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【美術展レポ】チームラボ 山中湖に行ってきました。

週末、山梨県の山中湖で開催されている「チームラボ 山中湖 Walk, Walk,Walk」に行ってきました。

暗闇の中に放たれる光のアートと、ライトアップされた紅葉の美しさが調和し、わたしはその幻想的な空間にとても感動しました。

この記事では、公式ホームページの作品紹介を参考にしながら、わたしが感じた魅力的な点を綴ってみたいと思います。


● Walk, Walk, Walk - 山中湖


展示会場に足を踏み入れ、ライトアップされた紅葉をみながら歩みを進めていると、大きな木々の間から突然、行列が現れました。ウサギやカエル、牛、人などまるで鳥獣戯画のようなプロジェクションマッピングで描かれており、彼らはひたすら歩き続けていました。その行列はとても長く、目を見張るほど壮観さでした。

チームラボ山中湖Walk,Walk,Walk
チームラボ山中湖 Walk,Walk,Walk

山中湖畔の木々沿いを、匿名で多様な肖像群が歩き続ける。
人々は、何かを選び、そして何かを捨て、彼らと対峙しながら鑑賞する。
禅の言葉に「歩歩是道場(ほほこれどうじょう)」という言葉がある。作品の登場人物は、いろいろな出来事に対峙しながら、終わりなく歩き続ける。人々もまた、次々に歩いて来る作品世界の登場人物と対峙していくことになるだろう。
作品は、コンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続けている。あらかじめ記録された映像を再生しているわけではない。全体として以前の状態が複製されることなく、永遠に変化し続ける。今この瞬間の絵は二度と見ることができない。

Walk, Walk, Walk - 山中湖・作品コンセプト・ホームページより引用

イベントのタイトルにもなっていたんですね。実は現地にいる時は気づきませんでした。映像と共に流れていた音楽もまた素晴らしい雰囲気でした。

作品コンセプトをあらためて読み、リアルタイムで描かれていたことを知りました。確かに、さまざまな登場人物が歩いたり踊ったり演奏したりする映像が繰り返し再生されているわけではありません。長い長い行列の光景でも、飽きることがなかったのは、ここに理由があったようです。

この作品を鑑賞していて、ある絵本を思い出しました。


ラッパを持って森に散歩に出かけた男の子が、森の中でさまざまな動物に出会い、動物たちは男の子について行列をつくり、一緒にお散歩をしていく、ほのぼのとしたお話です。子どもたちも大好きで何度も読み聞かせてきた絵本です。

この絵本はモノクロであるため、今見ている光景と重なり、まるで絵本のシーンが現実に飛び出してきたような感覚におちいりました。

一緒に見ていた子どもたちにも、「あの絵本と同じだね」と伝えましたが、反応は薄かったです……。作品の受け取り方は人それぞれですね。わたしはこの絵本と作品がリンクしたのでした。


● 我々の中にある巨大火花


行列の映像を通り過ぎると、わたしたちを照らす赤い光が見えました。
なんだろう、なんだろう。
写真に撮ると火花に見えますよ」とスタッフが説明していたので、写真を撮りました。

巨大火花

火花に見えるのかな。作品コンセプトを読んでみましたが、なかなか子どもには難しい作品のようでした。

私たちは、見ている世界を認知しているのではない。私たちは、認知している世界を見ている。
無数の光線の集合による球体。
細い光の線は、中心から放射状に無数に広がり、球体を形作る。光源は動かないが、無数の線はうごめき続ける。
球体には境界面がなく、作品と身体との境界の認識は曖昧である。球体に触れようとすると、物理的な境界面はないため、手は球体の中に入る。
この球体は、何か?線はなぜうごめくのか?
我々の世界は、我々の中にあるのだ。
そして、この線群の球体を認知した後、認知している世界は広がり、世界中のいたるところでこの線群の球体を見ることになるだろう。

我々の中にある巨大火花・作品コンセプト・ホームページより引用


● 自立しつつも呼応する生命


次に、ポスターにもなっていたカラフルな球体がありました。大小さまざまな大きさの卵型の球体が、湖畔に並んでいました。こちらは言葉での説明はいらないと思いました。変わりゆく色が本当に美しかったです。

最後の方では、大人の背丈よりも大きい巨大な球体と球体の間を歩いていきます。この球体はとても大きいため、揺らすとかなりのパワーで跳ね返ってくるので、「揺らさないでください」とスタッフが注意を促していましたね。

子どもたちは球体を揺らしたり、影絵を作ってみたり、一番楽しんでいたように思います。

自立しつつも呼応する生命

立ち続ける光のovoid(卵形体)は、それぞれ自律している。ovoidは、人に押されたり、風に吹かれたりして倒れると、立ち上がりながら光の色を変え、色特有の音色を響かせる。その周辺のovoidも次々に呼応し、同じ色に変化し音色を響かせながら、連続していく。光のovoidは、風が静かで人々が何もしない時、ゆっくりと明滅をはじめる。

自立しつつも呼応する生命・作品コンセプト・ホームページより引用





● お絵かきタウン


この街(タウン)は、みんなの描いた絵でできていく街。紙に自由に、建物や車、宇宙船やUFOなど街の絵を描く。すると、描いた絵が立体で出現して、目の前の巨大な街の中で動きだす。みんなが描いた絵によって街ができていき、みんながどんな絵を描くかによって、街が変化していく。街には触ることができ、たとえば車に触ると、車のスピードが変化する。さらに、街をつくるものにはそれぞれ役割があり、消防車やクレーン車は街を守る。

お絵かきタウン・作品コンセプト・ホームページより引用

お絵かきタウンは、昔、別の会場で体験したことがありました。
土曜日でとても混雑していましたが、せっかく来たのでまだ未体験の次女とわたしだけで参加しました。寒さでブルブル震えながら待つこと50分。いよいよわたしたちの順番が回ってきました。

好きな絵を選んで、塗り絵をします。次女が選んだのは、ビル。わたしは車を選びました。描いた絵をスタッフの方に渡し、スキャンしてもらいました。

しばらくすると、自分たちが描いた絵が巨大なスクリーンに飛び出してきました。平面で描いた絵が立体的になって現れるのは面白いですね。ビルが空中を飛んでくるのも面白かったです。

車はどんどん流れていきましたが、次女が選んだビルは固定されていたので、自分の作品をじっくりみることができました。子どもにとっては面白い体験だったようで、とても喜んでいました。

空飛ぶビル
ビル着地

この街(タウン)は、みんなの描いた絵でできていく街。
紙に自由に、建物や車、宇宙船やUFOなど街の絵を描く。すると、描いた絵が立体で出現して、目の前の巨大な街の中で動きだす。

みんなが描いた絵によって街ができていき、みんながどんな絵を描くかによって、街が変化していく。

街には触ることができ、たとえば車に触ると、車のスピードが変化する。さらに、街をつくるものにはそれぞれ役割があり、消防車やクレーン車は街を守る。

お絵かきタウン・作品コンセプト・ホームページより引用

作品は以上です。

チームラボの屋外作品は初めてでしたが、アートと自然が共鳴し合う様子は本当に素晴らしいものでした。子どももたっぷり楽しめます。しかし、夜の山中湖は思った以上に寒かったです……。寒い夜の中で、アートの美しさに包まれながら、心温まる体験ができました、と締めくくりたいと思います。

本日もお読みいただきありがとうございました。
イベントは、2023年11月12日(日)まで開催されているようですが、防寒対策をしてお出かけくださいませ。

本文中のイラストはTOMOさんの作品をお借りしました。ありがとうございます。可愛いイラストがたくさんあって大好きです。


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