ミッション:インポッシブル』(1996年公開)
サスペンス色が強いシリーズ第1作
M:Iと言えば、トム・クルーズ本人がスタント・ダブルなしに挑む危険なスタントやド派手なアクションが満載の娯楽大作のイメージが強いが、実はシリーズ初期は作品ごとに印象が大きく異なることをご存じだろうか?
近年こそトムの盟友クリストファー・マッカリーが監督・脚本に連続登板しているが、初期は作品ごとに監督・脚本家が異なっていた。そのため、作品の方向性が定まる前の第3作目までは、毎作品「これが俺のM:Iだ」とばかりに監督のカラーが色濃く反映された作品に仕上がっているのだ。
記念すべき第1作で特筆すべきは、緻密なプロットとサスペンス性だろう。見せ場のアクションは押さえつつ、作品の肝はあくまで「内通者は誰か」をイーサンと共に追っていくストーリーにある。観客を引き込む展開やアクションに定評のあるブライアン・デ・パルマ監督らしい特色だ。
また、全体的に緊迫感のあるシーンが多く、仰々しくもスリリングな音楽と静寂との対比が手に汗握る展開を更に盛り上げている。そんな音楽を手がけたダニー・エルフマンは、前任者の楽曲が不採用となったために短期間での制作を余儀なくされたそうだ。とてもそうとは思えない印象的な音楽の数々は私が本作を繰り返し視聴する理由の一つでもある。
イーサンの良き理解者 ルーサー
M:Iシリーズでイーサンの他に全作品に登場する唯一のキャラが、本作でCIA本部に潜入する際に手を組むルーサーだ。第4作『ゴースト・プロトコル』こそカメオ出演のみだが、それ以外は全作品でイーサンと共に不可能なミッションに挑む重要キャラだ。
本作でのルーサーはNATOのシステムを破ったことなどが原因で解雇・追放されハッカーとして活動している。その経緯&腕を見込まれてイーサンにスカウトされるわけだが、その後の彼(基本黒が基調)に見慣れている身としては初登場時の白スーツ姿に毎回クスッとしてしまう。
堅牢なシステムへの侵入という挑戦心を擽られる誘いに釣られたルーサーだが、盗んだものがNOCリスト(スパイ名簿)だと知った時には売らないよう進言する。このシーンは直前のクリーガーとの対比でルーサーの善性がよく表れているので好きだ。
また、シリーズを通してイーサンの最大の理解者であり良き相棒となるルーサーとの友情が始まった瞬間でもあるので、本作を観る時には是非、注目して欲しいシーンだ。
小悪党が妙にハマる名優ジャン・レノ
ルーサーと共にスカウトされる元CIA工作員クリーガーには、フランスの名優ジャン・レノが扮した。ジャン・レノと言えばやはりレオンの寡黙な殺し屋が印象的だが、本作では任務のためなら躊躇うことなく刃を突き立てようとする抜け目ない小悪党を軽妙に演じている。
魅力的な女性達
M:Iシリーズといえば魅力的な女性キャラの活躍も見どころの一つだ。本作では三人紹介したい。
夫を亡くした悲しきクレア
イーサンと行動を共にするクレアの美貌には目を見張るものがある。夫を亡くし悲嘆にくれながらも健気にイーサンをサポートする彼女はとにかく美しく、物憂げな瞳とポテッとした唇が魅力的だ。
イーサンは彼女が内通者なのかを疑いながらも惹かれてしまう。クレアもまた、夫を愛しながらもイーサンに惹かれていったのではないか。それがあの結末に繋がったように思う。
凶刃に倒れたサラ
パーティー会場でイーサンと行動を共にしていたサラも忘れてはならない。クレアが典型的フランス系の美女なら、サラはいかにもな英国美女だ。
変装したイーサンに駆け寄る姿や彼と軽口を叩きながら任務にあたる姿はとてもチャーミングで、思わず演じたクリスティン・スコット・トーマスについて調べてしまった程である。
暗躍する武器商人 マックス
個人的に推したいのが、ロシアの武器商人マックス。特に吹替版ではイーサンのことを坊や呼ばわりなのが最高に良い。
何故かパラマウントさんが予告編と称してマックスとイーサンの会話シーンを公開しているので貼り付けておきます。
必見!アクション・スタントシーン
本作はドラマパートの比率が高い分、アクションシーンは一つ一つがインパクトの強いものが多く記憶に残るシーンばかりだ。
流れた水は16トン?巨大水槽爆破
ストーリー序盤、レストラン内でエージェントに囲まれたイーサンは店内の巨大水槽を爆破して逃亡する。このシーンはトム自身のアイデアだそうで、水量はなんと16トンにも及ぶという。
知名度NO.1?!ワイヤー宙吊り
かの有名な床スレスレの宙吊りシーン。音・重量・温度を感知する厳重なターミナルルームにイーサンは天井から忍び込む。細いワイヤー2本で身体を水平に保つのは非常に困難でハードだ。何度もトライしてようやく成功させたそうだが、トムの筋力と平衡感覚がズバ抜けていることが良くわかる。
間一髪!喉元を狙うプロペラ
列車の外でのヘリを交えたアクションはこの映画のクライマックスだ。当然ながら実際に全速力で走る列車の上で演技をしている訳ではないが、強風に煽られながらのシーンに手に汗を握ること間違いなし。最後のプロペラは紛うことなく「危機一髪」だろう。
まとめ:いちエージェント時代の若きイーサンを堪能できる一本
今となっては伝説のエージェントとしてIMF内にその名が知れ渡っているイーサンだが、本作では作戦行動をおこなうチームのひとつに所属する現場リーダーでしかない。青二才に毛が生えた程度のイーサンを堪能できるのは本作だけなので、まだ観たことがない人は是非視聴して欲しい。
ちなみにトム・クルーズの吹替声優と言えば森川智之さんだが、第2作目までは機動戦士ガンダムのブライト・ノア役などでお馴染みの鈴置洋孝さんが演じている(逝去により第3作より森川さんが後任となった)
彼も森川さんと同様、トム公認の吹替キャストとして専任で演じ続けていただけに、鈴置版イーサンもかなりハマッているので必聴だ。
それでは、良いM:Iライフをお過ごしください。
次回『M:I-2』でまたお会いしましょう。
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