人生の目次

本を読むとき、人には癖がある。背表紙の作者のプロフィールから先に目を通す人、「はじめに」や「プロローグ」から読み進める人、そして目次に目を通す人・・・。

登場人物に感情移入できなければやめてしまうときもあるし、第三者の視点で読み進めることができるときもある。

ニューヨークライフバランス研究所の講座は数多くあるが、ウェルビーイングライフサイクルの反転学習は、一言でいえば、「人生の目次」を学ぶ場であった。子どもの発達を学ぶため、家族のシステムを学ぶため、そういう理由で受講してみたのだが、結局は自分の今までを振り返り、今後どうなりたいかを考える最適の場となった。


いつだって、人生の主人公は自分なのだ。


目次だけで本の内容はわからないように、人生の目次を学んだところで、書き起こすのは自分。主人公、つまり自分の心の動きや周りとの関係性の変化、そして発達段階は、その時期にならないと、わからない。

そう、わからないということがわかった。


私の人生の登場人物に、3人の重要人物がいる。

6歳長女。4歳長男。2歳次女。

2歳児に「テーブルに登らないで!」といっても理解できない、ということがわかった。

4歳児は、母には見えないなにかが見えている、ということがわかった。

6歳児が、まだ道徳概念が一面的で偏った考え方をする、ということがわかった。


そして、すべてに共通するのは

「今はできなくても、いつかできるようになる」

Just the words "yet" or "not yet," we're finding, give kids greater confidence, give them a path into the future that creates greater persistence.
「まだ」や「未合格」 という言葉だけで 子供たちが 「大いなる自信」を 身につけることを 「やり抜く力」の源である 未来へ続く道が 開けることを

https://youtu.be/_X0mgOOSpLU

キャロル・ドウェック: 必ずできる!― 未来を信じる 「脳の力」 ―


世界に通用する子どもの育て方」に出会う前の私は、圧力をかけていうことを聞かせようとしていた。この世に生まれてたった数年しか経っていない人たちに。

だから、想像したい。
彼らの歳に私が何を感じていたのか。
圧力をかけても縮むだけだ。世代を経るごとに、時代は、世の中の理解は、良くなっていくものだと信じていい。せめて、我が子を見る目だけは、想像力に溢れた温かいものでありたい。

かつて、
何度言われても同じことができなかった私が、
木や風と話ができた気がしていた私が、
自分が正しいと思えるように言い訳の物語を脳内再生していた私が、

いま、子どもたちのおかげで当時の自分にもう一度会える。それでいいんだよってOKを出せる。

そういう時期だったんだよ。
まだ、できなかっただけなんだよ。
いつか、できるようになるよ。

本は、何度も読み返せる。
何度も、何度も、戻って、過去の意味づけを変えることができる。

だって、主人公は私だから。

ライフサイクルという目次は決まっているけれど、どこを読んでもいい。過去は、見方次第で書き換えられるし、未来はこれからいくらでも変えられる。

発達段階は、その時期にならないとわからない。
だけど、知っているだけで俯瞰して見られる。
ハラハラドキドキのサスペンスが好きな方にはお勧めしないけれど、少し先のあらすじが知りたいタイプや、今どこを読んでいるのかわからなくなってしまうタイプの人には、是非お勧めしたい講座だ。



いま、私が人生の目次を参考に、どこにいるかというと、なんとまだ、成人になりきれていないのだった。前成人期と成人期を行ったり来たりしている。そんな印象。だから、この言葉が響く。

They believe they're worthy.
自分には価値があると信じている
https://youtu.be/iCvmsMzlF7o

傷つく心の力
ブレネー・ブラウン

自分には価値がないと思ってみたり、子どもがいるからできないことをあげつらったり、一歩踏み出せないことにずっと後ろめたさがあったり、出来ない自分を責める気持ちがあったり・・・

そういう個人の問題を、家族システムという視点でみると、

「社会とつながって、もっと社会に頼っていい」

そんなふうに、私の中ではひとつ言葉になったものがあった。

本当は、とっくに成人期に入っていて、社会に貢献できることが正しいこと、と信じてやまなかった私が、まだその段階ではないと腑に落ちたのはこの講座の温かみがあってこそ。

The Power of “Not yet”
そう、まだできないだけ。

自分の物語を、他人と比べなくていい。
我が子の物語を、兄弟やクラスメートと比べなくていい。

そういうタイミング・時期だったので、子ども3人の保育園の送迎を完全に義母に頼めるようになった。
そう、罪悪感や自分でやりたいのにできない悔しさなしに。
今までとは少しだけ違う自分がいる。
あのときは、まだできなかっただけなんだ。
そこに生まれるのは「感謝」だ。


これから、我が子の学童期、思春期、そして自分の中年期、老齢期・・・とまだわからない段階に進むわけだけれど、そんな未来を「恐怖」よりも「ワクワク」に注目して迎えたい。

本を読み進めるときに必要なパッションだと思うから。
ウェルビーイングライフサイクルで学んだことは、そんなワクワクにそっと寄り添ってくれる。

未来がもっと楽しみになる。
人生を、ライフサイクルを、今ここを、噛みしめたくなる。
私の人生に関わってくれる、物語をともに紡いでくれる人たちに感謝!


あなたも「人生の目次」学んでみませんか?

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