再発
■2023年(両親81歳)
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父、救急搬送 続き(2)
ひたすら待つこと2時間、16:00に差し掛かる頃、白衣の男性が颯爽と現れる。
「お待たせしました。遅くなっちゃったね」
と、身に着けていたカバンをどさっと床に降ろし、速やかにパソコンで画像をチェックし出す。
良く見ると、T病院の神経内科でお世話になっている母の担当医師だった。
こちらの病院も兼任しているのか。
どうやら今日の救急当番医らしいが、外から駆けつけてきた様子。
ここで初めて、当番医の到着を2時間も待っていたということに気づかされる。
諸々の検査などにまだ時間がかかっているのかと思っていたら、ただただ医師の到着待ちだったとは。
唖然としつつも、T医師にパソコンの前に呼ばれ、検査結果を聞く。
「母がお世話になってます…」
「あぁ、そうだよね。お母さん、その後大丈夫そうですか?」
「はい、何とか。」
「それは良かった。今日はこっちでお父さんの方ね。二人ともたいへんだね。えぇっと、お父さんの方は…、てんかん発作の再発ということでいいと思います。血液の値もね、バルプロ酸が低いので、薬をとりあえず二週間分追加しておくので、あとはそちらの往診の先生で継続して診てもらったらいいと思います。薬増やすとちょっと怒りっぽくなっちゃったりする可能性もあるのでね。」
これからけいれん止めのイーケプラという点滴をするとのこと。
その他の所見としては、
・肺のCTでは、右の肺に肺炎の跡が見られる。
・頭のCTは異常なし。
・膀胱(左の陰嚢)に水が溜まっている。
・甲状腺ホルモンの値が低い。甲状腺ホルモンが低下すると、むくみや便秘、脱力症状が表れる。年齢的なものもあるが、往診医に相談してみては?
などなど。
膀胱に関しては経過観察で良いと思うが、念のため泌尿器科の先生にも診てもらおうということになり、その場で連絡を取ってくれる。
一旦廊下で待たされる。
しばらくしてT医師が出てきて声をかけられる。
「あとで泌尿器科で詳しく診てもらえるからね。それでお父さんのけいれん止めの点滴が終わったら、今日はもう帰って大丈夫です。」
そう言って、カバンを肩にかけて颯爽と消えていった。
また別の現場に向かうのだろうか。
父のためだけに駆け付けたのか?
医師の世界はよく分からないが忙しそう。