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甘すぎる策士の末路

私がかつて勤めていた、とあるファッションブランドでは、トップは圧倒的な力を持ち、感情的な性格で、積極的にコミュニケーションをとりたくない類の人物だった。

トップの右腕であるCさんは、トップの要望をうまく周囲の人物へ調整し、周囲からもトップからも重宝されていた。トップからの圧力の防波堤になってやる、が口癖の方の情が深い男性だ。

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とある時、私はトップからお叱りを受けた同僚を見た。夜遅くから朝近くまで数時間に及ぶ、私なら気が滅入るくらいの怒られ方をしていた。そしてその人は次の日に退職届けを提出した。

その行為を見てしまってから、トップに対して恐怖心と苦手意識が強くなった。

ある日、店舗で盗難事件が立て続けに起きた。いろいろ原因はあるかと思うが、同じ店舗で同じ販売員が接客にあたっている時に起きたことから、退職に追い込まれた。

マネージャー会議でCさんは次のように説明した。

深夜にその販売員から相談の電話があり、相談にのった。責任を感じてかなり震えていて、励まし、自分が守るからもう少し頑張れ、と言ったのに決意が固く辞めることになった。

そしてしばらくして、私が以前働いていたブランドのことを知りたいから会えないか、とその販売員から連絡があり2人でお茶をした。

転職活動をしていることに、何か違和感を感じ、ことの顛末を尋ねた。

曰く、真相はこうだ。突然Cさんから呼び出された。トップが非常に怒っていて盗難された分を弁償しろと言ってる。それはおかしな話だと思っていたら、俺(Cさん)が他の会社に口利きしてやるから責任を取る形で辞めた方がいいと言われた。

あれ、なんか違う。

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トップに怯えていたあまり、周りをちゃんと見られていなかったが、Cさんは、表面上だけ、自分を良くみせることが得意で、かなり曲者だったことに気がついた。

そこから、Cさんに気をつける生活を始めた。だがしかし、思いもよらぬ方向から、わりと早くCさんとサヨナラすることになった。

違うブランドの可愛い販売員の女性を、Cさんの力で現在私やCさんが勤めているブランドのPRに推薦する、としつこく口説いていたことが発覚し、ブランドを傷つけたとトップが判断しての決断だった。

私は、Cさんを「低偏差値-策士型」と名付けた。

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