あなたはエミリア派?それともレム派?
「Re:ゼロから始める異世界生活」は、ラノベ系異世界アニメの中で頭ひとつ抜けた存在であることに誰も異存はないと思う。
ぶっちゃけ主人公はウザいキャラゆえ人気ないだろうが、それを補って余りあるのがオンナノコたちのかわいらしさである。
だから、この作品は原作者・長月達平先生もさることながら、その本の挿絵を描いてたという大塚真一郎なるイラストレーターの貢献度はかなり大きいと思う。
いやホント、ラノベもイラストレーターのチョイスだけは絶対気を抜けないよね。
結局はアニメ化される時も、その挿絵のデザインがまんま転用されてしまうんだから。
イラストレーターの責任は重大。
ひょっとしたら、イラストレーターのチョイスで失敗して、「小説は面白いのに売れなかった」という例すらあるかもしれない。
具体的には聞いたことないけどさ。
個人的にアニメのキャラデザは00年代を境にして「イマ風」が確立されたように感じてるんだが、そこは京アニの影響力もさることながら、一方ではラノベのイラストレーターたちがデザインを牽引していったといえるのかもね。
で、「Reゼロ」の大塚先生がうまいなぁと思うのは、メインヒロイン2人、エミリアとレムを「タイプこそ違えど、甲乙つけがたい互角のかわいさ」で見事に表現したことである。
ここでかわいさに差が生じては、モトも子もないんですよ。
あくまでも互角でなければならない。
古くは「マクロス」のリンミンメイと早瀬未沙。
「エヴァンゲリオン」のアスカラングレーと綾波レイ。
近年では、「俺の青春ラブコメはまちがっている」の雪ノ下雪乃と由比ヶ浜結衣。
みんな、「タイプこそ違えど、甲乙つけがたい互角のかわいさ」という表現に成功している。
見ての通り、まず気がつくのは、いずれも髪色に違いがあること。
80年代「マクロス」の時代はともかくとして、90年代「エヴァ」あたりからは明らかにその髪色にも「意味」が込められてくるんだよね。
たとえば、綾波レイによって一躍認知度が高まった水色の髪。
この色は、「内向的」「おとなしい」を表す記号である。
逆にアスカの茶色は「活発」「元気」を表す記号さ。
割と、寒色/暖色でWヒロインの性格を分ける例が多いと思う。
・・ん?
ならば、「Reゼロ」は?
そうだねぇ、ここがこの作品の一筋縄ではいかないところなんだわ。
分かりやすいレムの水色に対し、エミリアは銀色。
銀色というか「無色」にも見えるし、おそらくこれは「無垢」、まだ何にも染まってないことを示す記号だろう。
そしてレムの水色についてだが、彼女には全く容姿が同一の双子の姉、レムという姉がいるんだが、この双子は実に都合よく髪色が違うんだよね(笑)。
この双子、容姿は同じなのに、性格はまるで異なっている。
特にラムの髪色ピンクは、いまどきのアニメでは「要注意」というべき記号ともいえよう。
<ピンク髪のアブナイ皆さん>
そう、髪というのは大切な「記号」なんです。
これは2次元世界だけの話じゃなく、3次元世界でもそうである。
たとえば、アメリカの青春系学園モノなど、そこでは必ずといっていいほど「カースト」が描かれていて、カースト上位者は面白いほどに記号化されてるんだよ。
<米国に見るカースト上位女子の記号>
・白人
・親が金持ち
・金髪
・ナイスバディ(長身/スリム/モデル系)
・チアリーダー部所属
・カレシがアメフト部のクオーターバック
・気が強い
米国は、髪を染めるまでもなく生まれつきブロンド、ブルネット、あるいは黒人特有の縮毛など様々なバリエーションがあり、そのへんのベースが日本とちょっと違う。
<日本アニメに見るカースト上位女子>
そう、意外と日本では米国ほど「記号化」されてないことにお気付きだろうか?
「俺の青春ラブコメはまちがっている」は金髪女子という形で記号化できてるが、「三月のライオン」「かがみの弧城」あたりは「なぜこんな冴えない子がカースト上位に君臨してるの?」と不思議になるほどショボい見た目で描かれてるんだよね。
美人でもなければ、成績優秀そうでもないし、性格悪そうだし、なぜそんな明らかに人望なさそうな子がカースト上位に立てたんだろう?
まぁ、現実は意外とそんなものかもしれんが・・。
思えば90年代、時代のアイコンは安室奈美恵だった。
彼女の影響を受け、世の女子たちがみんな「茶髪」になったんだ。
それまでは「髪染める人=不良かオバサン」だったのに、安室奈美恵からはそのへんが一気に払拭され、タトゥーすら「かわいい」と許容されるようになってしまった。
・・でもね、このアムラーブーム、支持してたのはあくまで女子層であり、世の男性層はさほど茶髪系/日焼け系/ギャル系に萌えてもなかったのよ。
むしろ、そのアンチテーゼとして黒髪/美白の方が支持されてたと思う。
事実、00年代にはいると、その揺り戻しが一気にきたもんね。
<黒髪/美白の復権>
この嗜好は極めて強く、いまだ好感度人気アンケートをとると、新垣結衣、綾瀬はるかあたりが上位に食い込んでくるものらしい。
もはや、20年ぐらいその人気は続いてないか・・?
いま人気あるという浜辺美波にせよ、完全に黒髪/美白の系譜じゃないか。
・・率直に言っちゃってイイですか?
黒髪/美白、ぶっちゃけ飽きた。
いや、こういうの決して嫌いじゃないんだけど(むしろ好きだけど)、ここにきて安室奈美恵のチャラさが妙に懐かしくなってね。
安室さん、カムバーック!
間違えた。
多分だけど、尾田栄一郎先生が描いた「ワンピース」ナミも、安室奈美恵のイメージから引っ張ってきてるはず。
名前からしてそうだし、タトゥーの位置も同じ。
こういうカッコイイ系ギャル、時代としては傍流なのかもしれないけど、逆に凄く輝いて見えないですか?
「とある魔術の禁書目録」御坂美琴
「呪術廻戦」釘崎野薔薇
「その着せ替え人形は恋をする」喜多川海夢
「リコリスリコイル」錦木千束
「ダンダダン」綾瀬桃
こういう感じで、ちょっとばかりギャルが入ってる感じの子が妙にキテるんだよなぁ・・。
いわゆる強い系というか、オトコに依存しない自立系というか、それでいて内面はギャルっぽくなく、一本筋が通ってるという俗にいうギャップ系。
黒髪/美白キャラより、よっぽどイケてないか?
「エヴァ」でも私は昔なら綾波派だったが、今では一周廻ってアスカが妙に眩しくってね。
式波アスカラングレー
明らかに庵野秀明も、惣流アスカより、式波アスカの方を好意的に描いてたような気がするし。
・・そう、時代はグルリと廻り、またギャルの時代なんですよ!
かつて安室奈美恵を独自解釈し、アンチ美白を極めた方々
しかしながら黒髪の民族・日本人として生まれた以上、<基本形>は決して忘れてはならない。
特にアニメ界において、正しい<基本形>黒髪を表現してくれているのが、我らが早見沙織と能登麻美子である。
<早見沙織が表現する黒髪>
「俺の青春ラブコメはまちがっている」雪ノ下雪乃
「魔法科高校の劣等生」司波深雪
「SPY×FAMILY」ヨルフォージャー
<能登麻美子が表現する黒髪>
「君に届け」黒沼爽子
「地獄少女」閻魔あい
「ジョジョの奇妙な冒険」山岸由花子
何と申しますか、この御二方の声は、実に「黒髪的」なんですよね。
「茶髪的」な声ではない。
やはり日本人として、聴いてたらとても落ち着く。
うむ、私が思うに、髪色のベストフォーメーションは以下の通りである。
<こんな髪色に囲まれて暮らしたい理想像>
黒髪・・愛する妻
茶髪・・一緒に敵と闘う相棒(ツンデレ)
ピンク髪・・愛人(闇落ちに要注意)
銀髪・・愛するひとり娘
水色髪・・近所の引きこもり女子(基本、喋らず)
緑色髪・・近所の方言女子(電撃に要注意)
金髪・・近所のチアリーダー(巨乳)
赤髪・・シャンクス
こういう環境で日々を過ごすことが、私の理想なんです。
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