自律神経系を整える体の使い方
こんにちは、パーソナルトレーナーの横手さだひさです。
自律神経系の不調を感じる方のための運動のコツを提案していきます。
私自身、20年ほど前に自律神経失調症を経験しています。
それらを治すのはお医者さんですが、そういう不調を感じていて運動を勧められた方への運動指導を長年やっています。
その入門として、自律神経に対する考え方を整理してみましょう。
自律神経系の仕事って何?
自律神経系の仕事とは、
・心臓が生まれてからずっと動いている
・食べ物を食べたら消化が始まる
・暑い時に汗をかいて体温調節する
など、
本人の意識しないところで体が自動的に仕事をしてくれるものです。
上記以外にも沢山ありますね。
難しい文章を読んでると眠くなるとか。
この記事を読んでいる今まさに眠くなってしまった人は、自律神経系が正常に働いているかもしれません笑
体の防衛本能のひとつなので。
これらは生まれた時からプログラムされた、「そういうふうにできている」という機能です。
ものすごく精巧で、永続的で、気が遠くなるほど膨大な量の情報処理能力で、そして何よりも省エネですごい速さで、自己防衛上の重要なシステムで、
自分の頭で考えながら実施していたら、とても身が持ちません。
安っぽい表現になってしまいますが、天才的な機能ということです。
それこそ自律した神経のお仕事なので、文字通り自律神経系に任せておくのが得策です。
任せられない人が、自律神経系の不調に悩まされていることが多いです。
反対に、自律神経系に任せきることができれば全身の自動装置がチームワークとして仕事を始めるために、いろいろな不調が改善していきます。
もともと備わっている自分自身の機能を信頼して、ゆったりと構えておきたいですね。
便利な「自律神経系」という言葉
自律神経の書物などを見ると、「自律神経には交感神経と副交感神経があって、、、」と、仕組みについて難しそうに書いてありますが、運動の現場ではそこはそれほど重要ではないと考えています。
というのは、「体が自動的に仕事をしてくれるもの」は、自律神経以外にもたくさんあるからです。
例えば、
・躓いた時に思わず咄嗟に手が出る
・自分の筋力より地球の重力を味方につけた体の使い方の方が力の発揮が大きくてしなやかで負担が少ない
・傷口にかさぶたができる
など、
これらは自律神経的な仕事ですが、自律神経以外の働きも作用しているものです。
正直、私もどこからどこまでが自律神経の働きなのか分かっていません笑
ただし大事なことは、自律神経を正すのではなく、自律神経的な仕事を邪魔しない体質作りです。
例えば、
・力を抜いていれば躓いても手がサッと出たり、弾むように体勢を立て直せるのに、力みぐせがその自律神経的な仕事を邪魔して顔から突っ込むような悲惨な転び方をしてしまう
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力を抜く技術を磨く
→自律神経的だけど自律神経そのものではない
・自分のコンディションが良いと力の発揮が高くなるために、イライラすることが減るのに、全然的外れなストレス発散法に取り組んでしまう
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簡単なキッカケで大きな力を発揮できる技術を磨く
→自律神経的だけど自律神経そのものではない
・筋紡錘というセンサーを刺激すれば階段もスイスイ上がれるのに、脚力を鍛えにいって、そのスクワットで挫折してしまう
⬇️
筋紡錘の働きを促す
→自律神経的だけど自律神経そのものではない
こうすればこうなるという原理原則に沿うことが自律神経系のそういうふうにできているを邪魔しない体質づくりということ。
自律神経そのものを狙うことよりも自律神経的機能を刺激できるかどうかが大切です。
自律神経系の改善は、お膳立てを整えてあとは放っておく
自律神経系は、超精巧で天才的な自動装置です。
凡人である本人が邪魔をしないで、自動装置が仕事をしやすいようにお膳立てしてあげることがスムーズです。
あとは放っておけば自律神経系は勝手に仕事をしてくれます。
凡人が天才を乗りこなせるときに、超人になるとかならないとか。
必ずしも、筋肉を強くしたり一生懸命長い距離を歩いたりするのではなく、機能的に正しい動きを身につけて、キッカケとなるスイッチを入れることが肝です。
下り坂の手前まで体を連れて行って、そこからちょっと押してあげれば、坂道を転げ落ちるように猛烈な回転を伴って嬉しそうに仕事をしてくれるのが自律神経系です。