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Photo by
hato3911
黒い子猫の人。
次女(小1)と、近所を歩いていた時のこと。
「あの人、黒い子猫の人だよね?」
と次女。
「(黒い子猫の人…!?)」
はて、何のことだろう。
黒猫飼ってる人とかいたっけ?
え、知らないなあ。
次女の視線を追うと、
そこには、ヤマト運輸の宅配員。
ちょうど、近くのマンションに荷物を運んでいるところだった。
道路の向かいに停まったトラックを指さして
「ほら、黒い子猫の人だよね?」
と言う。
うん。
間違いない。
あの人は「黒い子猫の人」だわ。
思わずフフッと笑みがこぼれる。
「そうだね、黒い子猫の人だね」
と言うと
「でしょ?そうだと思ったんだよねえ」
と自慢げな表情を見せる次女。
…
黒い子猫の人。
ヤマトの宅配員を見て、そんな風に思ったことなかった。
だって、もう
「ヤマト運輸」
として認識してしまっているから。
しかし、次女の辞書の中には
「ヤマト運輸」という文字はない。
近い将来、
その文字が辞書に載り
次女の口から
「黒い子猫の人」
という言葉は聞けなくなるのだろう。
いつか辞書に載るその日まで
そっと見守っていようと思う。
黒い子猫の人、いつもありがとうございます。
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