美しいだけじゃない、家族シアター。
辻村深月「家族シアター」
家族にまつわるストーリーの短編集。
姉妹、兄妹、親子、孫との関係など、いろんなパターンの話が載っている本。
最後はホロッとくるものも多いんだけど
登場人物と感情の描写(特に女性特有の、絶妙にイヤなヤツの描写)が妙にリアル。
さすが辻村深月さん、という感じ。
特に
・「妹」という祝福
・私のディアマンテ
という話が面白いなと思ったんだけど、
「妹」という祝福→姉妹の話。
私のディアマンテ→母娘の話。
私自身が姉妹(妹がいる)なのと、娘がいるので
どうしても重ねて読んでしまうのかも。
家族といえども、所詮違う人間。
だから当然嫌いという感情もあるんだけど、でも結局家族なんだよな…と。
美しいだけではない、リアルな家族の姿が書かれていて、短編だけど読み応えがあった1冊。
きっと誰しも、1つはグッとくる話があるんじゃないかなあ。
ちなみに
妹という祝福は、姉妹の話なんだけど
学生時代の姉妹を振り返るストーリーがあって。
姉妹に限らずだけど、
やっぱり「きょうだい」って無意識に比較される対象なんだなあと。
という私も妹がいて。
私は学力はフツウ(並?)で、フツウの高校へ。
一方、妹は勉強が出来る子で、県でトップの高校へ行き、有名大学へ進学。
そして私にはない、末っ子ならではの「人に甘える」という術をナチュラルに身に着けている。(←褒めてる)
そんな妹を、どこかでいつも羨ましいなと思っていた。
比較すると私は劣っているんだな、と思っていたし、今でもどこかで思っている。たぶん。
この本に出てくる姉妹は、私の境遇とはもちろん違う。
でも、きょうだいってどうしても比較し、比較されるもの。
それも含めて「家族」なのかな、と。
そんなことを考えさせられる本でした。
…
今は、お盆休みの人も多いかな?
おそらくリアルシアターは混んでると思うので…
涼しいお家で「家族シアター」、いかがでしょうか?
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