2023年読書評9 フロスト
「夜のフロスト」
RDウイングフィールド
本作はシリーズ3作目。
解説を読むとゲラを読んで、笑った箇所に付箋をしたらしすぎて原稿が開いてハリセンのようになってしまったと言います。
私はですが
読み始めて過去3作読んでいますが、一番笑えない作だなと思いました。それになんとなく、退屈。
でも本シリーズはさくさく読めます。
物語は警察署内で複数の事件が例によって平行して描かれる。
フロスト警部は夜となく昼となく奔走する。睡眠時間もけずって。
今回の相棒は若造のギルモア坊や。平から部長刑事に昇進して頭に乗っているところをデントン署に配属になった人。
事件は
墓地で全裸で発見される少女の腐乱死体。恐喝事件。老女連続殺人事件。そこにフロストの下品な冗談が加わり、時にマレット所長に叱られ、物語は展開して行きます。
この小説もそうですが、「正義」とは何かを考えされられます。
手柄だけを考える所長やその他の警官。しかし事件を解決したい、こんな酷いことをやった奴を刑務所に放り込みたいと意気込むフロスト。
日本の警官も点数ばかり稼ぎたい人ばかり、
日本の政治家は権威と金と地位のためばかり、
この本は章区切りがしてなく、月曜から金曜までの昼夜を描きますので、少々読み辛さもあります。
また、珍しく下品なジョークを言うフロストをたしなめる部下に彼が謝るシーンがあります。
ギルモア坊やが「こんな厳粛な場で、場違いな下品なことをなぜ言うのですか」とたしなめると
フロストは「何十年も毎日悲惨な事件にばかり会っていると、冗談でも言わないと正気を保てない。不快にさせたなら謝るよ」と。
そう、彼は下品なことをして権威をへとも思わないのだけれど、正義感があり、部下を見下すこともありません。淡々と捜査に当たり、仕事に忙殺されています。
そんな所が良い小説になっているのだと思います。
*
物語の中で殺された老女の飼っていた猫が保護されるシーンがあります。
フロストが言います「あのちびすけはどうした?」答え「保護施設に預けられるそうです」「じゃあ、あいつも処分されるんだな」
「ちびすけ」という訳し方をした芹沢さんに愛情を私は感じました。それに著者自身も猫好きなのかなとも感じました。
そして保護施設=どんな表現だったか忘れたが、要するに「保護」などしないで「処分する所」ということです。
日本でも私は保護して欲しい猫について公的機関にお願いしまたことがありますが「動けなくなっている状態でないと保護できない」など、全く融通が利かず、「死にかけている状態でないと助けない」と、助ける気など全くない役所仕事に憤ったことがあります。
役所など所詮そんな所、彼らは人であれ動物であれ「助ける気」などないのです。ただ給与をもらい、楽を出来ればいいのでしょう。
ココナラ
姓名判断とタロットを組み合わせて3500円
ホームページからのご応募 姓名判断3000円