「妹」は、なぜこんなにも愛しいのだろう?
今クール放送のアニメの中で、かなり話題になってるのが「負けヒロインが多すぎる」だと思う。
確かにこれ、凄いよね。
美少女がたくさん出てくるやつだからハーレム系作品だろうと思ってたのに、クールが折り返し地点を過ぎた今になっても、まだ誰も主人公のことを好きになっていないという予想外の展開(笑)。
・・いやいや、これが逆にいいいのよ。
一般的にハーレム系って、出てくるヒロインがみんなチョロい子ばかりで、すぐに主人公のこと好きになっちゃうでしょ?
根拠もハッキリしないまま。
そういうの、あまりにも現実味がなさすぎて苦手なんだよね。
その点、本作はやや現実寄りといったところか。
作品にギャグの要素は結構あるものの、意外とキャラのデフォルメは控えめだし。
人物描写も、驚くほど真面目にやってくれている。
でも、どうなんだろう。
ストーリーが進むにつれ、我々視聴者も、主人公・温水の魅力(←めっちゃ優しい!)を少しずつ理解してきたもんだから、「誰か、早く温水のことを好きなってあげてよ~」という気持ちになってきてるよね。
いや、実をいうと最初から温水に対して好意的なヒロインは1人だけいて、それは他でもない、温水の妹・佳樹ちゃんである。
めっちゃ可愛い妹で、なぜかお兄様のことが大好き!という設定。
割とテンプレ的なものを敢えて外してきてる本作において、佳樹ちゃんだけは異質ともいえるテンプレ妹キャラ。
ぶっちゃけ、ここだけ妙に違和感あるよな。
温水のこと、「お兄様」とか言ってるし・・。
というかさ、私はこれまでの人生の中で、ただの一度も「テンプレな妹」に会ったことがないんだけど?
「お兄様大好き!」という妹とか、ホントに実在するの?
なんか、そういうのは都市伝説のように思えてならんのだが・・。
さて、今回は「妹」について少し書いてみようと思う。
<「妹」アニメ4選>
①「みゆき」
②「魔法科高校の劣等生」
③「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」
④「恋風-こいかぜ-」
まぁ、元祖「妹」といえば、あだち充先生の名作「みゆき」だよね。
①も②も妹の名は「みゆき」なんだけど、両者とも
・兄とはずっと疎遠な関係だった
・思春期になってから同居するようになった
・実は、兄とは血縁の繋がりはない
という設定になっており、実はこれが非常に重要なところなのよ。
幼い頃からずっと一緒にいたわけじゃなく、お年頃になってから一緒に住むようになり、おまけに血の繋がりはない(まだアニメでは公式に表現されてないが、②も一応血縁的に大丈夫なんです)。
これは、兄を異性として意識してもしようがないと思う。
だから、一応私の中で①と②はセーフなのね。
だけど、③と④はまた事情が異なってくる。
これは両作品とも、血の繋がった実の兄妹であり、でもってその兄妹が恋愛関係に陥るパターンのやつだ。
う~む、これはアウトでしょ~。
いや、③はまだ一線を越えてないのでぎりぎりセーフともいえるけど、④は一線を越えてるので完全アウトです。
しかも13歳年下の妹なので、ますますアウトです。
昔から、近親の婚姻はタブーとされてきたわけです。
今は、法律で禁じてるよね。
やはり兄と妹だと遺伝情報が割と近い為、お互いの病気の因子がうまい具合にぴったりマッチしてしまって、
病気の因子+病気の因子⇒生まれた子供は高確率で病気を発症
ということになるっぽいんだわ。
生まれつき病弱とか、あるいは早逝するとか、とにかく、あまりいいことはないっぽい。
それもあるもんだから、もともと人間は親兄弟等近親者に対して性的興奮をしないように、ちゃんとプログラミングされてるわけよ。
実際、皆さんも親兄弟の裸を見ても、興奮なんて絶対しないでしょ?
・・いや、でもこんな感じの妹↓↓がいた場合、さすがに興奮するんじゃないか?
・・と思う人もいるかもしれんが、いや、それでも絶対ないよ。
実際、綾瀬さんはお兄さんがいるわけで、一時期そのお兄さんと2人暮らしだったというから、何ならお兄さんに「興奮した?」と聞いてみりゃいい。
100%間違いなく、「するわけねーだろ」という答えが返ってくるはず。
兄妹って、普通そういうもんでしょ?
美人とかブサイクとかもあまり関係なく、どっちにしたところでオス⇔メスの関係には根本的になり得ないんです。
それは、なぜか?
多分、一定期間以上一緒に暮らしてる相手には本能が「近親者認定」して、性的対象から除外するように最初からプログラムされてるんだろうね。
それはそれで必要ともいえる本能プログラムだが、ただ困ったことに、このプログラムによって嫁(恋人)でさえ長くいると、勝手に「近親者認定」が発動してしまい、いつの間にか性的対象から除外されちゃうのさ(笑)。
そう、世に多いセックスレス夫婦、これはただ単に怠惰ってわけでもなく、むしろプログラムが正常に作動したからこその帰結である。
でもさ、以前、確か映画でこういうのがあったよね↓↓
マツジュンと榮倉奈々のやつ。
これ、血の繋がった兄妹どころか、双子という設定だったと思う。
で、この双子、一線越えちゃうんだよな~。
やはり、本能プログラムですら制御のきかないイレギュラーというのは、稀にどこかで発生してしまうものなんだろう。
でもって、マツジュンと榮倉奈々がこれをやると「ありだな・・」と思えてしまったのは不思議である。
しかし、こういう映画まで作られるってことは、やっぱ「妹」モノって人気あるんだと思う。
ただ、「妹」モノに萌える人の多くって、多分、妹がいない人だと思うんだよね。
そういう人たちが抱く妄想の結晶こそが、テンプレの「妹」キャラだと思うんだわ。
ちなみに、前述「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の作者・伏見つかさ先生は他にも「エロマンガ先生」など「妹」モノを多く手掛けてる人だが、実は先生自身に、妹さんはいないらしいよ。
やっぱ、作ってる側も結局は「妄想」なんだよね。
ニーズとしても、誰もそこにリアルなものとか求めてないわけさ。
じゃ、ここで某サイトが発表した、アニメ「妹」キャラランキングをご紹介いたしましょう。
<「妹」人気ランキングTOP10>
【1位】比企谷小町
(やはり俺の青春ラブコメは間違っている)
【2位】結城美柑
(To LOVEる)
【3位】平沢憂
(けいおん)
【4位】西宮結弦
(聲の形)
【5位】竈門禰豆子
(鬼滅の刃)
【6位】司波深雪
(魔法科高校の劣等生)
【7位】白
(ノーゲームノーライフ)
【8位】土間うまる
(干物妹!うまるちゃん)
【9位】リーファ
(ソードアートオンライン)
【10位】高坂桐乃
(俺の妹がこんなに可愛いわけがない)
なかなか、いいメンバーが揃ってますね。
こんな子がいるなら、ホントうちにひとり欲しいぐらいですよ。
大体のパターン、妹は優秀でしっかり者のキャラとして描かれている。
おそらく、これはいまどきの作家さんたちの「妹」イメージに、こういうのが幼少期から刷り込まれてきた結果だろう↓↓
誰だって、「ドラえもん」見て育ったのは間違いないからね。
いやいや、ドラミちゃんほどできた妹なんて、この世に存在するわけないんだけどさ・・。
ちなみに、私が今までアニメを見ていて
「あ、これホンマもんの『妹』やん!」
と思ったのは唯一、「響け!ユーフォニアム」の黄前久美子ぐらいである。
なんていうか、黄前ちゃんの学校の時とはまた少し違う、家にいる時の妙にテンション低い空気感、親との距離感、姉との距離感、かわいくなさ、それら全てが完璧に「妹」なんだよね。
というか、鳥肌が立つほどのリアル。
こういう空気感を描き切った京アニの作画力はやっぱ凄いと思ったし、同時にcv黒沢ともよの演技力もまた凄かった。
あるいは黒沢さんって、実際に「妹」なのかもしれんなぁ。
まぁ、こういうところも含めて、「響け!」は名作中の名作といわれてるんだろうね。