言葉の宝箱 1122【人を引きつけるのは外見じゃなくて、その人の内面でしょ】
『連鎖』真保裕一(講談社文庫1994/7/15)
チェルノブイリ原発事故による放射能汚染食品のスクープ記事で名を高めた友人である記者が運転する車ごと海に落ち、意識不明に陥ってしまう。
そんな折、
レストランの倉庫に毒物を入れたという脅迫状が食品検疫所に届く。
元食品Gメンの羽川は汚染食品の横流しの真相突明に乗り出すが、
次々と不可解な出来事に突き当たる。
暗躍する悪徳業者、謎の女、横流し …… 。
ついに羽川の身にも死の危険が迫る。第37回江戸川乱歩賞受賞作。
ハードボイルド・ミステリ。ある意味、恋愛小説
・他人の成功を羨むことのない度量が、私には眩しかった P67
・みんながみんな、人を外見だけで判断するはずないじゃない。
人を引きつけるのは、外見じゃなくて、
最終的にはやっぱりその人の内面でしょ P116
・自分を偽るのは卑怯なことだが、
自分を変えようとするのは悪いことじゃない P116
・感情って、
異性より同性に対する場合の方が複雑に屈折するものじゃない? P119
・恋をするということは、
相手のどこか理解できない部分に惹かれるものではないだろうか P120
・どうなるという当てはなかった。
だが、一つ一つ塗り潰していくしか方法はない P178
・結論を引き延ばしたほうが残酷な場合も、時にはあります P210
・人を信じられないとは、
ずいぶんとつらい過去を持っているようだね P227
・誰しも過去の恨みを捨て切れるわけじゃないからね(略)
でもね、それを、こんな形で復讐して、どうなったと思う? P394
・復讐しても何にもならないんだ P396