夏の終わりに思い出す1つの恋

今日で8月も終わり。

夏が終わるってなんだか情緒的。
この時期になると、たまーに昔のあれこれを思い出してしまう。

8年前の8月30日は、さざんビーチちがさき海水浴場にいて、わたしが中学2年の頃から愛してやまないaikoのフリーライブを見に行った。

夜行バスで全く寝れず寝不足になったこと、観覧エリアの整理券に3時間並んだ砂浜の感触、照りつける日差しとそれから雨、潮の匂い。海上に打ち上がった色とりどりの花火……

あの日の記憶はとても鮮明に覚えていて、楽しかった若かりし頃の夏のいい思い出。
10時間くらいビーチで待機していたけど、ライブが始まると疲れはすべて吹っ飛んでいったし、とにかくaikoが可愛くて最高だったんだよね。米粒くらいの距離だったけれど。

で、翌日自宅へ帰ったときに、わたしは何を血迷ったのか、5ヶ月前にフラれた元彼にLINEを送ろうとしていたんですよね。

「最後の夏休み、楽しんでな〜！」

ライブ中、aikoが満面の笑みで私たちに叫び、歌っていた。


あ、そうか。明日あいつの誕生日だったっけ…

「最後の夏休み」というワードで思い出してしまった。忘れようとしていた男の誕生日が8月31日だったことを。

誕生日なのに夏休み最後の日だから宿題に追われててさー　　あいつはそう笑っていた。

LINEを送ろうと思えたのは、きっとaikoから色んなパワーをもらって背中を押されたからだと思う。
5ヶ月間忘れたくても忘れられなかったし、ライブ中も、あーこの歌、あーこの歌詞私にぴったり…って無意識に思い出すくらい頭の中を占領されてたもんね。

元気にしてる？から始まり、お祝いのメッセージ、そして私の就活が終わったことをなぜか報告した。
文字を打ってる間も送信した後もずっとドキドキしていたし、あの時の原動力がすごい。緊張したなぁ。
でもフラれたくせに引きずりまくりで痛すぎるし、今になるとめちゃくちゃ恥ずかしい。消えたい。

そんなドキドキをよそに、
予想より早く通知音が鳴り

ありがとう。元気そうでよかった(*^^*)
就職決まったんやな、おめでとう！

たぶんそんな感じだったかな。
当たり障りのない、やさしい言葉。

なんでやさしく返すんだろう？

返信が欲しかったくせに、嬉しかったくせに。
でも既読スルーくらいしてくれる方がよかった。なんかずるいなぁ。あの日もこんな風に話してほしかったなー

他人になったはずなのに、なんの変哲もないやさしい返事をくれた。
でも私はこの人に振られたんだよな。もう会わなくても平気だと思われた。

懐かしい画面を見つめながら何度も自分に言い聞かせ、「ありがとう！じゃあ元気でね。」と返して画面を閉じた。これで終わり。後悔はない。

それ以降、あの男を思い返す時間は随分と減った。新しい恋もした。
aikoのおかげで未練を断ち切る勇気をもらえた。思い残すことなく吹っ切るために前を向けたのは、間違いなくサザンビーチでパワーをもらったから。

ありがとうaiko。