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【第9回】日常生活で抱えるストレスの種類と不安や緊張を軽減する方法

私たちは何かしらのストレスを抱えながら日々生活していますが、ストレスがどういうものかをはっきりと理解している人は少ないのではないでしょうか。

人はストレスがかかっている環境にいるとき、その負荷に抵抗するために副腎という臓器から「抗ストレスホルモン」と呼ばれる物質を放出します。

有名なところでいうと「アドレナリン」「コルチゾール」ですね。これらのホルモンは血圧や血糖値を上昇させ、「戦闘モード」に切り替えます。

一時的なストレス(適度な負荷)であれば「やる気を高める」などのプラスの側面もありますが、強いストレスにさらされ続けると、免疫機能が正常に働かなくなり、さまざまな不調を引き起こすのです。

ストレス反応を起こす外部環境からの刺激を「ストレッサー」と呼びます。

出典:休養学

このようにストレッサーにはさまざまな種類があるので、自身の環境に照らし合わせて、ストレスの原因を取り除く必要があります。

今回は、ストレスや不安の対策として手軽に実践できる方法を2つ紹介します。

ストレスを再構築する(リアプレイザル)

ストレスを感じたときに有効なのが「リアプレイザル」というテクニックです。

会議や商談の前に「失敗したらどうしよう」とネガティブな考えが浮かんだり、ひどく緊張してきたら「楽しくなってきたぞ」「興奮してきたぞ」と自分に言い聞かせます。

実は、人体の反応において「緊張」と「興奮」は非常に似ており、どちらも心臓が激しく波打ち、コルチゾールが分泌されます。

このような反応が起こった場合、緊張と捉えるか興奮と捉えるかは脳の判断にゆだねられます。

つまり、目の前のストレスフルな体験をポジティブに再解釈することで、ストレスを軽減することができるのです。

ほかにも、上司から怒りをぶつけられたときに、少し冷静になって「もしかしたら朝に奥さんと喧嘩したのかも」と考え直してみるのも、リアプレイザルの一種です。

すべてのネガティブなできごとをポジティブに解釈するのは難しいですが、心を落ち着かせたいときの応急処置として活用してみてください。

畏敬の感情が不安を軽減する

畏敬とは「自分の理解を超えるような対象に触れたときにわきあがる、鳥肌が立つような感情」を指します。

「大自然の中を歩く」「歴史上の偉人の考えに触れる」「アーティストの演奏を聴く」「美術館でアートに触れる」など、心の底からすごいと思えるようなできごとであれば対象はなんでもかまいません。

カリフォルニア大学の研究チームは「畏敬の念には、炎症物質を適切なレベルに保つ作用がある。自然の中を歩いたり、アートに触れたりといった活動は、いずれもポジティブな感情を引き起こし、健康や長寿に大きな影響を持つ」と語っています。

畏敬に関する研究はほかにもあり、「不安を減らす」「主観的な時間の間隔が長くなる」といった効果が期待できるようです。

この畏敬を手軽に感じられるのが自然です。自然に触れることは「人類にとって最強の炎症対策」ともいわれています。

そんな自然がもたらす効果については、明日の投稿で詳しく解説します。

参考書籍

※今回の内容は複数の書籍やYouTubeの動画などを参考にして自分なりにまとめています。そのため、著者の考えと違う点があることはご了承ください。

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