好奇心を持ち、意識を外に向けること
内側に向く心
ヒルティ(1891年)、アラン(1925年)、ラッセル(1930年)、それぞれの『幸福論』は3大幸福論と呼ばれています。
先日、ふと本棚からラッセルの『幸福論』を手に取ってみました。
ラッセル「幸福論」のキーワードは、一言でいうと、
「外界への興味」と「バランス感覚」
人間の特性として、気持ちのベクトルは、どうしても徐々に内側に向いていってしまうように思います。
気付くと、「自分は…、自分は…」というように。
私も最近、少し気持ちが内側に向いていたので目から鱗でした。
幸福な人とは
ラッセルは、幸福な人とは「客観的な生き方をし、自由な愛情と広い興味をもっている人」と結論付けています。
確かに、人は何かに好奇心をもち、何かに夢中になっているときは幸せだと思います。年配の方も、旅行や習い事に夢中になっている人は、とても幸せそうです。また、推し活している人も幸せそう。
さらに、自分のことではなく、誰かのことを思うことも大事な要素です。
例えば、仕事にいくとき、「今日、自分は~をしなければ、~をしよう」と思ってしまいがちですが、意識を外に向け、
「今日自分は、メンバーのために何ができるだろう」
「今日メンバーは、どんな気持ちで会社に来るんだろう」
と意識をメンバー・仲間に向けることで、大きな変化が生まれると思います。
話は変わりますが、先日、北アルプスで悪天候下でのビバーク訓練をしてきました。オープン前の小屋のテント場に、一人ぼっち。そして、夜中からずっと暴風雨。とても、孤独と不安を感じました。
「人は、ひとりでは生きていけない」
と改めて思う瞬間でもあります。
意識を外に向けること
そんな雨の中でも、咲いていた高山植物。草花に興味を持ち、意識を外に向けると豪雨の中の山行も、楽しいものになりました。
ラッセルはほかにも「中庸(バランスをとること)」「起きた出来事を宇宙レベルで考えてみること(宇宙の流れからみたら悩みも小さいこと)」を幸福な条件としてあげています。
考えてみると、登山は、ラッセルの幸せの条件が揃っているように思います。
①意識を外に向ける → 山々の景色や花や岩に意識が向いていること
②中庸であること → 誰かと競わずマイペースで登ること
③宇宙レベルで考える → 自然の偉大さを知り、自分の小ささを知ること
「幸福論」には、生活をしていく中でいろいろなヒントが隠されています。
アラン、ヒルティの幸福論についても、いつか書きたいと思います。
皆さまの生活が幸せになりますように。