旦那へイライラした時は。心の器の大きさの話。
昨日の夜
旦那にnoteが見つかって読まれた。
34にもなった私が、
自分の心の声をダダ漏れさせて書き殴った
中学生日記のような文章が読まれた。
いつかは見せる日が来るかも
と思ってはいたものの、
まさか3日目でバレるとは…!!!
(管理能力の低さよ…!)
バレるという言い方はあまり良くないけど、
私はそもそもSNSをあまりやっておらず
(Twitter?Instagram?ナニソレ?)
Facebookも最後に投稿したのは3年以上前。
昔mixi信者だった私は、
長くツラツラと文章を綴れるnoteという存在を知り、
こりゃ良いのを見つけた!とほくそ笑み、
誰にも言わずにひっそりと始め、
自分だけの城を創り上げようとしていた。
意気揚々と心の内の叫びを
好き勝手な文章に発散させていた。
知り合いに見られるという前提ではない
自分だけが楽しむ為の文章を。
そんな矢先、
旦那にバレた。
(もはや頭すら隠せていない失態)
私がかなり慌ててiPhoneを隠したので、
旦那も嗅覚が鋭くなり、
怒り口調で「何それ?見せて!」と迫ってくる。
「…い…いや…」
(こんな心の声満載の文章、絶対読ませたくない…!)
私がヘラヘラして隠し通そうとしていると
旦那は更に捲し立てる。
「いいから!早く!」
「iPhoneをこちらへよこせ」と言わんばかりに差し出された手の平を見下ろしながら、
万が一浮気でもして、
バレたらこんな感じなんかな…
と、アホみたいな事を考える。
でも、今隠そうとしているのは浮気ではなく
私のクセ強めの文章達だ。
差し出された手を見ながら
光の速さで様々な事を脳内で思い巡らせ、
ふと
私の文章は客観的にみて面白いのか?
旦那は、私の文章を読んで、
どんな反応をするのだろう?
という興味本位な疑問が頭をもたげる。
noteが自分だけの城過ぎて、
スキも貰えないし誰かの反応もそこまでない。
(ほんと自分勝手)
(ないものねだりとはこの事)
(人生てそんなもの)
3日目にして、そんな思いが沸々と湧き上がってきていたので、
旦那の反応見たさに1つだけ文章を読んでもらおうと決意した。
noteの説明を軽くして、
私が今、とてつもなく恥ずかしい事、
でも、誰かの反応が欲しいことを伝え、
旦那に自分が最初に書いた文章のページを開き、渡した。
決してけなすのではなく、良かった事を言ってくれよ、的な圧をかけながら。
「大丈夫、絶対笑わないから」
(いや、笑ってくれよ)
結局私が隠さずに渡したことで、
旦那も落ち着きを取り戻し、
いつもの旦那に戻った。
途端に、
深夜に熱くなって作った曲を、
突然誰かの前で披露しなければいけなくなったような
芸人を夢見る高校生が、
初めて書いたネタを相方に見せるような
なんとも形容し難い
フワフワソワソワした恥ずかしさが込み上げてきた。
「いや、笑ってくれていいから、どこが面白かったとか教えてほしい」
(笑って欲しいし、私の創作意欲へ繋がるコメントをくれ!)
(まじであんたしかおらんのや!)
(私のnote人生は、あんたにかかっとるんや!)
ほんとはかっこ内の思いを強調したかったけど、旦那が読み始めたので、邪魔をしてはなるまいと口をつぐむ。
数秒後、
目の前には口をアングリ開け、
舌を出し、
天井を見上げる旦那の姿があった。
…?
……なにそれ?
……変顔がすぎるんだけど…
プルプルと震える旦那。
どうやら面白いらしい。
夜も深まった薄暗いリビングで、
恥ずかしさでソワソワする妻と、
アホ丸出しの顔で天井を見上げ、笑いを堪える夫。
シチュエーションも客観的な画も面白くて、
私は腹筋を使って久しぶりに爆笑した。
爆笑しながら、
私は旦那が面白がってくれたことに心底ホッとした。
1番怖かったのは、
特に反応も無く
「へー。いいじゃん。」みたいな
当たり障りない事を言われる事だったので。
私がひとしきり笑い終えると、
旦那も変な顔をやめ、
また読み進める。
数行読むと、また変な顔。
私、爆笑。
それの繰り返し。
なんだこれ?
笑って欲しくて恥ずかしさを堪えて見せてるのに、
なんで私が笑わされてんの?
(別にいいやん)
なぜか少しイラッとして
「その顔なんなの?面白いの?」と聞く。
旦那は平然と
「松ちゃんも、笑い堪える時、この顔するでしょ?」
と言ってのけ、
またアホみたいな顔をして天井を見上げる。
知らんわ!
笑ってはいけないマイホームなんて、開催しとらんわ!
反応が欲しいのに、
笑うことをせず、謎の変顔で堪える旦那に
更にイラッとする。
私は普段、
人並みの心の器の大きさだと思うし、
他人に対しては割と寛容な方だと思っている。
しかし、
こと旦那の事となると、
心の器が形を変え、シュルルルルルと小さくなる瞬間がある。
この時も、心の中でシュルルルルルと音がなり、
心の器が日本酒のお猪口位のサイズになった。
最後まで変顔をしながら天井を見上げるという
謎のスタイルを貫いて読み終えた旦那は、
「ありがと」
と言って私にiPhoneを返す。
大分時間をかけて読み、
大分変顔をしていたので、
旦那からのコメントへ期待が高まる。
…どう?
…どうだった?
と、お伺いを立てる私を横目に、
彼は呑気に歯磨きを始めながら、
「誤字があったよ。○○ってとこ。」
とだけ言ってのけた。
…はぁぁぁ?(イラっ)
まさかの誤字を指摘され、
恥ずかしい心の中を見せたのに、
なんだか無銭飲食されたような気持ちになり、
私のお猪口サイズの器には
イライラと恥ずかしさが、トポトポと注がれていく。
違うのだ。
私は恥を忍んで旦那へnoteを献上したのだ。
それなりの報酬をいただくのが筋だ。
っていうか、
簡単に言うと、
私を褒めろ!!!
(ずどーーーん!!)
(ど直球ストレート)
(カーブは投げれません)
それなのに、
それなのに、
なんだその指摘は。
なんだそのコメントは。
ボールを投げてくれる飼い主を
尻尾を振って待っている犬のように、
旦那が読み終えるのをワクワクしながら待っていた私は、
なんだかとてもがっかりした。
ようやく誰かのちゃんとした反応が
私の書いた文章への感想が貰えると思ったのに。
そんな私の心の内を知るはずもなく、
旦那は歯磨きを終え、
悠々とリビングへ戻ってくる。
旦那が記事を読んでいる間、
長男と次男をあやしながら、
邪魔をしないように頑張っていた数分前の自分を思い出し、その時の自分へ
「その頑張り、マジで無駄だから今すぐやめな?」
と、優しいトーンで
だが真剣な眼差しで伝えてあげたい。
(本気と書いてマジ)
数分前のワクワクしていた気持ちと、今の自分の情けない気持ちを並べて、
旦那へのイライラがまたトポトポと注がれる。
彼の中でタイミングがやってきたのか、
突然
「やー、良かったよ。
自分で突っ込んだりして、なんかいつも通りのママって感じで。」
饒舌にコメントを述べる旦那。
なんやねん
その上から目線
あんたのタイミングで言うな
私の求めたタイミングでコメント言えよ
今じゃないのよ
こうなってくるともう大変。
何をしてもトポトポと音を立てて器にイライラ水が注がれてしまう。
(なにそのイライラ水)
こんなんでイライラしちゃダメだ。
あと数ミリで溢れ出してしまう。
こらえろ、私。
「でも、なんか…
文章が長くて、途中で飽きちゃうっていうか、
いや、飽きるっていうか、
文章が長いかなぁ…もうちょい短いと良いかなぁ…って」
シュルルルルル
私の器が突如としてペットボトルキャップへと姿を変える。
もうあかん。
溢れ出た。
あーー
でたでたでたー
いるよねー
何でもかんでもアドバイスしたがる奴
はいはいはい、あんたそれね
誰もあんたにアドバイスなんか望んでないんだよ
あんたそんなアドバイス出来るほど文章書けるんか
元来負けず嫌いで、
褒められて伸びるタイプの私は
旦那からのアドバイスを素直に受け止められず、心の中で早口で旦那への思いを叫ぶ。
でも口には出さない。
なぜなら褒められずに拗ねているのが
ダサいのも分かっているから。
ってか
うっせぇわ!!!
(流行りの)
ってか
見せなきゃ良かった!!!
(ほんとそれ)
イライラがおさまらない私は、
なんか旦那への当たりが強くなる。
(夫婦あるある)
(俺なんかしたっけ?じゃねーわ)
(大概なんかしてるから当たりが強いのに気付け)
褒めてもらえるような文章じゃなかったかもしれない。
でも
それにしても、
あんまりだ。
こんな事言われるなら本っっっ当に見せなきゃ良かった!
っていうか、もう二度見せない!こんな奴に!
損した気持ちを抱えたまま寝室へ行き、
息子達の前では、いつものお母さんでいる。
そう、
母親とは女優なのだ。
(格言)
旦那がトイレから出てくるタイミングで
長男が「オシッコするー」と言ったので、
「パパ!トイレだって!」
と強めの口調で言う。
強めに言うしか、私のイライラを発散できる術はない。
伝われ、私のイライラ。
「ごめん、足痺れちゃって…ママが見てやって。」
…はぁ?
足痺れるタイミング悪。
この男は何なんだ。
私をイライラさせる為に未来から送り込まれたアンドロイドかなんかか?
ってかなんで私のイライラ伝わらんの?
シュルルルルル
気付けば私の心の器は
小指の爪位の大きさになっていた。
トイレの前で
イテテテと痺れた片足をあげて動けない旦那。
トポトポトポトポ
イライラは止まらない。
もう器は器としての役目を果たしていない。
息子をトイレに連れて行きがてら、
旦那の足へ、
私の恥ずかしさと後悔とイライラを込めたキックをお見舞いする。
ギャァァァァ!
と叫び、ヨロヨロと仰反る旦那の横で
私は
フン!とそっぽを向く。
なんて事するんだァァァ
足がァァァ
と悶絶する旦那には目もくれず
アンタが私の心へ与えたダメージは
この13倍位だけどな。へっ!
と、心の中で悪態をつく。
しかし先程の
旦那のなんとも言えないコメントのおかげで、
反骨精神の強い私は
もう少しnoteがんばろ
と思わされる。
天邪鬼の私は
死ぬほど長い文章をこれからも書こうと
心に誓う。
(今日も良くこんなに無駄に長く書けたね)
そして、この苛立ちを
好き勝手に文章に殴り書き、
昇華させ、
ひっそりとした私だけの城でほくそ笑む。
今日も我が家は平和です。
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