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オカルト界の天敵?インチキバスターズと、「この目で見るまで信じない」人たちの未来について




インチキバスターズとは?


先日、おすすめに上がってきた以下の動画に、インチキバスターズが出演していました。


インチキバスターズとは、「彗星のごとくYouTube界に現れた」オカルト界のインチキを暴く集団のことです。動画のサムネイルには「オカルト界の天敵」とまで書かれています。

果たして、彼らは本当に「オカルト界の天敵」なのでしょうか?



そもそも「オカルトのインチキを暴く」と掲げて活動するというのは、多くのリスクが伴うことは想像に難くありません。なぜ、そんなリスクを冒してまでこのような活動をされているのでしょうか。

動画では、中心人物のキング・ミダラ氏がこのような活動を始めた理由なども語っています。
その中で、ミダラ氏は、「とにかく詐欺師が嫌い」なのだと明かしています(まあ、詐欺師が好きな人はいないと思いますが)。
そう考えるようになった理由として、あるネットオークションで偽物のゲームソフトが高額で取引されていたのを知ったことがきっかけだったと話しています。
ミダラ氏は、直接の被害者ではないにもかかわらず、その被害者から詐欺の加害者の身元を聞き出し、遠方まで追跡したこともあるそうです。

このことからも、ミダラ氏が人一倍正義感が強く、不正に対して敏感な人物であることが伺えます。


この世はミラーボール


こうした「嘘を暴く」系の活動を応援したいという人も、一定数いるようです。動画のコメント欄などを見ていても、なんとなくですが、そう感じます。

個人的には、この風潮は今の世の中の空気を反映していると感じます。

例えば、「論破」や「エビデンス」などという言葉が流行った背景にあるものを思い浮かべると早いかもしれません。学習系YouTuberを始め、世に物申す系のキャラクターは、「白か黒か」のような、常に明確かつ断定的な発言を求められます。

一方で、この世では、フィクションのように物事が完全に白黒に分かれることは稀です。
例えて言うなら、物事は視点を変えるたびに違った姿を見せる、ミラーボールのようなものです。

一側面だけを断定的に捉えた瞬間に、視界の外に広がる現実を見落としてしまうことがあります。


正義が暴走することの危険性


また、ミダラ氏が誰に頼まれるでなく、詐欺の加害者の身元を追跡する姿勢などを見ると、昨今問題になっている、いわゆる「ネット私刑」に通じるものを感じます。

こうした人々がばらまく餌は、「正義感」や「道徳的な優越感」といったものです。
その餌に群がる人たちは、「自分は絶対的な正義に基づいている」という錯覚に陥り、まるでニュースゴシップを消費するかのように、安全圏からただ憂さを晴らしているだけに過ぎません。

さらに、提供者側も「正義」に加えて「弱者(か弱き一般市民である)」という仮面を巧みに利用し、実際にはネットの拡散力という強大な権力を駆使して支持者を集め、承認欲求を満たすモンスターとなっている可能性があります。

こうした行為がエスカレートすれば、法的権利を侵害したり、過剰な制裁によって加害者側の人権を必要以上に傷つける恐れも出てきます。

「正義の暴走」が、過剰な制裁により加害者へと転じる構造は、以前、上岡龍太郎氏の占い師殴打エピソードの記事でも触れた通りです(以下記事)。


「この目で見るまで信じない」という人々の厚かましさ


話をオカルトに戻しますが、「嘘を暴く」系の活動を応援したいという人たちの心理と、オカルトおよび超常現象を否定したい人の心理というものも、親和性があるように思います。


ミダラ氏は、動画の中で何度も「(心霊現象を)信じたいからやっている」という旨の発言をしています。

私の感覚では、こうしたスタンスを持つ人は、オカルト界隈で非常に多いように感じます。いわゆる『懐疑的な肯定派』と呼べるような人々です。

彼らは、しばしば「本物の超常現象を見たいからこそ、疑う姿勢は必要だ」と主張します。
ここまでは、まあ妥当なのです。
しかし、「この目で見るまで信じない」、「このままの自分を信じさせてほしい」といった条件が加わると、話は違ってきます。

はっきり言って、それってちょっと厚かましいことだと思うのです。


まず、「この目で見るまで信じない」と言うとき、その『目』はどれほど信頼に足るものなのでしょうか?

人の認知というのはとても曖昧なものです。
そして、当然ですが人間の感覚機能には個体差があります。
それは、百人に同じテーマで絵を描かせれば、百通りの絵が出来上がってくることからも明らかでしょう。皆、それぞれに違う世界を見て生きています。


超常現象は知識の外側に存在する


「オカルトの嘘を暴く」と言いますが、真偽が問われる問題に直面したとき、その最終的なジャッジはどのようなメカニズムで行われているのでしょうか。
恐らく、その人の知識や直感を基に判断しているはずです。
しかし、知識は経験によってしか増えません。
外部から得た情報を自身の認知プロセスで処理したものが、その人の知識の全てです。
つまり、この世の全てを経験しない限り、知識には限界があるということです。

しかしながら、多くの超常現象は、この知識の外側に存在します。だから”超常”なわけですが。

私たちは、知識の外側にある超常現象に対して、基本的には盲目です。ジャッジしようがないはずなのです。

このことに気付けなければ、「この目で見る」前に人生を終えることになってしまうでしょう。


無意識からの情報をキャッチする


そして、知識の外側に存在するものを感知する方法として、先にも述べましたが、直感というものがあります。

直感という言葉の定義自体が曖昧なので、この場合「無意識からの情報をキャッチできるツール」という程度の意味だと思っていただければ大丈夫です(人によっては第六感などとも言うかもしれませんが)。

人の意識には、意識と無意識の二種類あると言われています。知識はこの場合、通常の意識が司どっています。では知識の外側はといえば、この無意識領域が司ることになります。

つまり、知識の外側にある心霊現象や超常現象を感知するには、自らの無意識の働きについて知ることは必須条件となるわけです。


無意識の働きについて知る方法は様々です。
個人的におすすめなのは、瞑想と夢の記録をつけることです。

私自身、瞑想を通じて、自分の無意識と向き合う時間を増やすことで、感じ取れるようになった感覚が多々あります。

夢は、無意識領域で最も忙しく行われている作業だと思います。夢をつぶさに観察することで、自分の中の抑圧された感情や、非合理性と向き合う訓練にもなると思います。


超常現象現出の条件と「疑ってかかる」スタンスは相性が悪い


「本物の超常現象を見たいからこそ、疑いの姿勢は必要だ」というスタンスの人たちがしばしば見落としがちなのは、超常現象の発現条件と「疑ってかかる」態度が実は非常に相性が悪いという点についてです。

例えば、心霊現象や超能力にしても、心理的作用と何らかの関係がある現象である可能性は非常に高いわけです。だとすれば、体験者や被験者の心理状態如何で、現象は大きく左右されることになります。

こうしたことは、「山羊・羊効果(やぎ・ひつじこうか)」という言葉があることからも分かるように、オカルト好きであればある程度は知られていることでしょう。
つまり、否定的なマインドの人間がいる場所で超常現象が起きにくいのは当然の帰結なのです(もちろん例外はあると思いますが、傾向の話です)。


重要なのは「信じる気持ち≒自己暗示」


では何が必要でしょうか。その一つは、「信じる気持ち」です。
この「信じる気持ち」とは、言い換えれば「自己暗示」のことです。

「自己暗示」というとちょっと恐ろしい感じがしますが、例えば、「美味しい」と思って食べ終えたプリンのラベルを見たら、賞味期限がとっくに切れていた場合、急に「美味しくなかった」と感じる、というような経験は誰にでもあるかと思います。このように、「自己暗示」は日常の中でごく自然に行われています。

一方で、医療の世界ではプラシーボ(偽薬)は一定の効果が認められています。自己暗示力次第で、毒にも薬にもなる得るということです。

「自己暗示」は、このように体験の性質を180度変える特性を持っています。だからこそ、「信じる気持ち」は、体験そのものに強く影響を与えるのです。

ただし、信じ過ぎると、それはそれで現実の一側面しか捉えられなくなります。
盲目にならないように注意しながら「信じる気持ち」を維持するという、このアンビバレントな状態をいかに保つかが重要です。


こうしたプロセスを経て、ようやく知識の向こう側にぼんやりと透けて見えてくるもの。これが超常現象の正体なのではないでしょうか。



いつか肩の荷を下ろせるその日まで…


そうは言っても、人間、楽なほうがいいに決まってます。
霊感ゼロで、知識の更新も直感を磨くこともせず「今のままの自分」で超常現象を体験したいと思う人も多いと思います。

そんな人にも、ぜひ安心して頂きたいと思います。

なぜなら、現在の超常現象の多くは、恐らく時間の問題で、科学的に解明されるからです。

科学が現実に追いつき、不思議な現象に科学的・合理的な言葉が与えられたときに、今まで信じることがなかなか難しかったことも、信じざるを得なくなるでしょう。


著名な未来学者のレイ・カーツワイルは、シンギュラリティ(技術的特異点)が2045年頃に到来すると予測しています。そしてその後は、AI技術の向上は指数関数的に飛躍していくと予測しています。

AIと人体の融合が進めば、人間の潜在能力は、想像を遥かに超えた次元で解放されると思われます。意識の拡大による超常現象(テレパシー、透視、未来予知など)は、日常的に行われるようになるでしょう。

いわゆる幽霊の物質化も、技術的には難しいことではないと思われます。ポルターガイスト現象という言葉自体が、ナンセンスと言われる日が来るでしょう。

また、医療の飛躍的な進歩によって、私たちの寿命は際限なく延び続け、やがて「死」という概念そのものが変わる可能性もあります。

そして、物質的な存在である人間は、ついにはこの不自由な肉体を捨て、非物質的な存在へと進化していくでしょう。そうなれば、私たち自身が幽霊のような存在となり、私たちにとっての従来の幽霊や超常現象の概念は180度覆ることになります。

つまり、夜な夜な、好きな人の枕元にひっそり立つ側になれる日も近いということです。そうなれば、もうこれまでのように、無理に超常現象を信じたり、頑なに否定する必要もなくなります。

肩の荷を下ろせる日まで、もう少しの辛抱です。



ここまでお読みいただき、ありがとうございました!


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