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知らない世界を覗き込めるってすごい。「あなたが眠るまでの物語」

図書館で見かけて、手に取ったこちらの本。

いい感じの表紙だなあと思って読み始めたんですが(そんな理由なんかいw)
全く知らなかった
「緩和ケアの世界」を覗き見ることができました。

どんな本か?

緩和ケア病棟で看護師をする倉田さんの仕事は、余命宣告をうけた患者さんのケアをし、その最期の時まで寄り添うこと。チームカンファレンス、介助、エンゼルケア。ときに複雑な事情を抱える患者と家族に向き合いながら、いくつもの死を見送ってきた。
この静かな病棟で、ある日起きた幽霊騒ぎ。出所不明の噂は、患者、主治医、新人看護師、配達中の売店スタッフまでを巻き込んで、棟内に波紋を広げていき……。

本の説明より

幽霊騒ぎとありますが、ホラー小説ではありません(笑)
患者さん、その家族、看護師、売店のおばちゃん、バイトの大学生、などなどそれぞれのキャラクター同士の関わりが興味深くて、つい一気読みしてしまった一冊。

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これを読んでいて、色んなことがぐるぐると頭をよぎったのですが…
話に登場してくる、看護師の患者さんへの声かけを読んでいて、
看護師さんて「コーチングの神では?」と思いました。

コーチング云々の記載は一切ないのですが、
良し悪しは別にして、患者さんやその家族の話を一旦受け止める。
受け止めた上で、様子を見ながら少し自分の考えを話してみたり、提案してみたり。

緩和ケアだと特に、そのスキルが求められるのかもしれないなと。



過去に、自分が病院にお世話になった経験を振り返ってみる。
入院経験は出産でのそれしかありませんが(たぶん)、色々な看護師がいるな…と思ったのはよく覚えています。

事務的な人もいれば、親身になってくれる人もいる。
もちろん仕事だし、事務的なそれが悪いという話ではありません。

私は帝王切開だったので、術後の歩行に苦労。

もちろん未経験なので、分からないことだらけ。
思ったより痛くて、数メートル先のトイレに行くのに10分くらいかかってた。
普通に歩けるって幸せなことなんだな…と実感したのは今でも忘れない。

その時、
「痛いよねえ」
「お腹を手で抑えると、少し楽になるよ〜」
と言ってくれた看護師さん。あの声かけはうれしかった。
気持ちを受け止めてくれるだけで楽になるって、本当なんだな。

一方、
「もうそろそろ一人で歩かないと」
と颯爽と病室を去っていった看護師さん。あの冷たさも忘れない。

ずっと忘れない。

ずっと忘れない。

優しさと勇気?
いや、もらってませんけど。
あの日くれたチョーカー?
今も胸で光っている…わけないでしょ。



って、何の話?笑

******

ということで、ちょっと脱線しましたが、

たった数百円の小説で、知らない世界を覗き込めるってすごいことだよな、と改めて感じた一冊でした。

<あとがき>
ホロッとくるシーンがあるので、電車やバスで読むには注意が必要かもしれません。
今日もありがとうございました。


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ようこ
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