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世界興行収入歴代NO.1のアニメ映画を知ってる?
皆さんは、アニメ映画の世界興行収入ランキングってのを見たことありますか?
あるいは日本国内の興収ランキングだけ把握し、国内TOPの「鬼滅の刃 無限列車編」が世界興収ランクキングでも上位と勘違いしてませんか?
いや、それも致し方ない部分もあると思う。
日本国内のメディアの報じ方は、「劇場版『鬼滅の刃』、2020年の年間世界興収首位!」と華々しいものだったから・・。
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まるで「日本アニメが世界を制覇した!」と言わんばかりで、実際多くの人がそう信じたと思う。
日本のメディアの悪いクセである。
ただ、これは別に嘘を報じてたわけじゃない。
でも数値というものは、一種のマジックを孕むものである。
どこからどこまでを切り取るかによって、このての数値は大きくニュアンスが変わってくるものだから・・。
じゃ、もっと客観的な数値として「歴代アニメ映画世界興収ランキング」(累計)を皆さんにご覧いただきましょう↓↓
歴代アニメ映画世界興収ランキング(累計)
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【1位】ナタ2~魔童闹海~(中国)
【2位】インサイド・ヘッド2(アメリカ)
【3位】ライオン・キング2019年版(アメリカ)
【4位】アナと雪の女王2(アメリカ)
【5位】ザスーパーマリオブラザーズムービー(アメリカ/日本)
【6位】アナと雪の女王(アメリカ)
【7位】インクレディブル・ファミリー(アメリカ)
【8位】ミニオンズ(アメリカ)
【9位】トイ・ストーリー4(アメリカ)
【10位】トイ・ストーリー3(アメリカ)
【11位】モアナと伝説の海(アメリカ)
【12位】怪盗グルーのミニオン大脱走(アメリカ)
【13位】ファインディング・ドリー(アメリカ)
【14位】ズートピア(アメリカ)
【15位】怪盗グルーのミニオン超変身(アメリカ)
【16位】怪盗グルーのミニオン危機一発(アメリカ)
【17位】ライオン・キング2004年版(アメリカ)
【18位】ミニオンズ フィーバー(アメリカ)
【19位】ファインディング・ニモ(アメリカ)
【20位】シュレック(アメリカ)
【21位】アイス・エイジ3/ティラノのおとしもの(アメリカ)
【22位】アイス・エイジ4/パイレーツ大冒険(アメリカ)
【23位】ペット(アメリカ)
【24位】インサイド・ヘッド(アメリカ)
【25位】シュレック3(アメリカ)
【26位】リメンバー・ミー(アメリカ)
【27位】シュレック フォーエバー(アメリカ)
【28位】マダガスカル3(アメリカ)
【29位】モンスターズ・ユニバーシティ(アメリカ)
【30位】ナタ~魔童降臨~(中国)
【31位】カールじいさんの空飛ぶ家(アメリカ)
【32位】スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(アメリカ)
【33位】カンフー・パンダ2(アメリカ)
【34位】アイス・エイジ2(アメリカ)
【35位】ベイマックス(アメリカ)
【36位】モアナと伝説の海(アメリカ)
【37位】SING/シング(アメリカ)
【38位】カンフー・パンダ(アメリカ)
【39位】Mr.インクレディブル(アメリカ)
【40位】レミーのおいしいレストラン(アメリカ)
【41位】ヒックとドラゴン2(アメリカ)
【42位】マダガスカル2(アメリカ)
【43位】塔の上のラプンツェル(アメリカ)
【44位】クルードさんちのはじめての冒険(アメリカ)
【45位】モンスターズ・インク(アメリカ)
【46位】カーズ2(アメリカ)
【47位】長ぐつをはいたネコ(アメリカ)
【48位】カンフー・パンダ4(アメリカ/中国)
【49位】怪盗グルーの月泥棒 3D(アメリカ)
【50位】マダガスカル(アメリカ)
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お分かりいただけるだろうか。
とりあえずはTOP50を示させてもらったんだが、このうちの何位に「鬼滅の刃」はランキングされてるのか?
・・はい、もうお分かりだと思いますが、
「鬼滅の刃」はTOP50圏外です(暫定60位)
ということは、すなわち「千と千尋」も「君の名は。」もみんな圏外であるということ。
これ、意外だと感じた人は多かったんじゃないだろうか?
そりゃそうだろう。
日本のマスコミの論調は「日本アニメはいまや全世界を支配する勢い!」というものだったし、また多くの人がそれらを検証することなく鵜呑みにして当然である。
この虚構に気付いてるのは、実はアニメオタクだけなんだよね。
オタクって、やたら猜疑心強いから(笑)。
・・これって、あれだな。
太平洋戦争の時、実は戦況は劣勢なのにメディアの報じ方は「連戦連勝!」みたいな感じだったのと酷似してる。
つまり日本のマスコミの本質は、80年前の時と何ら変わってはいないということだろうよ。
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ぶっちゃけると、「いまや全世界を支配する勢い!」というなら
日本アニメよりむしろ中国アニメの方なんじゃないの?
だって、この「ナタ2」↓↓というアニメ、なんと世界興収記録を更新したんだから。
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これはまだ公開中らしいので興収数値は確定してないものの、既に2500億円を突破している。
ちなみに「鬼滅」の世界興収は約755億だし、その3倍以上ということになるね。
なお、「ナタ」1作目(2019年)の世界興収は約1100億(ランキング30位)だったらしく、もともとこれは人気シリーズだったんだろう。
まぁ、中国ってところは日本の10倍ほどある人口規模だし、前提から優位ではあるんだけどさ・・。
それにしても、この「ナタ」を見たことある人はいます?
多分、ほとんどいないと思う。
日本では1作目が限定公開で、2作目は公開がまだ未定って・・。
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「ナタ2」は今まさに全世界で公開中だし、とにかく我々は公開を待つのみにせよ、でも「ナタ」1作目は日本でもDVDが発売済みで、普通に見ることができます。
なお、
「中国アニメなんぞにカネ払えるか!」
という考えの人は、YouTubeで「nezha anime」と検索してみて下さい。
一応、無料動画が見られます。
ただし日本語字幕版じゃないので、英語字幕のやつを日本語翻訳機能で見ていただくしかないかな、と。
で、私の印象としては、これ、思いきり鳥山明先生の影響があるというか、
(「ドラゴンボール」+「SANDLAND」)÷2だよね。
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この感じ↑↑見て、何となくご理解いただけるだろうか?
明らかに日本アニメ特有の「タメ」、「カブいたモーション」、それを模倣してるんだよ。
いわゆる日本式リミテッドアニメーションっぽさを出してきてるということさ。
といってもこれはフル3DCGだし、リミテッドアニメではない。
いや、そうなんだけど、そういう感じに見えるよう色々と工夫が施されてる感じだな。
内容については未見の方がほとんどだと思うので、ネタバレは避けます。
見たい人はDVD買うなり、YouTubeを検索するなどして下さい。
少なくともここまで大ヒットしたアニメなんだし、見といて損はないかと。
めっちゃ泣けるし・・。
「ザ スーパーマリオブラザーズ ムービー」(2023年)
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さて、もうひとつご紹介したい作品がある。
それが前述ランキングの第5位、「ザスーパーマリオブラザーズ ムービー」だね。
これはTOP50で唯一、日本の資金(任天堂)が入ったアニメだから。
興収は、なんと約2000億円!
「鬼滅」の約2.5倍、「君の名は。」の約3.5倍に該当する興収スケールさ。
日米合作だからアメリカにごっそり儲けを持っていかれたとは思うが、それでも日本の冠作品が世界ランク5位に入ったのは素直に嬉しい。
あと、この映画って
めっちゃ面白いんですわ!
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「マリオ」の生みの親である宮本茂さんががっつり制作に携わったらしく、これがもう見事なほど「マリオ」の世界観が3DCGアニメとして表現されている。
実はハリウッドは1993年にも実写で映画化してるんだけど、それは思いきりコケたんだよね。
というのも、なぜか「マリオ」を異次元SFっぽい世界観の脚色をしたもんだから(個人的には嫌いではなかったが)、なんか全く別モノになっちゃったわけで・・。
その時も宮本さんは一応プロデューサーの立場だったらしいんだけど、やや遠慮したのか、当時はほとんど口を挟まなかったらしい。
でも、今回は違うよ!
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本作で特に魅力的だったのがピーチ姫である。
単に「囚われの姫」じゃなくて、めっちゃアクティブに動くカッコイイ系のヒロインだったんだ。
あと、アニメーション表現はこれも前述「ナタ」に近いというか、明らかにこれ、日本アニメっぽさがあるのよ。
はっきりと断言はできないけど、アクションシーンとか部分的に「中抜き」して、敢えてリミテッドっぽくしてるんじゃない?
めっちゃ動きに「タメ」があり、めっちゃメリハリがきいてる。
てっきり日本のスタッフが加わっているのかと思ったら、実はそうでもないみたい。
だけど、監督のアーロンホーヴァス/マイケルジェニェリックという人たちのことが気になって調べたら、この2人は「ティーンタイタンズ ザムービー」の監督だという。
この作品って、実は思いっきり「日本式リミテッドアニメ」の画風なんだよ。
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日本のアニメって、こうして微妙にアメリカのアニメ制作者に影響を与えてるってことみたいだぞ?
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「マリオ」の画風もまた、そういうコンセプトなんだろうね。
とにかく「マリオ」は面白いので、未見の方は是非見て下さい。
以前に地上波でやってたから、見た人は多いと思うけど。
これだけヒットすりゃ、当然続編もあるはずだよ。
それにしても、世界興収ランキングでTOP50のうち、2Dなのが17位「ライオンキング」だけとは、時代を感じるね・・。
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