どうなる?三陸の海「翡翠色のアワビ」
はじめましての方も、いつもお立ち寄りいただいている方も、ようこそお越し下さいました。フードコーディネーターのNYです。地場産品のマーケッターを目指して日々奮闘中です。
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先月から今月にかけて、岩手県の沿岸に仕事で何度か足を運びました。
その際に聞こえてきたのは
「魚が採れない」
という話
近年の海水温の上昇で、今まで水揚げ量が多かった魚が激減。
「いか」「サンマ」「鮭」の不漁の話は聞いていましたが、昨年から今年にかけては「さば」まで採れない状況とのこと。
それに加え、ワカメなどの海藻や帆立や牡蛎など貝類の養殖も雲行きが怪しいらしい。
岩手県陸前高田市のタイム缶詰さんが、そのことについて投稿しています。
震災から13年、三陸の海はまたしても苦難の時を迎えています。
このピンチをどうやって乗り越えるのか、様々な取り組みが始まっています。
その取り組みの一つが「陸上養殖」
昨今はサーモンなど海洋での養殖が盛んになってきましたが、海洋養殖も厳しいかもしれないとなると、完全な陸上養殖が解決の鍵を握るのかもしれません。
今回は陸上養殖をしている企業をご紹介させていただきます。
岩手県大船渡市の「元正榮 北日本水産」です。
40年以上前からアワビの養殖を始めていた企業で、東日本大震災で大きな被害が出たようですが、それにも負けず養殖施設を復旧し、あわびの生産を行っています。
貝殻が翡翠色になるため、「三陸翡翠あわび」と名付けて、ブランドとして生産・販売しています。
貝が翡翠色になるのは、独自飼料に含まれる昆布の色素の影響とのこと。昆布の色をこんなに素敵な色に変えてしまうアワビの力は神秘的ですね。
そして、地下から引きあげた海水と清潔な養殖水槽で育てているので、肉厚でやわらかな食感、キモまで美味しく食べれるアワビになるそうです。
その他、元正榮 北日本水産さんでは、工場見学や体験教室なども行っていて、陸上養殖について理解を深めてもらえるような活動もしています。
陸上養殖は立上げや運営のコストがかかることや、ブランディングなど、様々な課題はありますが、年間を通じて供給量を安定させることができるため、将来的に不足する水産原料を確保するための一手になると思っています。
今後の技術革新に期待したいと思います。
最後に翡翠あわびを使用した商品のご紹介です。
岩手県大船渡市のシャインさんが製造している
「鮑のオリーブオイル漬け」
思わず目をとめる美しいパッケージの商品です。地元食材を使用しているので地域経済も循環させる素敵な商品だと思います。
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ということで今回は「陸上養殖」「三陸翡翠あわび」をご紹介させていただきました。
三陸だけでなく世界の海は変化の時を迎えています。海産物を使った食の伝統を守るためにも、海の変化に適応していく努力をしている方々をこれからも応援していきたいと思います。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!
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