記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

原作より先に劇場版で真実を明かす「名探偵コナン」の流儀

今回は、劇場版「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」について書いてみたいと思う。
この作品は興行収入157億を記録し、歴代アニメ興収TOP10入りを果たしているのよ。
ぶっちゃけ、「崖の上のポニョ」「すずめの戸締まり」「風立ちぬ」「天気の子」「シンエヴァンゲリオン劇場版」といったところより上だからね?
そう、劇場版「コナン」は、今となってはトンデモないドル箱になってるのさ。

・・といっても、劇場版1作目「時計じかけの摩天楼」で興収11.5億である。
現在のスケールと比較すれば、10分1以下だ。
じゃ、一体いつから今のようなスケールになったのか、ざっとその興収推移を振り返ってみようか。

【1997年】11.5億
「時計じかけの摩天楼」

【1998年】18.5億
「14番目の標的」

【1999年】26億
「世紀末の魔術師」

【2000年】25億
「瞳の中の暗殺者」

【2001年】29億
「天国へのカウントダウン」

【2002年】32億
「ベイカー街の亡霊」

【2003年】32億
「迷宮の十字路」

【2004年】28億
「銀翼の奇術師」

【2005年】21.5億
「水平線上の陰謀」

【2006年】30.3億
「探偵たちの鎮魂歌」

【2007年】25.3億
「紺碧の棺」

【2008年】24.2億
「戦慄の楽譜」

【2009年】35億
「漆黒の追跡者」

【2010年】32億
「天空の難破船」

【2011年】31.5億
「沈黙の15分」

【2012年】32.9億
「11人目のストライカー」

【2013年】36.3億
「絶海の探偵」

【2014年】41.1億
「異次元の狙撃手」

【2015年】44.8億
「業火の向日葵」

【2016年】63.3億
「純黒の悪夢」

【2017年】68.9億
「から紅の恋歌」

【2018年】91.8億
「ゼロの執行人」

【2019年】93.7億
「紺青の拳」

【2020年】76.5億(コロナウイルス蔓延)
「緋色の弾丸」

【2021年】(コロナウイルス蔓延)
なし

【2022年】97.8億
「ハロウィンの花嫁」

【2023年】138.8億
「黒鉄の魚影」

【2024年】157億
「100万ドルの五稜星」

ほんと、90年代から地道にじわじわと興収を挙げてきたといえるんだけど、実はこれまでポン!と大きく数値が跳ね上がったタイミングが3度あって、それが次の3作品である。

2016年「純黒の悪夢」44.8億⇒63.3億

2018年「ゼロの執行人」68.9億⇒91.8億

2023年「黒鉄の魚影」97.8億⇒138.8億

はい、お分かりいただけるだろうか。
この「興収が跳ね上がった」作品って、大体<黒の組織>とか裏社会を題材にしたものなんだよね。
つまり既存の「謎解きミステリー」路線でなくて、「クライムアクション」路線である。
当然、この2人がメインになってくる。

FBI捜査官・赤井秀一(cv池田秀一)

公安捜査官・安室透/降谷零(cv古谷徹)

そう、赤い彗星(池田秀一)&アムロ(古谷徹)の「ガンダム」コンビである。
いまや、この2人が「コナン」人気を牽引してるといっていい。
あと付け加えると、「ゼロの執行人」と「黒鉄の魚影」は監督があの立川譲なんだよね。

立川譲

「モブサイコ100」「デカダンス」「BLUE GIANT」等で評価急上昇の新鋭

立川さんが手掛けた「コナン」はこの2作品のみなんだけど、両作品とも、きっちり結果を出したといえよう。

ただ、最新作「100万ドルの五稜星」は

①監督が立川譲じゃない
②今度は<黒の組織>回ではなく、赤井も安室も出番がない


という2つの不安を抱えてたわけね。
①はまぁいいとして、②はこれ↓↓が関係してるのかなぁ?
確か、このニュースが出たのはちょうど公開期間中だったと思うけど。

古谷さんの後任って、もう決まってるんだっけ?
やはり最も濃厚なセンとして、彼↓↓で決まりかな?

若井おさむ

でも、そういう向かい風がありつつも、ちゃんと本作は「コナン」最高記録を更新できたわけで、そこはホントに素晴らしい快挙だったと思う。

で、今回は原点回帰の「謎解きミステリー」。
・・あ、本作をまだ未視聴の方は、ここから先、重要なネタバレ書いちゃいますので、出来ればここでご遠慮いただければと存じます。

何より、この劇場版「コナン」の油断できないところは、

原作ですらまだ明かされてない真実が、映画の方で先に明かされる


という実績があることなんだよ。

確か、2014年の「異次元の狙撃手」だったっけ。
この作品のラストで、沖矢昴の正体が赤井秀一という真実が明かされたわけですよ。
いや、厳密には明かされたというより、沖矢が発した「了解」というひと言が、いつものcv置鮎龍太郎さんじゃなくて、池田秀一さんだったわけね。
たったひと言なんだけどさ。
しかし、この「了解」は全世界の「コナン」ファンを熱狂させるものだったようで、その時の劇場の様子をこちらの動画で見て下さい↓↓

お前ら、騒ぎすぎ(笑)

・・いや、もちろん合成の嘘動画ですけど。

でもこういう前例がひとつできちゃうと、劇場版「コナン」は原作ファンであっても絶対無視できないものになってしまったわけさ。
「どうせアニメオリジナル脚本だろ?」と冷ややかに見てた人も多いだろうけど、この「異次元の狙撃手」見る限り、原作者の青山剛昌先生ががっつり絡んでるってことじゃん?

でね、今回の「100万ドルの五稜星」もやってくれたんですわ!


・・はい、今見てる人は本作視聴済みということ前提で書きますけど、

実はコナンと怪盗キッドはイトコ同士だった!(というか、コナンの父とキッドの父は双子)

右が工藤新一(コナンのもとの姿)で、左が黒羽快斗(怪盗キッドのもとの姿)

そうか~、父親同士が双子だから似てるのか~。
私はてっきり、青山先生の描く主人公は、どれも似たような顔になるというだけのことかと思ってたよ。

しかし、劇中の序盤で服部平次がたまたまキッドの素顔を目撃し、コナンに

お前によく似とる(⇒そんなの青山先生に言えや・・)
声まで似とる(⇒どっちもcv山口勝平だっつーの!)
お前、兄弟がおるんとちゃうんか?」

と神妙に話すシーンがあり、今さら服部は何を言うとるんや?と思ってたんだが、でもよ~く考えたら、敢えて両者のcvを山口勝平で統一したのは、ひょっとして青山先生は最初から・・。
どうなんだろうね。

大体さぁ、私は↓↓の5人のうち、どれが<上杉達也>か、言い当てる自信がないんですけど?

正解は、こちら↓↓

こいつらもまた、全員親戚ってことでOK?


まぁとにかく、今回の「100万ドルの五稜星」は原作ファンも見逃すことができない内容だったのは間違いない。
あと、原作ファン的には本作の中でもうひとつ見逃せないポイントがあり、それは

遂に服部が、和葉に<告白>をするのか?

ということだったんだよ。

ちなみに原作ではまだ告白に至ってないんだが(お互い相思相愛なんだけどねぇ・・)、例の「異次元の狙撃手」の前例もあるし、ひょっとしたらあるんじゃないか?という見方もあったわけで。

で、劇中に名シーンが誕生↓↓

ちょっと涙が出てる和葉ちゃん

このシーン、めっちゃよかったよなぁ~(予想外のオチも含めてね)。

この世に、服部を超えるカッコいい男は存在するだろうか?
私の中で、「付き合いたい男子ランキング」ダントツ1位は服部である。
和葉ちゃんもカワイイしなぁ・・。
ホント、ベストカップル賞をあげたい2人だわ。

もともと、今回はプロモーションからしてそっちに照準を合わせてた感じで、それを匂わせた予告編も制作されてたわけです↓↓

服部⇔和葉は、ホントくっつきそうでくっつかない、ラブコメの王道をいく幼馴染みの関係である。
TV本編では、こういう展開もあったんだけどね↓↓

和葉が服部に告ったシーン

俺の和葉に何さらしとんのじゃ!のシーン

その手離したら、殺すで・・のシーン


お前ら、はよ結婚せえよ・・。

「100万ドルの五稜星」は、一部で<キッド回>だという触れ込みがあったけど、いや、どっちかというと今回は<服部回>である。
NO1人気キャラのキッドですら、服部の引き立て役という感もあったし。

カッコええわぁ・・


見事に、赤井/安室の穴を埋めたといえよう。

・・大体さ、興収157億ものスケールになると、それって絶対リピーターの存在があるということなのよ。
もう1回見たい!」と思わせるものがあるかどうか、そこが大台に乗るか乗らないかの決め手である。
だから、興収100億を超えた映画にハズレはまずないといっていいし、実際この作品は大当たりでしたよ?

「コナン」は最近、TVアニメ本編がアニオリ多すぎて正直クオリティ怪しくなってきてるんだけど、そんな無理してTVシリーズを継続することの意味というのも、おそらく映画のプロモーションの為なんだと思う。
もはや、「コナン」制作スタッフの本気はほぼ映画に注がれてる、といって過言ではないかと。
だから劇場版見ずして、「コナン」のことは語れないようになってきたね。

当然アニメファンならば、劇場版「コナン」の27作品、全部見るべし!


いいなと思ったら応援しよう!