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【美術展レポ】はにわ展、ハニワールド全開だった。

2024年は家族で月イチ美術展めぐりをしています。

11月は、東京国立博物館・平成館で開催されている特別展「はにわ展」に行ってきました。11月3日の文化の日で、無料開放されていることもあって、大混雑でした……。


開催概要

  • 東京会場 挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」

  • 会期:2024年10月16日(水)〜12月8日(日)

  • 会場:東京国立博物館 平成館

  • 開館時間:午前9時30分〜午後5時


まず出迎えてくれた埴輪さん

埴輪 踊る人々
埼玉県熊谷市 野原古墳出土
古墳時代・6世紀
東京国立博物館

古墳時代の3世紀から6世紀にかけて埴輪はにわが作られました。日本列島で独自に出現、発達した埴輪は、服や顔、しぐさなどを簡略化し、丸みをもつといった特徴があり、世界的にも珍しい造形として知られています。ここでは東京国立博物館の代表的な所蔵品のひとつである「埴輪 踊る人々」を紹介します。この埴輪は、東京国立博物館が創立150周年を機に、文化財活用センターとクラウドファンディングなどで寄附をつのり、2022年10月から解体修理を行いました。2024年3月末に修理が完了し、本展が修理後初のお披露目となります。

はにわ展公式ホームページより引用

2022年に解体修理をおこない、今回初お披露目だったそうです。修理前の状態を知らないため比較はできないのですが。

それにしても、埴輪のこの表情といったらなんてゆるいのでしょう。こちらの顔もゆるみます。

埴輪 踊る人々
横顔もすてきね、鼻高いな。
6世紀古墳時代の埴輪にむらがる令和の人びと。


埴輪の種類におどろく

埴輪というと、「踊る人びと」のようなイメージがありましたが、じつはさまざまな種類の埴輪がありました。

こちらは、円筒形の埴輪。なんと、高さが242cmもありました。

円筒埴輪
奈良県桜井市 メスリ山古墳出土
古墳時代・4世紀
奈良県立橿原考古学研究所附属博物館

こちらは、子持家形埴輪。家型の埴輪もあるのですね。

子持家形埴輪
宮崎県西都市 西都原古墳群出土
古墳時代・5世紀
東京国立博物館

こちらは、挂甲けいこうの武人です。5体が各地の所蔵美術館から集められたそうです。お顔やポーズがみなさんちょっとずつ違います。

中央の埴輪は、なんとアメリカのシアトル美術館から里帰りしたそうです。

ホームページより引用
埴輪 挂甲の武人

彩色復元した武人もいました。平成29年から平成31年に実施した解体処理で分析を行った結果、白・赤・灰の3色が全体に塗り分けられていたことがわかったそうです。

埴輪のイメージがくつがえされます。色つきだったのですね。

彩色復元
原品:群馬県太田市飯塚町出土
古墳時代・6世紀
制作:文化財活用センター
令和5年(2023)
東京国立博物館

こちらは、捧げ物をする女子

埴輪 捧げ物をする女子
大阪府高槻市 今城塚古墳出土 古墳時代・6世紀
大阪・高槻市立今城塚古代歴史館

こちらは、石でできた埴輪です。こんな頑丈な埴輪もあったのですね。

武装石人
福岡県八女市 鶴見山古墳出土
古墳時代・6世紀
福岡・八女市
(岩戸山歴史文化交流館保管)

こちらは、あごひげの男子の埴輪。なんだかダンディーです。

埴輪 あごひげの男子
伝茨城県出土
古墳時代・6世紀
東京国立博物館


こんな埴輪まで…

とにかく、わたしの顔はゆるみっぱなしでした。埴輪さん大好き♡

こちらは、古墳のガードマンである盾持人だそうです。この表情でガードマン……。なんだかおどろいてしまって、写真がピンボケしてしまいました。

埴輪 盾持人
群馬県高崎市 保渡田八幡塚古墳出土
古墳時代・5世紀
群馬・かみつけの里博物館

こちらもガードマン。こんな温厚なガードマンどうなんでしょうか。

埴輪 盾持人
群馬県太田市薮塚町若水塚出土
古墳時代・6世紀
東京国立博物館

こちらもガードマン。笑いすぎです。この作品を当時の作者はどんな思いで作ったのでしょうか。

埴輪 盾持人
埼玉県本庄市 前の山古墳出土
古墳時代・6世紀
埼玉・本庄市教育委員会
(本庄早稲田の杜ミュージアム保管)

こちらは、琴をひく男子。もの悲しそうな表情がいいですね。

埴輪 琴をひく男子
伝茨城県桜川市出土 古墳時代・6世紀
東京国立博物館

ひざまずく男子もいました。いろいろな役割の埴輪がいるんですね。

埴輪 ひざまずく男子
(左)伝群馬県出土 古墳時代・6世紀 埼玉県立さきたま史跡の博物館
(右)群馬県太田市 塚廻り4号墳出土
古墳時代・6世紀
文化庁(群馬県立歴史博物館保管)


家型埴輪や、動物埴輪もたくさんありました。


まとめ

埴輪は王(権力者)の墓である古墳に立てられたもので、王の墓の周りにたくさん並べられたといいます。これを聞いて、学生時代に西安でみた「兵馬俑」を思い出しました。

「埴輪」は日本の古墳時代(西暦 300 年頃〜700 年頃)に作られたもので、「兵馬俑」は約2200年前に秦の始皇帝の陵墓のほど近くに埋められたものです。兵馬俑のほうが数百年もさかのぼりますが、ずいぶんと精巧に作られていますよね。

でも、わたしはこの「埴輪」のゆるい作品ゆえに、現代でも愛されているのだと思います。その素朴で愛らしい表情や形は、時代をこえてわたしたちの心にひびきます。埴輪をとおして、当時の人びとの生活や信仰、思いにふれることができ、古代と現代がつながるような感覚を味わいました。

また、埴輪には多様な種類があり、それぞれが異なる役割や意味を持っていることにおどろきました。武人や楽器を演奏する人、家や動物など、多彩なモチーフが用いられており、当時の文化の豊かさを感じました。

子ども向けガイドもいただきました。この秋は、「はにわ祭り」として、いろいろな企画があるようです。この記事をかいている11月4日には、はなかっぱスペシャル「ハニワノクニで大ぼうけん!」も放送していました。

はにわ展は、子どもも十分に楽しめる美術展です。

はにわ展のジュニアガイド
「おーい!はに丸」と「はなかっぱ」のシールもらいました

東京会場は、12月8日まで開催されています。その後、九州国立博物館(福岡)で、2025年1月21日(火)から5月11日(日)まで開催されるようです。


最後までお読みいただきありがとうございました。


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