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【第3回】肥満や孤独は炎症を引き起こしカラダの不調を招く恐れが・・・

肥満の人の割合は年々増加している

文明病のもっとも身近な例の1つに「肥満」があります。

海外のデータにはなりますが、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)の発表によると、1950年代の肥満率は10%未満だったのが、2000年は30.5%、2020年は41.9%と右肩上がりに増加しています。

そもそも1890年代くらいは、肥満そのものが珍しく「異常者」として扱われていたそうです。

また、厚生労働省の「令和4年国民健康・栄養調査結果」では、男性の肥満者の割合は31.7%、女性が21.0%と発表されています。

実は、肥満は「身体の不調と密接に関わりがある」ことがわっているのです。

出典:「令和4年国民健康・栄養調査結果」

内臓脂肪が不調の原因になる

肥満の人は体重だけでなく、内臓脂肪が増加しますが、この内臓脂肪は私たちの身体にとっては異物として扱われます。

すると免疫細胞が起動し、脂肪細胞が炎症性物質を分泌することで、臓器が炎症を起こします。

この炎症は「擦り傷」や「風邪」のときなど、身体を治癒するために起こる自然な反応です。しかし、残念ながら炎症によって内臓脂肪を落とすことはできないので、食事や運動でカロリーを減らすしかありません。

逆に内臓脂肪が溜まったままだと、体内での炎症が慢性化し、血管や細胞を傷つけて動脈硬化や脳梗塞の引き金にもなります。

また、慢性炎症が原因となり「よく寝たのに疲れが取れない」「ずっと身体がだるい」といった体調不良を引き起こすケースが多々あります。

実際に、2017年にカロリンスカ研究所のチームが約5万のスウェーデン人男性を対象にした実験では、「体調が悪い」と感じている人ほど体内の炎症レベルが高いというデータが出ています。

孤独な人ほど死亡リスクが高くなる

厚生労働省の「2023年国民生活基礎調査の概況」によると、単身世帯の割合は全国の世帯総数の34%(1849万5000世帯)であると発表されています。

単身世帯が悪いという話ではありませんが「孤独が私たちの身体に悪影響を与える」という興味深いデータがあります。

実は、2015年にブリガムヤング大学がおこなったメタ分析によって「孤独感はタバコや肥満と同じくらい全身に炎症を起こす」ことがわかっているのです。

これに関しては、孤独感が強い人は「早期死亡リスクが26%も高くなる」「社会からの孤立が長引くと32%までアップする」という具体的なデータが出ています。

自分の場合、「リモートワークであまり人と関わらず、社会とのつながりが薄れていく」ことで、調子が悪くなっていったように感じました。

「休日はできるだけ人と会う」「習い事をして人と関わる」など、コミュニティに属している感覚を持つことが孤独に対する対処法の1つになるのかと思います。

参考書籍

※今回の内容は複数の書籍やYouTubeの動画などを参考にして自分なりにまとめています。そのため、著者の考えと違う点があることはご了承ください。

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