パフェとミルクティーと力強さと。
「ロイヤルミルクティーお願いします」
カフェで、私の前に並んでいた人のオーダーが聞こえた。
ふと前をみると、そこには非常にガッチリとした体型の、たくましい感じの男性。
「へえ、ロイヤルミルクティーなんだ」
「なんだかかわいいな」
と思うと同時に、やっぱり無意識の偏見ってあるよなあと気がつく。
…
もう何年も前の話だが
夫と2人でカフェに入った時のこと。
夫は、いちごパフェと紅茶。
私は、アイスコーヒーを注文。
勘のいい人は、この時点で既に結末が分かったかもしれない。
しばらくして注文の品が運ばれてきた。
店員さんは
「お待たせしました〜」
と言いながら、何の疑いもない様子で
夫の前に、アイスコーヒー
私の前に、いちごパフェと紅茶を並べ、去っていった。
夫と顔を見合わせて、思わず笑う。
「まあ、そうなるよね〜(笑)」
と言いつつ、商品をチェンジした。
…
誰が何を選ぼうが、全くの自由。
なんだけど
私がロイヤルミルクティーを頼む男性を見てかわいいなと思ったように、やはり無意識の思い込みってあると思う。
まあでも、
思うだけならアリなのかな〜とも思う。
100%偏見なくすなんて、ムリな話だし。
口に出したらアウトだと思うんだけど
「あ、それって偏見じゃん」
と気がつけば、それはそれでいいような気もする。
そんなことを、ふと思った出来事だった。
…
「プシュー」
「ゴオォォォォ」
私のオーダーは、ロイヤルミルクティーをあたためるスチーム音にかき消されたのだった。
ロイヤルミルクティー、なかなかの力強さである。
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