【美術展レポ】ミニチュア写真家の田中達也さん、あの方と共通点があるかもしれない。
2024年は家族で月イチ美術展めぐりをしています。
9月は、横浜高島屋ギャラリー8階で開催されていた「開店65周年記念 MINIATURE LIFE展2 ―田中達也 見立ての世界―」に行ってきました。
最終日に行ってしまいましたので、大変混雑していました……。人気展覧会は計画的に行きましょう。(自分に言い聞かせる)
田中達也さん
田中達也さんは、日本のミニチュア写真家で、日常にある身近な物を使って独自のミニチュア世界を創り出すアーティストとして知られています。日用品や食べ物をつかって、くすっと笑えるユーモアや驚きを感じさせる場面をミニチュアのフィギュアとともに「見立ての世界」を作り上げています。
この展覧会では、写真と実物の作品が展示されていました。作品の鑑賞だけでなく、田中達也さんの世界観がどのように生まれてくるのかもわかる展覧会でした。
いくつか作品を紹介します。
見立ての世界
カミソリの刃をピアノに見立てて、ミニチュアの人物が演奏しているシーンが作られています。
この作品タイトルの「キレ」という言葉は、音楽におけるシャープな演奏を意味すると同時に、カミソリの「切れ味」をかけており、田中さんならではのダジャレのセンスが光っています。
作品とタイトルをみるだけで楽しい作品ばかり。こんなまわりくどい説明はいらないですね。写真とタイトルで少しだけ紹介します。
では、どうぞ。
こうした言葉遊びの要素が、作品を単なる視覚的な楽しみだけでなく、言葉の意味を考えさせることにもつながっていますね。
アイデアはスマホのアプリにメモ
田中さんは、ふだんの生活の中でさまざまな場所からアイデアを得ているそうです。アイデアが思い浮かんだら、すかさずスマホのアプリにメモを残す習慣があるようです。
とくに、100円均一やホームセンターで買い物をしているときが、最もアイデアが沸きやすいとのこと。そこには、さまざまな素材や形状のアイテムが並んでいて、それが田中さんの発想を刺激しているようです。
創作過程の共通点かもしれない
先日、ヨシタケシンスケさんの展覧会に行ったとき、ヨシタケさんがいつも小さなスケッチブックにアイデアを書きとめ、発想をのがさないようにしていることを知りました。
そのような創作過程は、ヨシタケシンスケさんの方法にも通じる部分があると感じました。
ふだん見過ごしてしまいそうな日用品でも、田中さんの手にかかると驚くほどユニークなものに生まれ変わります。実際、田中さんの作品には、日常の物事を異なる視点でとらえるヒントが散りばめられています。
ヨシタケさんも田中さんと同様に、日常の中にユーモアや新しい発見を見出し、それを作品に活かしていました。
田中さんとヨシタケさんの創作過程の共通点は、日常を「観察」する姿勢と、それを「記録」する習慣にあるといえるかもしれません。
どちらも日々の何気ない生活の中で浮かんだアイデアを大切にし、メモやスケッチという形で残しておくことで、作品に昇華させています。
こうした継続的なメモの積み重ねが、ユニークでありながらも普遍的な作品を生み出す源になっているのだなと思いました。
日常の中に眠る可能性を見つけ、それを遊び心を持って形にする。田中さんの作品は、単なるミニチュア作品ではなく、私たちに日常の中にある小さな発見や楽しみを再認識させてくれる大きなメッセージをもっています。
展覧会情報
✈️ 世界で活躍
日本以外でも開催されているんですね。北京や台北でもイベントが行われていいるそうです。神戸空港には最近新しい常設展ができたみたいです。
🗓️ 毎日更新ミニチュアカレンダー
ジオラマ用の人形と日用品をモチーフに撮影したものを、日めくりカレンダーのように毎日ホームページやSNSで更新していることから、”ミニチュアカレンダー”と呼ぶようになったそうです。
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展覧会のグッズ販売コーナーで、こんな本を買いました。
日本の文化を、日本の日用品で見立てて紹介していて、とてもおもしろいです。英語でもかかれているので、海外の方にも喜ばれそう。
書籍もたくさん出ています。
絵本もありました。
2025年のカレンダーも発見しました。
ヨシタケシンスケ展の美術展レポはこちらです。よろしければのぞいてみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。