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現代文でも単語を勉強すべき

現代文という科目は、受験科目の中でも、どうやって勉強すれば良いのか分かりにくい科目なのかもしれない。

社会科目のように、沢山問題を解いたからといって、結果がついてくるわけでもない。

塾講師をしていた時代も、現代文を教えている講師はいたが、勉強法を教えている講師は、あまりいなかった。


私も現代文を教えていたのだが、現代文が苦手な子ほど語彙を軽視する傾向があった。

今使っている日本語なのだから、わざわざ勉強する必要がないと。

しかし、現代文を読めば気づくと思うが、評論は、日常でほとんど使わない言葉が多数使われる。

「反芻」や「忸怩」、「ノスタルジー」などといった言葉は、日常生活ではあまり使われない。

そもそも読めないという人も高校生では多いだろう。

このような状況で、現代文を読むということは、困難である。


それに加え、厄介なのが、読めない感覚に陥らないことである。

英語の場合、長文読解をしている時に知らない単語に出会うと止まることが多い。

日常使っていない言語のため、分からない単語に遭遇すると、どういう意味だろうと感じる。

しかし、現代文は日常使っている言語で構成されているため、知らない言葉に遭遇しても、その言葉を飛ばして、普通に読んでしまうことが多い。

だから、読めていないという感覚に陥らないのである。

そして、問題の解答解説を読んだ時、こんなこと書いてないと感じる。

このループを続けている限り、永遠に現代文の学力は向上しない。


こうならないためには、現代文で使われる語彙を勉強するしかない。

英語でも古文でも、分からない単語は勉強して覚えるのだから、現代文でも覚えてしまえば良い。

私がお薦めしている現代文単語の参考書は、読解を深める現代文単語(桐原書店)と、現代文キーワード読解 頻出テーマ×必修語160×入試問題(Z会)である。

この2冊に共通していることは、文章の背景知識が書かれていることである。

現代文では、科学や芸術、経済など様々なテーマの文章が扱われている。

そういう意味では、そのテーマに対しての知識が少しでもあった方が内容を理解しやすい。

そして、そのテーマではどのような語彙が使われているかも掲載されている。

言葉を覚える時に、テーマ毎で括ることができる。


現代文で悩んでいる学生は、まず文章で使われている言葉で、意味が分からない単語はどのくらいあるか確認して欲しい。

沢山あれば、語彙力が低いことを表しており、すぐにでも現代文単語を勉強して欲しい。

語彙力を上げることは、現代文を読む上で、最初にやらなければいけないことである。




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