土のスープ?余韻を味わいたい本「すべて真夜中の恋人たち」
川上未映子「すべて真夜中の恋人たち」
キーワードは「光」なのかな。
内容はこんな感じ↓
川上未映子さん。
この方の本は初めて読んだけど、細かい描写が絶妙で惹きつけられました。
(どう絶妙かは、ぜひ読んでみて笑)
以下、つらつらと感想。
意図的なんだろうけど…
序盤から平仮名が多くて、正直ちょっと離脱しそうになりました。
でも読み終えたらすごく良かったので、離脱しなくてよかった笑
人との関わりが苦手な冬子(34)と、三束さん(58)の物語。
話の季節は秋冬なので(たぶん)、今の時期に読むにはピッタリかと。
冬子と関わる人は、冬子の自信のなさにイラッとしたり、心無い言葉をかけたりする。
でも、三束さんはそうではなく…
という話なんですが、
ストーリー書いちゃうとネタバレになっちゃうので、気になる方は本読んでみて。
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といいつつ、おそらく話の肝ではないと思われる部分を紹介。
記事のタイトル、「土のスープ」って何?
と思った方。
そう、あなたです。
以前、「土を食べたことがある」という知らんがな全開な記事を書きました。
綿矢りさの小説「オーラの発表会」の主人公が土を食べていて、「そういえば」と思い出した話。
で、今回の小説。
主人公がレストランで食事をするシーンで、なんと「土のスープ」なるものが登場したのです。
土、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
土、どうやら調理によって食べられるようになるらしい。
煮つめて、殺菌して、丁寧にあくをとりつづけて、裏ごしをする。
そこにゼラチンを加えると、あら不思議。
「土のスープ」の出来上がり…らしいです。
小説の中の話だけど、きっと本当に存在するんでしょうね。
裏ごししたところで、土は土な気もしますが。
今、気になるスープNo.1です。
ということで、
偶然同じくらいのタイミングで読んだ本に、
「土を食べる」という共通点を見つけてビックリ、という話でした。
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特に派手なシーンなどはなく、淡々と進んでいく話なのですが。
描写が秀逸だからか、それぞれのシーンがほわわーんと想像できて、読後も反芻したくなる。
余韻を味わいたくなる。
そして、真夜中を散歩したくなる。
そんな一冊でした。