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言葉の宝箱 0842【人間の衰退は自分の大切なものを放棄するところから始まるのかもしれない】


『想い出あずかります』吉野万理子(新潮社2011/5/20)


子供たちしか知らない秘密。
岬の崖の下に石造りの家があって、
想い出を担保にお金を貸してくれるという魔法使いが営んでいる
『おもいで質屋』を舞台に繰り広げられる魔法のお話。
その想い出は二十歳までに取り戻さないと返ってこない。
里華は中学生の時に魔法使いと出会ってからの仲良し。
共に青春を駆け抜けて、やがて二十歳を迎え、クライマックス。

・想い出なんて、なければないで、別に困らないものなの P17

・人間の衰退は、もしかしたら
自分の大切なものを放棄するところから始まるのかもしれないわよ P145

・人間って、誰かが傍らにいないと寂しい生き物なんでしょう?(略)
人間には、ひとりぼっちに耐えられない人と耐えられる人と二種類いて、
わたしはたぶん耐えられる人みたい。
それがいいことかどうかは知らないけれど P233

・想い出にならない人。それが運命の人よ(略)
好きだった、にならない人。
あの頃はよかったな、と思わない相手。
何年たっても好き。現在進行形のまま。それが本当に大切な人 P236

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