アニメで見る、いまどきの漫画。アニメで見たい、昔の漫画
皆さんはアニメ「シャングリラフロンティア」って見たことある?
これ、結構面白いんだよね。
内容はRPGで冒険していく系の話で、ある意味「ソードアートオンライン」に近いともいえるけど、ただこれはそのての作品に多い「ゲームの世界から抜けられなくなった」設定ではなく、普通にログアウトできるんですよ。
よって、設定的に緊張感を演出しにくく、こういうのは話を盛り上げるのが難しいはず。
なのに、なぜか分からんけど、ちゃんと面白いんだから凄いよな。
キャラの作り方とか、構成の作り方が絶妙にうまいんだよ。
たとえば主人公(リアル)に片思いしてるヒロインが人知れずゲームに参加してるんだが、皆に恐れられてるコワモテの最強キャラの正体が、実は彼女だった、とかね。
これ、ラノベ原作と思いきや、聞けば少年マガジンに連載中のものらしい。
へえ、今はマガジンもこういうラノベっぽいのを掲載してるのか~。
考えてみりゃ、「フリーレン」も少年サンデーだっけ。
ここ最近全く漫画雑誌を手に取ることがなくなり、そもそも本屋に行くこともなくなってしまった私。
そのせいで、いまどきのジャンプやマガジンやサンデーが今どういう作品を掲載してるのかを全く知らん。
アニメ化されたのを見て、そこで初めて知る感じだ。
でも子供の頃は、きっちり購読してたんだよ。
私が子供の頃の主力3誌は、各々に得意分野っぽいものを持っていたように思う。
【少年ジャンプ】
得意分野⇒バトル
レジェンド的作品⇒「ドラゴンボール」「北斗の拳」「ワンピース」etc
【少年マガジン】
得意分野⇒スポーツ
レジェンド的作品⇒「あしたのジョー」「はじめの一歩」「シュート!」etc
【少年サンデー】
得意分野⇒ラブコメ
レジェンド的作品⇒「タッチ」「うる星やつら」「名探偵コナン」etc
上記のカテゴリーでいうと、「シャングリアフロンティア」は「スポーツ」という文脈で語られるべきものなんだろう。
よって、「ログアウトできない」という悲壮な設定はいらんということだ。
ただ、この作品が他誌に持ち込まれてたら、それは編集部の個性により別の味付けがされてたんだろうけど・・。
さて、上の図は最近の大手出版社売り上げを示したものである。
やっぱ、集英社がTOPなんだね。
漫画強し、ということだ。
肉薄してるのが講談社というのも分かるとして、KADOKAWAが結構頑張ってると思わない?
KADOKAWAは集英社と違い、漫画に強みがあるところではない。
ならばこの健闘は、ラノベの粘りと見るべきだろう。
ラノベ⇔アニメ⇔映画のメディアミックス戦略、俗にいう角川商法は今なお健在の様子。
じゃ、次は映画分野を見ていこう。
<日本のアニメ映画興行収入ランキング>
【1位】404億
鬼滅の刃/無限列車編⇒集英社
【2位】316億
千と千尋の神隠し(ジブリ)
【3位】251億
君の名は。⇒講談社
【4位】203億
ONEPIECE FILM RED⇒集英社
【5位】201億
もののけ姫(ジブリ)
【6位】173億
ハウルの動く城(ジブリ)
【7位】158億
THE FIRST SLAM DUNK⇒集英社
【8位】155億
崖の上のポニョ(ジブリ)
【9位】149億
すずめの戸締まり⇒講談社
【10位】146億
名探偵コナン/100万ドルの五稜星⇒小学館
【11位】142億
天気の子⇒講談社
【12位】139億
名探偵コナン/黒鉄の魚影⇒小学館
【13位】138億
呪術廻戦0⇒集英社
【14位】120億
風立ちぬ(ジブリ)
【15位】109億
ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦⇒集英社
【16位】102億
シンエヴァンゲリオン⇒KADOKAWA
【17位】97億
名探偵コナン/ハロウィンの花嫁⇒小学館
【18位】94億
名探偵コナン/紺青の拳⇒小学館
【19位】93億
君たちはどう生きるか(ジブリ)
【20位】92億
借りぐらしのアリエッティ(ジブリ)
上のTOP20を見る限り、
<集英社>
「鬼滅の刃」「ワンピース」「SLAMDUNK」「呪術廻戦」「ハイキュー!!」など、少年ジャンプ掲載作品
<講談社>
「君の名は。」「天気の子」「すずめの戸締まり」など、新海誠作品群
<KADOKAWA>
「エヴァンゲリオン」
<小学館>
「名探偵コナン」
といったところがドル箱のようだ。
ちなみにだが、ジブリは元々が徳間書店の子会社だったので(今は違うが)大手出版社との関係はないと思う。
しかし、こうして見ても集英社のひとり勝ちだなぁ・・。
だけど、私が意外と馬鹿にできんなと思ったのが「名探偵コナン」で、これは日テレ専属だろ?
いまや日テレはジブリの親会社でもあり、「コナン」+ジブリ連合軍で決戦に臨めば、集英社+フジテレビ(「鬼滅」+「ワンピース」)帝国軍打倒も夢ではないのでは?
あと、集英社が少年ジャンプ一極集中なのに対し、講談社は割と広くバラけてるのがひとつの特徴だと思う。
たとえば
・進撃の巨人⇒別冊少年マガジン
・AKIRA⇒ヤングマガジン
・攻殻機動隊⇒ヤングマガジン?
といった感じで、講談社って実はオタク的においしいコンテンツをたくさん握ってるのよ。
諌山創、大友克洋、士郎正宗を押さえているあたり、なかなかセンスがいいじゃないか。
それに講談社で意外と侮れないのが、「アフタヌーン」という雑誌である。
このアフタヌーン系をざっと挙げると
・寄生獣
・ヴィンランドサガ
・シドニアの騎士
・亜人
・無限の住人
・蟲師
・天国大魔境
・ブルーピリオド
・スキップとローファー
という感じで、なかなかの品揃えである。
馬鹿にできないだろ?
だから、必ずしも世の中は集英社一強体制というわけでもないのよ。
低年齢(ファミリー)層は集英社、小学館に譲りつつ、講談社やKADOKAWAはそれより少し上の世代をターゲットにし、それをオタク化してがっつりと取り込んでる、というイメージさ。
市場においては4社4様の攻め方で、これがまた絶妙のバランス。
昔は、ジャンプ、マガジン、サンデーに加えて、あとチャンピオンとキングがあり、「5大少年誌」と銘打たれてたと思う。
少年チャンピオンは水島新司先生の「ドカベン」が人気で、アニメ化もされていた。
アニメがめっちゃ粘っこい演出で、1打席を描くのに平気で30分費やしてたように記憶する。
今にして思うと、あれって原作の連載スピードに追い付かないよう、わざとチンタラやって引き延ばしてたんだろうなぁ・・。
あと、少年キングも忘れてはならない。
「超人ロック」とかやってた雑誌だね。
常に発行部数は最下位だったのでやがて潰れたけど、「湘南爆走族」は名作だったと思うぞ。
確か、江口洋介と織田裕二はこれがデビュー作だったよね。
秋田書店にせよ少年画報社にせよ、大手ではない出版社はなぜかヤンキーに走る、という不思議な法則。
チャンピオン系の方は、高橋ヒロシ先生が当時カリスマ的人気を誇っていたと思う。
私が知らないだけかもしれないけど、「クローズ」ってめちゃくちゃファンが多い割に、実写化はされててもアニメ化されてるのは見たことないよ。
なぜだろ?
秋田書店だから?
「東京リベンジャーズ」があれほど売れたんだし、「クローズ」をアニメ化すれば、あれ以上のスケールで売れると思うんだけど・・。
高橋先生が渋ってるんだろうか?
最近の「うる星やつら」のリメイク見てて、つくづく思ったんだよね。
昔の漫画をアニメ化するのって、意外とありだよな、と。
今の時代でも、面白いものはちゃんと通用しますよ。