アニメ界の伝説、「涼宮ハルヒ」エンドレスエイトについて
最近「Re:ゼロ」第3期を見てて、
「あぁ、やっぱアニメにはタイムリープがあると盛り上がるよなぁ・・」と、しみじみ痛感している。
ぶっちゃけ、作家に「とにかく売れる作品を作って!」と依頼したら、まず十中八九間違いなく、タイムリープを題材にした作品が仕上がってくるんじゃないか、と。
じゃ、ここで過去に某サイトが集計した、「タイムリープ系アニメ作品人気投票」の結果をご紹介しよう。
<タイムリープ系アニメ人気投票結果TOP10>
【1位】「魔法少女まどかマギカ」(2011年)
【2位】「STEINS;GATE」(2011年)
【3位】「僕だけがいない街」(2016年)
【4位】「Re:ゼロから始める異世界生活」(2016年)
【5位】「サマータイムレンダ」(2022年)
【6位】「Charlotte」(2015年)
【7位】「涼宮ハルヒの憂鬱」2期(2009年)
【8位】「ビューティフルドリーマー」(1984年)
【9位】「orange」(2016年)
【10位】「時をかける少女」(2006年)
なるほど。
いずれ劣らぬ名作揃いである。
見た感じ、2016年が特に「当たり年」だね。
「僕たちがいない街」「Re:ゼロ」「orange」と3作品がTOP10入りしているのみならず、劇場公開作品としては「君の名は。」がヒットしたのも2016年だったわけで・・。
しかしまぁ、アニメ史において「タイムリープ起源」といえるのは、やはり1984年、「ビューティフルドリーマー」の劇場公開じゃないだろうか?
それまでも「ドラえもん」等、いくらでも時間遡行を描いた作品はあったんだが、しかし「ビューティフルドリーマー」がそれまでの既存のものと一線を画した大きなポイントは、「無限ループ」という苦しみの概念を表現したことである。
そしてその翌1985年、米ハリウッドは「バックトゥザフューチャー」というアドベンチャー色の強いタームリープ作品で大ヒットを記録している。
米国⇒ワクワクする!「バックトゥザフューチャー」
日本⇒無限ループ・・(涙)「ビューティフルドリーマー」
この日米の感性の違いは、なかなか興味深い。
ちなみに日本はその後、「ビューティフルドリーマー」の影響かは知らんが、タイムリープをイコール「ループ」と解釈する土壌ができた感じだね。
それを決定的にしたのは、2006年「ひぐらしのなく頃に」だろう。
そして同じく2006年公開「時をかける少女」のヒットもあり、
タイムリープ=苦しい、切ない
という価値観が、この年をもって決定的なものになったと思う。
「タイムリープ?楽しいよ~」というノーテンキな日本人は、もうこの時点で、のび太君ぐらいである。
そしてその3年後、我々に真の意味でループの苦しみを教えてくれたのは、言うまでもなくコレなんだ↓↓
「涼宮ハルヒの憂鬱」エンドレスエイト
これはアニメ好きなら誰しもご存じのはず、伝説の「エンドレスエイト」。
人によっては、これを「京アニの黒歴史」といってるみたいだけど・・。
じゃ、これを知らん人の為に説明すると、「涼宮ハルヒの憂鬱」2期の中に「エンドレスエイト」という章があり、それはハルヒたちが無限ループ世界の中に閉じ込められてしまう物語なのね。
ただ登場人物たちはループした瞬間、それまでの記憶が全てリセットされてしまうので、自身がループしてることに全く気付いてない。
よって、彼らは夏休みの8/17~8/31の間を延々とループしてるわけだ。
で、京アニは
2期12話 8/17~8/31
2期13話 8/17~8/31
2期14話 8/17~8/31
2期15話 8/17~8/31
2期16話 8/17~8/31
2期17話 8/17~8/31
2期18話 8/17~8/31
2期19話 8/17~8/31⇒脱出⇒9/1
という感じで、8話連続ほとんど同じ内容の放送を続けたんだわ。
8話ということは2か月間、視聴者は延々と同じ展開(プール行ったりお祭り行ったり、イベントは全く同一、セリフもほぼ同じ)を見せられ続けたってこと。
当然、ブーイング起きるよね?
じゃ、その当時の「2ちゃんねる」の雰囲気を分かりやすくまとめた動画があるので、こちらをどうぞ↓↓
↑↑ドラえもん、ウケた(笑)
まぁそんなわけで、いい意味でも悪い意味でも「ハルヒ」は社会現象に発展したのさ。
まぁ、中には怒る視聴者もいたわけだが、でも後の京アニ放火事件とこれは全く無関係なので、そのへんは誤解ないように。
ただ、こういうことやるとDVD&Blu-rayの売れ行きが悪くなると思うんだが、実際どうだったんだろう?
・・こういうのって、個人的には京アニの思惑も分からんではないんですよ。
ようするにこれ、
ループの苦しみに、視聴者の皆さんもご一緒に参加してみてください!
という狙いでしょ?
視聴者参加型、いわゆる「体感型コンテンツ」のトップランナーだったともいえるわけで。
そう考えると、一応意義はあるトライだったと思う。
よく識者が
「『ハルヒ』は、日本のアニメを変えたエポックメイキング的名作」
と絶賛してるが、私もおおむね同意である。
ただし、「ハルヒ」の再視聴の際に「エンドレスエイト」は大部分スキップしますけどね(笑)。
ちなみに、京アニはわざわざ12話~19話の各回において同一アニメーターがカブらないように別個のチーム分けしたらしくて、敢えてチーム同士の情報交換、情報共有もしなかったようだ。
結果として各回、ちゃんと差異らしきものが発生している。
京アニって、意外とこういうところをクソ真面目に取り組んでる。
同じ内容を8回もやるんだから、「使い回し」をすれば作業は普通に軽減化しただろうに・・。
でも、彼らのやったことはむしろその真逆。
同じ内容を8回もやるからこそ、各回イチから作っていこう、と。
コイツらって、そういうところが病的なほどに職人気質だよな・・。
「そんなコダワリ、視聴者に伝わるはずないじゃん?」という見方が一般的だろうが、実際、伝わらないところには伝わらなかっただろうし、でも一方で、伝わるところにはちゃんと伝わったかとも思う。
あと、やっぱり今改めて「エンドレスエイト」を見ると、ヒロイン・ハルヒのエキセントリックっぷりが凄いわ~。
何よりcvが平野綾であり、それを踏まえて「エンドレスエイト」見てると
何コレ?ハルヒって、まるで平野綾じゃん?
と思えてくるんですよ(笑)。
まぁね、平野さんといえばその後は栄華から凋落まで、マジ激動の声優人生だったから・・。
その凋落の原因は彼女自身のエキセントリックな私生活にあったわけだし、ある意味、彼女はリアル涼宮ハルヒだったのよ。
ちなみに現在の彼女、離婚協議中だそうです。
今なお8/17~8/31をず~っとループしてれば、そういう辛い思いもしなくて済んだかもしれんが・・(笑)。
思えば、「キャラより中の人の方が綺麗」と感じたのって、私は平野さんが初めてだったんだよね。
当時歌手としてもめちゃくちゃイケてたし、彼女がアニメ界で果たした役割は大きかったと思うよ。
特に、「ハルヒ」学園祭で見せた彼女の歌唱は非常に印象深い。
じゃ、その時の曲を聴いて下さい。
これ、京アニの作画もまた神懸ってるんだわ。
歌とクチが完全に一致してるし、あと汗の飛び散り方とか、カット割りとかも完璧!
<京アニ=神>を決定付けた名シーンである。
じゃ、おまけで平野綾の生歌バージョンもどうぞ。
正直いうと、このライブの映像を見てても、
「平野さんはバンドメンバー4人中3人と肉体関係をもっていた」
という例の話から後ろの4人の存在が気になってしまい、ほとんど歌に集中できませんでした・・(笑)。
まぁ、いいさ。
そもそも、10年以上も前の話はもう時効だし、そういう破天荒さも含めて
ハルヒ=平野綾である。