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言葉の宝箱 0553【女はすぐに打ち解けます。時には百年の敵にもなります】

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『うさぎ幻化行』北森鴻(東京創元社2010/2/25)

突然この世を去ってしまった義兄最上圭一は優秀な音響技術者だった。
彼は「うさぎ」に不思議な“音のメッセージ”を遺していた。
圭一から「うさぎ」と呼ばれ、
可愛がられたリツ子は早速メッセージを聞いてみる。
環境庁が選定した日本の音風景百選を録音したものと思われるが、
どこかひっかかる。
謎を抱えながら、録音されたと思しき音源を訪ね歩くうちに、
「うさぎ」は音風景の奇妙な矛盾に気づく。
音風景を巡る謎を旅情豊かに描く連作長編。著者からの最後の贈りもの。

・人は流れゆく月日に身を置いて、
望む望まぬにかかわらず変わらざるを得ないのではないか P28

・今日やるべきことはとりあえず明日回し。そんな生き方もある P100

・日本人にとって真の恐怖とは内側にあるんだ。
目に見えないもの、形にならないもの、
恐怖に恐怖する己こそが恐怖なんだ P103

・ほんの小さなきっかけで、女はすぐに打ち解けます。
時には百年の敵にもなります P134

・すべてが過去の出来事だから今となってはそういえるのか P138

・人は思い出になるしかない P145

・心の変化を求める旅路だった。
物事に動じぬ心が欲しい。人を恨まぬ心が欲しい。
己の欲望に負けぬ、
そして慎ましやかな日々の幸福を噛みしめる謙虚さが欲しい P159

・歩き続けるために、自然と姿勢が整ってくる。歩行にリズムが生まれる。するとやがて疲れることなく歩いている自分に気づく。
汗をかき、水を飲む。
体内の不純物が排出され、細胞が日々入れ替わる P164

・生きている人間は死んだ人間に決してかなわない P171

・旅はいいものです。心の傷を癒すには、特に P204

・生きているのは、死ぬまでの暇つぶし P209

・旅の良さはある意味で、
別の人生を演出することが可能な点にあるのかもしれない P225

・すべてが思い出話に変わった頃 P267

・アルコールは時に人の思考を鈍らせるが、
意識を集中させる妙薬になる場合もある P274

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