『山崎与次兵衛アーカイブ:三輪眞弘』別冊。藤井貞和が<うた>の起源に指摘する「双分観から三分観へ、中心(ミヤーク)を意識する」プロセスとジュリアン・ジェインズの<二分心>から意識…
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「古代」村落の想像的根拠から「極東の架空の島」へ:第5章 社会集団の構造と成員の心の構造の関係(3):祭祀と神歌における心の社会性
1.狩俣の神歌の体系内に層を見出すことができるか? 既述のように、狩俣の神歌の中で最初に注目されたのは、男役の唄う「狩俣祖神のニーリ」であった。そしてこれの成立年代は、その内容の最も歴史的に新しい部分(与那覇原戦ないし平良の目黒盛の軍勢の狩俣襲撃とそれと戦った真屋のマブコイの武勇伝)から、仲宗根豊見親による宮古島の統一期を遡ることはないと考えられる。狩俣の神歌の採集を試みる研究者がまずアクセスするのは、その当時の部落会の会長を初めとする村落の指導者達であり、彼らはしばしば
「古代」村落の想像的根拠から「極東の架空の島」へ:第3章 社会集団の構造と成員の心の構造の関係(1):狩俣における<二分心>の崩壊
1.追悼の対象である死者と祖神との関係:三分観を踏まえて ジェインズの埋葬に関するコメント「同じ死体を二度埋葬した(二度目は、「声」が聴こえなくなってから、共同の墓に埋葬し直した)証拠がしばしば見られたりする」(『神々の沈黙』, p.174)を、狩俣を含む南西諸島における風葬と洗骨の習俗と突き合わせてみよう。上記箇所の表面的な類似を除けば、一般論としては、ジェインズの参照する文化における埋葬の習慣、死後についての考え方は東アジアのそれと異なり、従って狩俣のものとも異なるよ