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パフェとミルクティーと力強さと。

「ロイヤルミルクティーお願いします」

カフェで、私の前に並んでいた人のオーダーが聞こえた。

ふと前をみると、そこには非常にガッチリとした体型の、たくましい感じの男性。

「へえ、ロイヤルミルクティーなんだ」
「なんだかかわいいな」

と思うと同時に、やっぱり無意識の偏見ってあるよなあと気がつく。

もう何年も前の話だが
夫と2人でカフェに入った時のこと。

夫は、いちごパフェと紅茶。
私は、アイスコーヒーを注文。

勘のいい人は、この時点で既に結末が分かったかもしれない。

しばらくして注文の品が運ばれてきた。
店員さんは
「お待たせしました〜」
と言いながら、何の疑いもない様子で

夫の前に、アイスコーヒー
私の前に、いちごパフェと紅茶を並べ、去っていった。

夫と顔を見合わせて、思わず笑う。

「まあ、そうなるよね〜(笑)」
と言いつつ、商品をチェンジした。

誰が何を選ぼうが、全くの自由。

なんだけど
私がロイヤルミルクティーを頼む男性を見てかわいいなと思ったように、やはり無意識の思い込みってあると思う。

まあでも、
思うだけならアリなのかな〜とも思う。
100%偏見なくすなんて、ムリな話だし。

口に出したらアウトだと思うんだけど
「あ、それって偏見じゃん」
と気がつけば、それはそれでいいような気もする。

そんなことを、ふと思った出来事だった。

「プシュー」
「ゴオォォォォ」

私のオーダーは、ロイヤルミルクティーをあたためるスチーム音にかき消されたのだった。

ロイヤルミルクティー、なかなかの力強さである。

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