UEFIをいじってAMD EXPOを有効化してみた!シリーズ③
実際に「AMD EXPO」を有効化してゲームでフレームレートが向上するのか、見ていきましょう!後半はベンチマークソフトも使ってメモリ速度の向上を見ていきます。
Watch Dogs Legion(4800MT/s)
設定画面にベンチマークモードがあったのでそれを活用します。画質設定は「最高」、レイトレーシングは「オフ」、DLSSは「バランス」設定。
最高FPS:154
平均FPS:109
最低FPS:21
1%低FPS:83
0.1%低FPS:64
次に、CPU負荷を上げるためレイトレーシングを「最大」に変更して実施。メモリ速度が原因でCPUが処理待ち状態になっていないかを検証するためです。結果はこちら。
最高FPS:108
平均FPS:76
最低FPS:36
1%低FPS:63
0.1%低FPS:48
やはりレイトレを有効にするとぐっとFPS落ちますね。これは想定通り。
Watch Dogs Legion(6000MT/s)
次に「AMD EXPO」を有効化して再度実行します。画質設定は同じ。
最高FPS:154→172
平均FPS:109→118
最低FPS:21→61
1%低FPS:83→96
0.1%低FPS:64→85
あくまでもベンチーマクではありますが、すべてに項目おいてフレームレート上昇が見られました。特に最低FPSの伸びが顕著で全体的な底上げが見られます。次に、レイトレーシングを「オン」に変更して実施した結果がこちら。
最高FPS:108→100
平均FPS:76→77
最低FPS:36→55
1%低FPS:63→65
0.1%低FPS:48→59
こちらも同様に、最低FPSの伸びが顕著で全体的な底上げになっているようです。逆に最高FPSは下がっていますが毎回同じ結果になるわけではないので参考程度になさってください。
STAR WARS OUTLAWS(4800MT/s)
こちらもかなり重たいゲームです。
Watch Dogs Legionよりもさらに重たく、4070Ti SUPERでも画質を落としたりレイトレオフにしないとまともにプレイできないでしょう。
こちらもUBISOFTがパプリッシャーですがベンチマークモードがなかったので、「MSI Afterbuner」のベンチマークモードを使用。ゲーム開始から30秒ほど特定の道を歩いて検証しました。画質設定は「高」、レイトレーシングは「オフ」、DLSS「オン」。
04-10-2024, 19:15:51 Outlaws.exe benchmark completed, 2288 frames rendered in 28.578 s
Average framerate : 80.0 FPS
Minimum framerate : 74.5 FPS
Maximum framerate : 85.6 FPS
1% low framerate : 64.2 FPS
0.1% low framerate : 46.2 FPS
最高FPS:86
平均FPS:80
最低FPS:75
1%低FPS:64
0.1%低FPS:46
※小数点第一を四捨五入しています。
STAR WARS OUTLAWS(6000MT/s)
次に「AMD EXPO」を有効化して再度実行します。画質設定は同じ。
04-10-2024, 19:23:59 Outlaws.exe benchmark completed, 2397 frames rendered in 28.411 s
Average framerate : 78.9 FPS
Minimum framerate : 73.3 FPS
Maximum framerate : 83.8 FPS
1% low framerate : 67.3 FPS
0.1% low framerate : 60.8 FPS
最高FPS:86→84
平均FPS:80→79
最低FPS:75→73
1%低FPS:64→67
0.1%低FPS:46→60
※小数点第一を四捨五入しています。
同様にこちらも最低FPSの伸びが見られますがWatch Dogs Legionほどの効果は見られませんでした。
y-cruncher 0.85(4800MT/s)
ゲーム以外でも見てみましょう。こちら円周率をひたすら計算して時間を計測するベンチマークソフトです。前回の記事でも申し上げた通り、CPUは計算結果をメモリに一時保存するためメモリ速度が重要になってきます。計算時間を見ていきましょう。
円周率100億桁を計算するのにかかった時間になります。実生活上あまり意味がない計算と感じるかもしれませんが、浮動小数点数の計算性能というのは実はゲーム性能面でもかなり重要な要素なのです。
y-cruncher 0.85(6000MT/s)
「AMD EXPO」を有効化して再度実行します。
こちらも予想通りというか、メモリ速度アップの効果が出ていますね。
7-Zip 19.0(4800MT/s)
7-Zipはご存じの方もおられるとは思いますがファイルの圧縮・解凍ソフトです。圧縮・解凍処理もメモリを頻繁に参照します。こちらでも速度を見ていきましょう。
MIPSとは1秒間の計算回数(単位:100万)を表す数字のことです。これが高いほど計算処理が速いことになります。
7-Zip 19.0(6000MT/s)
「AMD EXPO」を有効化して再度実行します。
こちらも予想通り、メモリ速度が速いと圧縮・解凍も早くなりますね。動画のエンコード・デコードもやっていることはファイルの圧縮・解凍になりますので、メモリ速度が上がると時間短縮に繋がります。
AMD EXPO有効化は意味があったのか?
少なくともパフォーマンスの向上は見られたので、意味はあったと思います。ただ、数字上はたしかに高速化しているのですが、それが実感できるかどうかはまた別の話です。
ゲームにおいては平均FPSはイマイチ伸びませんし、動きが激しいゲームでない限りは変化に気づくことは難しいでしょう。その他ベンチマークソフトもスコアは伸びたものの、せいぜい1割弱程度なので正直4800MTから6000MT程度のOCでは恩恵を感じるのは難しいのかもしれません。
最近では8000MT/sのDDR5メモリも出てきました。転送速度が1.5倍以上になるので今回よりもパフォーマンス向上は期待できますが、まだまだ高価ですしフレームレート向上のためにメモリにお金をかけるくらいならその分のお金で上位グレードのグラボを買った方が幸せになれるでしょう。
さいごに
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ゲームにおいてはメモリ速度を向上させた結果、最低FPSの向上が見られました。2つのゲームしか動かしていないので結論を出すには尚早かもしれません。4Kゲーミングにおいてはグラボの負荷が高い分CPUが遊んでしまうことが多いのですが、もしかしたらメモリがボトルネックになっている可能性はありそうですね。
そういえば環境面の話ができていませんでした。今回の検証に使用したCPU/メモリ/グラボは以下になります。
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