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言葉の宝箱 0992【無我夢中の時ほど強いものはない。勢いがある】

『短夜』高橋治(新潮文庫1996/6/1)

古美術店『故渓』の女主人、氏家蔦代は茶人だった父から受け継いだ確かな眼と気っぷの良さで同業者からも一目置かれる存在。男に縁がないわけではないのに、独身を通しているのが周囲の人間にとっては不思議だったが、実は深い訳があった。情けを交わした男には決まって不幸が訪れる。そんな数奇な宿命が蔦代には付き纏っていたのだった。その始まりは、初恋のあの人だった。

・男と女のことなのである。
少しじゃれつくような洒落っ気があっても良いではないか P12

・焼物は人間が作ると考えるのは思い上りだ。
最終的には窯が作るんだ P64

・教育はあっても教養がない P65

・無我夢中の時ほど強いものはない。勢いがある。
その勢いが、少々の壁なら屁とも思わずに乗りこえさせてくれる P132

・一所懸命で、嬉々としていて。
ああ、これが人間が生きてるってことなんだな P185

・これは良い人間だ、そう思ったら、一度はその男と寝てみろ。
それが女の幸せというもんじゃ P329


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