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パワハラをしてしまわないために
こんばんは。弁護士の檜山洋子です。
今日は一日どんより、というより雨でしたね・・・
こういう日は一日家にして片付けでもしていたいところですが、ほとんど一日外出を余儀なくされていました。
町には中国人観光客の姿も多く見られ、前の活気が戻りつつあるようです。
さて、先日、パワハラセミナーでご一緒したアンガーマネジメントの講師の先生のお話が非常に心に響き、今日も町をぷらぷらしながら反芻していました。
なぜパワハラが起こるのか、なぜ自分では意識していないのにパワハラだ!と言われるのか。
パワハラをする人には、大きく分けて2種類あると私は考えます。
1つは、生まれ育った環境や経歴によって形成されてしまった不必要プライドや卑屈な感情や元々の性格の根暗さ・意地悪さにより、気に入らない相手を見ると虐めたくなる人のパワハラです。
そのような人のパワハラをやめさせるには、その人に改心してもらうしかないので、パワハラ行為者自身がパワハラを辞めたいと思う強い決意と、適切なカウンセリングや専門プログラムによる教育が必要です。
それでもだめなら、会社としては、その人の配置換えをするなり、適切な処分をするなりして、組織に害悪が及ばないようにしなければなりません。
もう1つは、業務上の指導のつもりでしたことが、パワハラだ!と言われてしまうタイプです。
このタイプは、相互のコミュニケーション不全が主たる原因の1つであると考えられます。
先日のアンガーマネジメントの講義に、40分前集合をデフォルトとする上司の話が1つの例として出されていました。
その上司が10時集合!と言えば、9時20分には来て置かねばならないというのです。
それなのに、9時45分で十分だろうと考えて集合した部下は大目玉を食らうということになります。
10時集合だから9時45分に行けば必要十分であろうと考えている部下にとっては、それで怒られるのだから、「パワハラだ!」という思いを抱いてしまうというのです。
これは極端な例ですが、非常にわかりやすいです。
この場合、上司は、「私のデフォルトは40分前集合であり、それに1分たりとも遅刻することはまかりならん!」という自分自身の基準を事前に部下に明確に示しておく必要があったのです。
そうすれば、部下は、10時集合!と言われた時には9時20分集合の意味であると理解することができ、それに沿った行動を取ることができます。
双方が自分自身の「常識」だけを基準にして行動していたら、自分の基準から外れる人の行動に対してイライラが募り、怒りが爆発し、パワハラと受け取られる危険のある行為に及んでしまうのです。
これが、アンガーマネジメントの極々一部の手法です。
会社のような組織では人と人との摩擦が起こることは当然ですから、是非ともアンガーマネジメントをみんなが使えるレベルまで教育していただきたいと思います。