第4話:股関節の”カタチ”には個人差がある
1.寛骨臼の形状
💡股関節を見る際に、股関節の”前提条件”を検査することは大切です。
📌”寛骨臼”というソケットの向きは前下方を向き開いています。
後方に比べて前方の被覆は少ないのが特徴です。
*臼蓋形成不全の方では寛骨自体の形成に左右差があり、寛骨が細く見える方もいらっしゃいます。
📌”大腿骨(太ももの骨)”は骨頭の”前捻角”があり前方へ捻れています。
約15度ですが、女性では3−5度程度大きい傾向があり、寛骨臼に適合した(うまくはまり込む)場合に大腿骨の内旋(内股)が強いこともあります。
(比率は少ないでしょうが、男性にも見られます)
📝臼蓋形成不全の診断のお子さんを診た経験では、幼少期から横座り(お姉さん座り)の癖があり、内股にしていた側で前捻角が強かった例もあります。
📌通常このような形態はレントゲン、CTといった画像検査が必要です。
2.クレイグテスト
また理学初見として”クレイグテスト”が知られており、CTによる評価との間でも妥当性が確認されています。私も必ず臨床で用いています。
※ただし関節周囲の機能障害(拘縮がある、骨頭が軸に留まらない)があった場合偽陽性を診てしまう場合もあり、注意が必要です😅
3.FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)
📌FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)は股関節の形態異常が問題となる典型的なケースです。
4.Hip motion image test
臨床的でシンプルな股関節前捻角の検査として、Hip motion image testがあります。
仰向けで被験者に”自分のまっすぐと感じる方向で”膝を立ててもらいます。
多くの臼蓋形成不全の患者さんは、図のように股関節内転、内旋方向に動きが偏移します。適合としてその位置が中間位であり、また自覚的な中間位も内転内旋方向に偏移しているとも考えられます。
... 股関節の”形態”を見る大切さについて触れました。
臨床で日々患者さんを触ったり、レントゲンを見たりしていると、股関節のみならず骨盤自体も、本当に”カタチ”は多種多様です。
骨盤と股関節の”カタチ”を把握しておくことは、安全かつ積極的にコンディショニングする上で、とても大切だと考えています🤔
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