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言葉の宝箱 0879【運命なんかに負けんなよ】

桂02

『RUN!RUN! RUN!』桂望実(文藝春秋2006/11/15)

オリンピックが目標、箱根駅伝は通過点に過ぎないと言い切る
新入生のエリートランナーが兄の不可解な死をきっかけに両親の夢、
理想による誕生の秘密を知り、家族関係が壊れていく姿が描かれている。
体外受精、遺伝子操作によるドーピング検査への懸念。
文中で主人公を支える友人の岩本が
「彼らの夢ってなんだろな」と主人公に言う。
父と同じだった夢。兄の死により果たせなくなった母の夢。
その夢とともに壊れてしまった母。夢ってなんだろな。
最後に主人公はこう声を掛ける。「運命なんかに負けんなよ」

・平凡な者は優れている者に嫉妬する P49

・喧嘩は一時の感情に流されているだけで、
何一つ解決しないから無駄なこと P52

・自信がないから心配になるんだ。
才能があって、きっちり練習を積んでいれば恐怖は生まれない(略)
自分のレベルを知らないヤツが不安になるんでしょう。
これでいいんか、とかね P64

・もがくのは格好悪いことじゃない。
立ち止まって、戻ったって構わない P130

・怪我したヤツに勝って、嬉しい?
それは勝ったことにならないじゃない。
体調の悪いヤツを追い抜いて、喜べる?
俺は他人との競争だとは思ってないな。
実際は競争なんだけど――
自分自身と戦ってるつもりでいるよ P150

・どんなところで、どんな親から生まれたかで、
生きる世界の大きさが決まっちゃうんだよ。
平等なんてないんだ P155

・仲間がいると、助けてもらえる。
一人で記録と戦うほうが何倍も、何十倍もしんどいんだ。
それをやってきたんだろ。
こんなことで生き方を変えちゃダメだよ。
何年も何十年も頑張ってきたことを捨てるなよ P182

・緊張はどんな種類のアスリートにも最悪の結果しか生み出さない。
緊張は筋肉を硬くする。
ストレッチしても
緊張のバリアで筋肉がブロックされ、柔らかくならない P191

・決断しなきゃいけないときにね。あそこはいいよ。
人がたくさんいるのに一人になれる。
静かな場所で一人で考えていると、
どんどんアイデアが小さくなっていく(略)
空が広がっているのが見えるから大きな発想が生まれる。
それに人の気配がしているのも大事だね。
自分以外の人間の存在を意識できると、独り善がりにならずに済む P289

・運命なんかに負けんなよ P299

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