小学生向け 読書感想文 「嫌われる勇気」その33 ※私の見解も含めて、小学生向けに分かりやすく紹介しています
信用(しんよう)と信頼(しんらい)はなにが違(ちが)うのか
自己受容(じこじゅよう)ができたからといって、共同体感覚(きょうどうたいかんかく)が得(え)られるわけではないよ。「自己(じこ)への執着(しゅうちゃく)」を「他者(たしゃ)への関心(かんしん)」に切り替えていかないといけないんだ。このとき、絶対(ぜったい)に欠(か)かすことのできないのが、「他者信頼(たしゃしんらい)」になるんだよ。
ここでは、信(しん)じるという言葉(ことば)を信用(しんよう)と信頼(しんらい)とに区別(くべつ)して考えてみよう。
まず信用(しんよう)とは条件付(じょうけんつ)きの話だよね。たとえば、銀行(ぎんこう)でお金(かね)を借(か)りようとしたら、担保(たんぽ)が必要(ひつよう)になる。あなたを信頼(しんらい)しているのではない。信用(しんよう)したから、お金を貸(か)してくれるんだよ。
これに対して、対人関係(たいじんかんけい)の基礎(きそ)は「信用」ではなく、「信頼(しんらい)」によって成立(せいりつ)しているんだ。
これは、他者を信じるにあたって、いっさいの条件をつけないことなんだ。
担保など考えずに無条件(むじょうけん)に信じる。たとえ裏切(うらぎ)られても無条件(むじょうけん)に信じ続ける態度(たいど)を信頼(しんらい)と呼ぶんだ。
この信頼の反対(はんたい)の言葉にあたるものは何だと思う?
懐疑(かいぎ)なんだ。もし対人関係(たいじんかんけい)の基礎(きそ)に「懐疑」を置(お)いていたとしたら?
いったいそこからどんな関係(かんけい)が生まれるだろうか?疑(うたが)いの目を向(む)ければ、相手も直ぐにわかる。「この人は私のことを信頼していない」と。そこから前向きな関係(かんけい)を築(きず)くことは難(むずか)しい。
アドラー心理学(しんりがく)の考えはシンプルだ。あなたはただ「わたしがどうするか」だけを考えればいいんだよ。相手(あいて)のことはコントロールできないのだから。ここでも課題(かだい)の分離(ぶんり)だね。
この信頼(しんらい)とは、対人関係(たいじんかんけい)を良(よ)くするため、横(よこ)の関係(かんけい)を築(きず)くための「手段(しゅだん)」なんだ。もし、その人との関係をよくしたいと思わないのなら、ハサミで断(た)ち切(き)ってしまってもいいんだ。断ち切ることはあなたの課題(かだい)なんだから。
もし、裏切(うらぎ)られることがあったとしても、傷つくことがあっても、信頼することを恐れていたら、結局は誰とも深い関係を築くことはできないんだよ。
浅(あさ)い関係(かんけい)であれば、関係が悪(わる)くなったときの傷(きず)も小さい。だけど、その関係から生まれる日々(ひび)の喜(よろこ)びもまた小さいんだ。
「他者信頼(たしゃしんらい)」によって、深(ふか)い関係に踏(ふ)み込(こ)む勇気(ゆうき)をもってこそ、対人関係(たいじんかんけい)の喜(よろこ)びは増(ま)して、人生(じんせい)の喜びも増えていくだろう。
裏切(うらぎ)られ、傷(きず)つくことがあったとしたら、悲(かな)しくなったのなら、そのときは思いっきり悲しめばいいんだよ。
今日はここまで。次は、「仕事(しごと)の本質(ほんしつ)は、他者(たしゃ)への貢献(こうけん)」について説明(せつめい)していくね。
それではまた明日!
この記事が参加している募集
もしよろしかったらサポートお願いします!頂いたサポートは、今後の執筆活動に使わせていただきます!